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【医師監修】髪の毛を増やす方法とは?○○すると髪の毛が増えるなどの諸説も解説
髪の毛を増やす方法とは?○○すると髪の毛が増えるなどの諸説も解説
日常生活の中でふと髪に触れたり鏡を見たとき、「髪の毛の量が減ったかも」と感じることがあるかもしれません。気のせいかと放っておく人もいれば、市販の育毛剤やサプリを試してみようと積極的にケアを考える人もいるでしょう。中にはネットや知人からの情報をもとに、髪の毛を増やす独自の方法を実践しようとしている人もいるかもしれません。髪の量が減ったと感じるのには理由があるはずです。薄毛や抜け毛の原因によっては、自己流の方法では効果が感じられないことや、かえって薄毛や抜け毛を進行させてしまうかもしれません。そこで今回は、髪の毛を増やす方法を薄毛や抜け毛の原因とともに紹介します。さらに、「この方法で髪の毛は増える?」という気になる疑問にもお答えします。自分の髪の毛の状態に合った方法で効果的に髪の毛を増やすケアを始めましょう。
■著者■ AGA薄毛予防治療クリニック医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。
抜け毛のメカニズムとは?知っておきたい正しいヘアサイクル(毛周期)
髪の生え変わりは「ヘアサイクル(毛周期)」と呼ばれており、髪が生え成長してから抜け落ち、また生えてくる繰り返しの周期のことを指します。ヘアサイクルは成人男性では3〜5年が1周期で、「成長期」「退行期」「休止期」という3つの段階に分けられています。ヘアサイクルの乱れが薄毛や抜け毛と深く関わっているため、正常なヘアサイクルとそれぞれの時期の特徴を知り、異常にすぐ気づけるように理解を深めていきましょう。
①成長期
正常なヘアサイクルの中では成長期が最も割合が多く、全毛髪の80%〜90%を占めています。そのため常に髪の毛が頭部を覆っている状態をキープできています。成長期は髪の元となる「毛母細胞」が活発に細胞分裂して髪の毛が太く強く成長していく段階です。成長期は以下のようにさらに3つの段階があり、その間は毛細血管からの十分な栄養をもとに細胞分裂をおこなっています。
早期成長期
皮膚の下の毛球部という場所で毛母細胞が細胞分裂を始める段階です。皮膚表面にはまだ出ていないので目で確認することはできません。
中期成長期
毛球部の中の「毛乳頭細胞」が育毛促進因子を産生し、毛母細胞の細胞分裂をさらに活性化させ髪が皮膚上に押し上げられてくる段階です。この時の髪は産毛や細い髪の状態です。
後期成長期
皮膚表面から体外に出た髪の毛が成熟する段階です。毛が太く伸びハリやコシが生まれ、手触りもしっかりした状態になります。
②退行期
退行期は全毛髪の1〜2%と、もっとも割合が少ない段階です。毛母細胞の働きが弱くなり、細胞分裂が減少し髪の毛の伸びが遅くなります。退行期の期間は2〜3週間で、シャンプーやブラッシングなどの軽い刺激で抵抗なく抜け、抜けた毛は太く健康なことが特徴です。
③休止期
休止期は全毛髪の20〜30%を占めています。毛母細胞とともに毛乳頭細胞の働きが止まり、育毛促進因子の産生や栄養の供給もストップするため、髪の毛の成長が止まります。休止期は2〜3ヶ月続き、新しい毛が生えてくることで皮膚の外へ髪の毛が押し出され自然に抜けていきます。
ヘアサイクルの異常が薄毛や抜け毛の原因に
正常なヘアサイクルでは成長期が長く、発毛に関する細胞が活発に働いているため、強く健康な髪の毛が育ちます。そのため、何らかの原因でヘアサイクルが乱れると、髪が十分に育たなかったり新しい毛が生えにくくなるなど、薄毛や抜け毛の原因になる可能性があります。つまり、ヘアサイクルを正常に保つことは薄毛や抜け毛予防にとって重要だと言えますね。
髪の毛が減る原因とメカニズムとは?
一言で「髪の毛が減る」と言っても、減り方にはいくつかのパターンがあります。それぞれのパターンにより原因やメカニズムが違うことがあり、前述した「ヘアサイクルの乱れ」も髪の毛が減るパターンのひとつに当たります。ここでは髪の毛が減る原因とメカニズムについて解説します。自分の髪の毛が減った原因をチェックしてみましょう。
原因①ヘアサイクルの乱れ
ヘアサイクルが乱れて成長期が短くなると、毛母細胞の細胞分裂が減少し髪が十分成長しなくなります。成長途中の細く短い髪の状態で休止期を迎えそのまま抜けることで、髪のボリュームも髪の本数も減少していきます。ヘアサイクルの乱れを引き起こす代表的な病気が「AGA(男性型脱毛症)」で、成人男性の3人に1人が発症すると言われています。特徴として生え際と頭頂部、またはその両方の「M・O・U字」部位に薄毛が出やすいため、部分的に髪の毛が減ってきたという方はAGAの可能性を疑ってもよいかもしれません。
原因②頭皮の炎症
頭皮が炎症を起こすと毛細血管が拡張し、赤みや痒みや腫れといった症状が起こります。そのような湿疹や皮膚炎を起こしている頭皮は正常時と比べ刺激への抵抗性が落ち、髪の毛を保持する機能も低下します。また、皮膚表面の毛細血管に血流が増えるため、毛根部への血流が減ることも髪の毛の成長を妨げる原因になります。頭皮の炎症が長く続く時は髪の毛が減る可能性が高くなりますので早めに治療をしましょう。頭皮の炎症は、「脂漏性皮膚炎」というベタベタした黄色いフケが特徴の皮膚炎や、強い紫外線をUVケアせずに浴びた場合、刺激の強いシャンプーやカラー剤による「接触性皮膚炎」など様々なきっかけで起こります。
原因③頭皮の血行不良や栄養不足
髪の毛の成長には毛母細胞に十分な酸素と栄養を届けることが大切です。栄養や酸素は血液によって運ばれるため、頭皮の血行不良や栄養不足があると髪の毛の成長を妨げます。頭皮の血行不良や栄養不足を引き起こすのは、偏った食生活や不規則な食事時間、睡眠・運動不足、過度なストレスといった日々の生活習慣です。また、睡眠・運動不足やストレスによる自律神経の乱れは髪の成長に欠かせない「成長ホルモン」の分泌を低下させることもあるため、全体的な髪の毛のボリュームダウンが気になる場合は生活習慣を振り返ってみましょう。
原因④自己抜毛
自分で髪の毛を抜いてしまう「抜毛症」という病気が原因で髪の毛が減ることがあります。強いストレスや緊張を感じた状態の時に髪の毛を抜くと、解放感やスッキリ感とともにストレスが緩和されるため、髪の毛を抜く行為がやめられなくなる症状が特徴です。小児や思春期時期に多くみられ、成人以降は女性の発症率の方が高い病気ですが、近年のテレワークの増加や先の不安の増大などから年齢性別に関わらず発症する人が増えている傾向があります。自分で髪の毛を引き抜くため、手が届きやすい側頭部の範囲の髪の毛が減ることが多いのが特徴です。生えている毛を強制的に引き抜くため、頭皮を痛めることや毛孔の萎縮により髪の毛が生えにくくなる可能性があります。
髪の毛を増やす治療と育毛ケアの違い
ここからは、髪の毛を増やすための方法について解説します。髪の毛を増やす方法は主に2種類に区別されており、髪の毛が減る原因ごとに区別して実践することで効果が高くなります。意外と知らなかったり混同しがちな2つの方法について詳しく見ていきましょう。
①発毛治療
発毛とは「抜け落ちた毛が再び生える」ようにヘアサイクルを整えることを指します。「抜け毛が前より増えた」「明らかに毛が減っている部分が目で見て確認できる」といった場合は発毛治療の検討をおすすめします。具体的には、毛乳頭細胞を活性化させ育毛促進因子の産生を増やしたり、毛母細胞に栄養を供給する血管を拡張して毛母細胞を活性化させるほか、AGAの原因となる男性ホルモンの産生を防ぐなどのアプローチがあります。抜け落ちてしまった毛に対する治療のため、医薬品を使用し細胞やホルモン分泌の司令部に直接働きかけることができるため、効果が期待できます。ただし効果が高い分副作用の可能性も否めません。使用には専門の医師による診察と診断を受けてから処方してもらうことが大切です。
②育毛ケア
育毛とは「今生えている髪の毛の成長を助け、太く健康で抜けにくい髪の毛に育てる」ケアのことを指します。「髪の毛が細くなってきた」「ハリやコシがなくなって立ち上がりが弱くなった」などの状態で行うことがおすすめです。髪の成長を助けて抜け毛を予防するため、頭皮の痒みや炎症を抑えたり、髪の毛に十分な栄養が届くように栄養補給や血行促進を行うことなど、頭皮環境を整えることを目的としています。市販で購入できる育毛剤やグッズを利用したり、セルフケアでできることも多いため気軽に始められますが、抜けてしまった毛を生やす効果は期待できないため、自分の髪の毛の状態をしっかりチェックすることが大切です。
髪の毛を増やす5つの育毛セルフケア
頭皮環境を整え髪の毛を健康に育てるには、日常生活の中で生活習慣を見直したり食生活を変えるといったセルフケアが大切です。直接髪の毛を増やすというよりは、髪の毛の成長を促し抜け毛を予防することで結果的に髪が増えることにつながるため、日々継続していきましょう。
セルフケア①バランスの良い食生活
髪の毛を太く健康に育て抜けにくくするためには、日々栄養豊富でバランスの良い食事を摂ることが大切です。髪の毛の主成分は「ケラチン」というタンパク質のため、日々の食事にも質の良いタンパク質が必要です。タンパク質には動物性と植物性がありますが両方偏ることなく摂りましょう。高タンパク低カロリーな鶏のササミや納豆がおすすめですよ。さらに、タンパク質の働きをサポートする亜鉛やカルシウムなどのミネラルやビタミンB6、頭皮の環境を整えるビタミンCなどは意識的に摂りましょう。揚げ物や脂の多い肉類は皮脂の分泌を活発にし、毛穴を塞ぎ髪の成長を妨げるおそれがありますので摂り過ぎには注意が必要です。また食生活は食事の内容のみではなく、食べ方や食べる時間も重要です。できるだけ同じ時間に早食いをしないよう、意識して食事できると良いですね。
セルフケア②質の良い睡眠の確保
睡眠時間中に放出される「成長ホルモン」には、骨などの成長を促進するほか、アミノ酸を取り込みタンパク質を合成する働きがあります。髪の主成分であるケラチンの合成も促進されますので、髪の成長には成長ホルモンの十分な分泌が大切です。成長ホルモンは「睡眠のゴールデンタイム」と呼ばれる22時から翌2時の間に分泌量が最大になると言われていますので、この時間にぐっすり眠ることができると良いですね。しかしこの時間帯に熟睡するのが難しい場合もあるでしょう。成長ホルモンはノンレム睡眠に入った30分後に最大になり、3〜4時間分泌されるとも言われているので、時間帯にこだわるよりも入眠後すぐに深いノンレム睡眠に入れるよう睡眠の質を高めることはいかがでしょう。睡眠の質を上げるためには、入眠1時間前には入浴を済ませ、PCやスマホを見ることをやめリラックスすることがおすすめです。照明を暗くしたり、アロマを焚くことも副交感神経を優位にさせリラックス効果が期待できますよ。
セルフケア③代謝を上げる運動習慣
髪の毛の成長に必要な栄養を運ぶのは血液です。そのため頭皮に十分な血流を維持できるよう適度な運動を習慣づけ、体の代謝を上げるようにしましょう。1日30分程度のウォーキングやジョギングなどができると良いですね。生活の中で運動の時間を確保するのが難しい場合は、1駅分歩くことや階段を利用することを積極的に行なったり、作業中や合間にストレッチを取り入れることをおすすめします。特に首や肩周りのストレッチは頭皮への血流をよくするため、1日の中で複数回気づいた時に行うと良いですね。
セルフケア④頭皮をいたわるヘアケア
細い髪を太くしたりハリやコシを出すためには、適切なヘアケアで頭皮環境を整えましょう。頭皮が乾燥しやすくフケが出るなどの頭皮トラブルがある場合は、まずシャンプーが頭皮に合っているか見直しては?汚れをとる力の強いシャンプーは頭皮への刺激になることもありますので、アミノ酸系シャンプーや敏感肌用のスカルプケアシャンプーを試してみてはいかがでしょうか。また、シャンプー時に熱いお湯ではなく38〜40℃程度の温度のお湯を使用することや、シャンプー後はすぐにドライヤーで乾かすことも頭皮を守るために重要ですので意識してみましょう。頭皮保護にはUVケアもおすすめです。スプレータイプやローションタイプであればさほどヘアスタイルに影響なく使用できますので、特に頭頂部など紫外線を浴びやすい部分はしっかりケアしましょう。
専門クリニックで受けられる髪を増やす発毛治療とは?
発毛治療には大きく分けて2種類あります。それぞれアプローチが違うため併用が可能ですが、どちらも保険適応外の自費治療になりますので、治療効果や治療期間について専門のクリニックや病院で医師に相談しながら、自分に合った発毛治療を行うことをおすすめします。
発毛治療①守りの内服治療
男性の髪の毛が減る原因として多いのが「AGA(男性型脱毛症)」ということは先述しましたが、AGAには治療薬があります。原因となる男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)は5αリダクターゼという酵素によって変換されますが、この酵素の働きを阻害するのが「プロペシア」や「ザガーロ」という内服薬です。抜け毛の原因となるヘアサイクルの乱れを正すことで本来の髪の成長を促す治療のため、「守り」の治療と言われています。
発毛治療②攻めの治療薬
血管拡張作用により血行を改善し、髪に十分な栄養を送ることと、毛乳頭細胞に直接働きかけ育毛促進因子の産生を促すことで髪の毛を増やすのが「ミノキシジル」という薬です。毛を生やす細胞に直接働きかけるため「攻め」の治療薬と言われています。頭皮に直接つける外用薬と内服薬がありますが、厚生労働省の認可があるのは外用薬のみです。そのため内服薬の使用は髪の毛の状態や健康状態を診察し、有用だと診断された時に専門の医師に処方してもらうことをおすすめします。安全のために、自己判断で個人輸入したり人に分けてもらって服用することは避けましょう。
自己流育毛方法は本当に効果がある?よくある質問に答えます
「これをすれば髪の毛が増える」といった噂や経験談を聞くと、試してみたくなりますよね。当院でも患者様からよく髪の毛を増やす方法についてご質問をいただきますが、その通り!という方法から逆効果になってしまう恐れのある方法まで様々です。よく聞かれる質問にお答えしますので是非参考にしてください。
よくある通説と回答
Q:わかめや海藻を食べると髪の毛が増える?
A:医学的な効果は証明されていません。昔からよく言われていますが、長い髪の毛がゆらめく姿と海藻が似ているというイメージから髪に良さそうと思われたのではないかと推測されます。海藻の主な栄養素はミネラルと食物繊維で、髪の成分であるタンパク質をサポートするため日々の食事に取り入れることはおすすめできますが、多量に食べても髪の毛が増えるわけではありませんので偏って摂取しないようにしましょう。
Q:市販の育毛剤を使うと髪の毛は増える?
A:育毛効果は期待できますが発毛治療はできません。市販の育毛剤は「医薬部外品」もしくは「化粧品」に分類されており、治療薬ではありません。頭皮環境を整えるため、血行促進作用や殺菌作用、抗炎症作用のある成分が配合されていますので頭皮のケア目的で使用するのが良いでしょう。外用で髪の毛を増やしたいと育毛剤を検討している場合は、発毛治療薬の「ミノキシジル」がおすすめです。使い方は育毛剤と同じように、朝晩の1日2回頭皮に直接塗布するだけなので簡単です。
AGA(男性型脱毛症)は専門クリニックで早期治療がおすすめ
髪の毛が減ってきたと感じた時、何かできることはないかと焦るでしょう。すぐに対策を取ることが重要ですが、そのためには髪の毛が減った原因を知らなくてはなりません。明らかな頭皮の異常や思い当たる原因がある場合は皮膚科や病院を受診するなどの対策が取りやすいですが、原因が不明の場合は不安になりますよね。そこでAGAの可能性について調べてみることをおすすめします。当院ではオンラインで診察料無料にて診察をおこなっております。「治療するほどではないかも」と放置してしまうとAGAの場合はどんどん症状が進行します。早期発見にて早期治療ができれば治療費の負担も抑えられることが多く、いつでも相談いただける環境を作っておけば症状に変化があったときもすぐに対応できます。気になる今の状態について、ぜひお気軽に相談してください。
解説した医師の紹介
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師 柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。
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