ハゲは薬で治せるって本当？薄毛の種類や原因、治療法について解説

抜け毛が増えることや髪がボリュームダウンして地肌が透けて見える状態は、ハゲや薄毛としてとらえられます。
しかし、ハゲや薄毛にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が違うため一概に同じハゲや薄毛と認識してしまうと治療や予防が難しくなる可能性がありますので、ここで男性に多いそれぞれのハゲや薄毛についてくわしく見ていきましょう。

AGAは遺伝と男性ホルモンに由来する男性特有の脱毛症で、成人男性の3人に1人に発症することがわかっています。
そのため、男性がハゲる原因の大半を占め、進行性の脱毛症のため治療せずに放置しているとどんどん抜け毛が進行して最終的にはほとんどの髪が抜け落ちハゲの状態になります。
AGAではヘアサイクルの成長期が大幅に短縮されるため、成長途中の髪が抜け落ちてしまい大量の抜け毛が発生します。
抜け毛は「脱毛因子」のはたらきにより、毛乳頭細胞が毛母細胞の活動をストップさせることで起こりますが、脱毛因子は「ジヒドロテストステロン」がアンドロゲンレセプターに取り込まれることで産生されます。
ジヒドロテストステロンは、体内に存在する男性ホルモンの一種である「テストステロン」が「5αリダクターゼ」と結合して変換されたホルモンで、AGAの発症には遺伝によって受け継がれる5αリダクターゼの活性度の高さとアンドロゲンレセプターの感受性の高さが影響していることがわかっています。

円形脱毛症とは、円形や楕円形に髪が抜け落ちる「円形脱毛斑」という症状が一般的に知られており、「10円ハゲ」などと呼ばれることがありますが、円形脱毛症に見られる脱毛斑はごく小さい小豆サイズのものが1箇所にできるものから、いくつもできるものや頭部全体に広がるものまでさまざまで個人差が大きい脱毛症です。
円形脱毛症の発症は、ある日突然一部分の髪の毛がまとまってごっそり抜ける場合が多く、通常は毛が抜ける瞬間に痛みを伴わず自覚症状がないことが特徴です。
そのため脱毛斑ができてしばらく時間が経ってから気づくことも多く、正確な発症時期が分かりにくいことが多いと言われています。
しかし、中には脱毛の前に頭皮の違和感やざらつきと、軽い痒みや赤みを感じる場合もありますので予兆を見逃さないのが大切です。
原因はいまだにはっきりわかっていませんが、自己免疫疾患のひとつだという説が有力で、アトピー性皮膚炎の既往がある人に発症しやすいと言われています。

脂漏性脱毛症は、頭皮の皮脂の過剰分泌により水分と油分のバランスが崩れて、頭皮のバリア機能が低下することによる頭皮環境の乱れが引き起こす「脂漏性皮膚炎」という皮膚炎が原因で引き起こされる脱毛症です。
頭皮の皮脂が過剰に分泌されてフケと混ざるため、黄色くベタベタとしたフケや頭皮の赤みが特徴として現れます。
炎症の原因は、皮脂の分泌が過剰になることで、頭皮の皮脂をエサにするマラセチア菌という常在菌が異常繁殖することによると考えられていますが、はっきりとした原因は不明です。

粃糠性脱毛症は、米糠のような細かくサラサラとしたフケが大量に発生して、頭皮の毛穴を詰まらせることで炎症が起こり抜け毛に進行する脱毛症です。
初期段階では肩につくフケの量が増えたと感じる程度で、頭皮に変化は見られないため見逃すことが多いですが、症状が進行すると異常な量の不毛が発生し、頭皮にかゆみや赤みが生じて抜け毛が増えてきます。
原因はさまざまで、激しい乾燥や合わないシャンプーの使用による炎症などの頭皮環境の悪化や皮膚のアレルギー、またホルモンバランスの乱れなどが挙げられ、原因を見極めて治療することが大切です。

ハゲや薄毛は老化に伴う髪の寿命によるものもありますが、急に発症した場合にはなんらかの原因があります。
ここでは、成人男性におけるハゲや薄毛のおもな原因についてくわしく見ていきましょう。

人間の髪は「ヘアサイクル（毛周期）」という生え変わりサイクルを繰り返していますが、ヘアサイクルが乱れることは薄毛や抜け毛の原因になります。
AGAの場合は、ジヒドロテストステロンがアンドロゲンレセプターに取り込まれることで発生する、脱毛因子（TGF-β）がFGF-5に抜け毛の指令を出すことで、髪が成長している途中にもかかわらず抜け落ちます。
AGAは進行性のため発症すると自然に治ることはなく、正常で3〜5年のヘアサイクルが1年から数ヶ月にまで短縮し、最終的に抜け落ちたまま生えてこなくなることがわかっています。

髪は元となる毛母細胞が毛乳頭細胞から酸素や栄養をもらい、発毛指令を受けることで細胞分裂して太く長く成長します。
しかし、頭皮がダメージを受けるとダメージ回復のために頭皮内で栄養や酸素が消費されるため、髪の成長不足の原因になります。
頭皮ダメージは、強い紫外線や花粉などの外的要因やカラーや、白髪染めなどの薬剤の刺激といったさまざまな要因があります。
また、慢性的な頭皮の皮膚炎などにより頭皮が弱っていると、髪を維持できず抜け毛が増えるため、ハゲや薄毛の原因になります。

ハゲや薄毛の原因として、睡眠習慣や運動習慣などの生活習慣の乱れがあり、忙しい現代社会では慢性的な睡眠不足や睡眠の質の低下といった睡眠の問題を抱えている男性は多いでしょうが、髪にとって睡眠はとても大切です。
睡眠中に分泌される「成長ホルモン」には、髪の成長を促し太く長く成長させるはたらきがありますが、睡眠時間が短かったり睡眠の質が低下していると成長ホルモンの分泌が減少するため、髪が成長できずに抜け毛の増加や薄毛の原因になります。
また、慢性的な運動不足は全身の代謝を低下させるため、自律神経のはたらきの低下によるホルモンバランスの乱れを引き起こし、頭皮が血行不良になることも、ハゲや薄毛の原因のひとつです。

髪の主成分は「ケラチン」というタンパク質でできているため、肉や魚や豆類などの食物性タンパク質の摂取不足により髪がやせ細ったり抜けやすくなるためハゲる原因となる可能性があります。
さらに、ケラチンの合成には亜鉛などのミネラルやビタミンの摂取や、炭水化物に含まれる糖質による代謝アップも大切ですので、バランスの悪い食事内容や不規則な食生活で食事時間や食事にかける時間が毎日バラバラ、という食生活の乱れにも注意が必要です。

過度な飲酒は中途覚醒を増やして睡眠の質を低下させるため、成長ホルモンの分泌低下や代謝の低下を引き起こすことから、ハゲや薄毛の原因になると言えるでしょう。
また、タバコに含まれるニコチンには血管収縮させる作用があるため頭皮の血流を悪化させ、一酸化炭素には血液中の酸素と結びついて酸素欠乏を起こすという作用があり、頭皮の血流の悪化と髪の毛の元となる毛母細胞への酸素の供給不足をまねくため、喫煙にははげるリスクがあると考えられます。
また、喫煙者は非喫煙者に比べてジヒドロテストステロンの量が多いと言われていますので、AGAが発症する可能性が高くなり将来的にはげやすくなるおそれがありますので、注意が必要だと言えます。

AGAは男性のハゲや薄毛の原因として大半を占め、成人男性の3人に1人に発症することがわかっています。
AGAは男性ホルモンと遺伝が原因ですが、原因に対して治療することで発症を予防し、進行を遅らせることが期待できます。
ここでは、男性のハゲや薄毛の代表であるAGA治療法法について見ていきましょう。

ボリュームダウンや薄毛が前額部や頭頂部に現れていたり、家系に同じ症状の男性が多いという場合にはAGA専門クリニックへ相談しましょう。
今の抜け毛や頭皮の状態についてくわしく診察が受けられるため、自分に合った治療や日常生活のアドバイスなどを受けられます。
AGA治療には「内服治療」や「外用薬治療」を中心に、「注入治療」や「植毛手術」などさまざまなものがあります。
AGAの症状は個人差が大きく治療もそれぞれ変わってきますので、自己判断せずに専門家に相談することをおすすめします。

AGAの治療は、「フィナステリド」や「デュタステリド」という5αリダクターゼ阻害薬を使用し、AGAの原因となるジヒドロテストステロンの増加を防ぐ内服薬治療が中心となります。
さらに、頭皮の血行促進と毛母細胞を活性させるために「ミノキシジル」の外用薬を薄毛が気になる部分に直接塗布する外用薬治療の併用でさらにAGA治療効果が期待できます。
ほかにも細胞活性効果のある薬を頭皮に注入する注入療法や、自分の健康な髪を気になる部分に移植する植毛などの選択肢があります。
治療方法を選ぶ際には、自分の今の状態をきちんと診断して最適な方法を選ぶことや、治療にどの程度の効果を求めるのかをしっかり相談することが重要ですので、いつでも相談できて信頼できるAGA専門クリニックを選びましょう。

ハゲや薄毛を改善するためには、AGA治療とともに毎日のセルフケアが大切です。
ここでは、毎日の日常生活の中でやるべき薄毛対策セルフケアについて紹介します。

頭皮の汚れや余分な皮脂をしっかり落とし、頭皮環境を整えダメージのない健康な頭皮を維持することは、薄毛予防対策に重要です。
頭皮の清潔には毎日のシャンプーが大切ですが、過剰な回数のシャンプーはかえって頭皮を乾燥させ、肌質に合わないシャンプーは刺激になってしまいます。
シャンプーは1日1回夜に決めて刺激が少なく、界面活性剤などの化学物質が配合されていない低刺激性のスカルプケアシャンプー剤を選びましょう。

抜け毛を予防し髪が太く長く成長するためには、バランスの良い食事内容と髪にいい栄養素の摂取が重要です。
タンパク質は髪の主成分になりますので、動物性の肉や魚と植物性の大豆製品など、質の良いタンパク質を選びましょう。
タンパク質の代謝には、牡蠣やレバーや赤身肉に多く含まれている亜鉛が重要なため、タンパク質と同時に摂取することが大切です。
ほかにも、緑黄色野菜に多く含まれるビタミンB群は代謝をサポートし、アーモンドなどのナッツ類に多く含まれるビタミンEには血流を促進するはたらきがあるため、どちらも積極的に摂りましょう。
さらに、1日3食決まった時間にゆっくり摂ることで栄養の吸収率も上がりますので、食べ方にも意識して生活しましょう。

頭皮の血行促進と成長ホルモンの分泌量増加のためには、睡眠と運動習慣の見直しが大切です。
就寝時間と起床時間を同じ時間に決め、睡眠時間は5時間程度確保できるよう毎日の睡眠リズムを整えることが大切です。
さらに、睡眠の質を高めるために食事や飲酒は入眠2時間前までに済ませ、胃腸への刺激を減らしリラックスした状態を作りましょう。
また、運動習慣の見直しには、新陳代謝を高め血行促進する1日30分から1時間程度のウォーキングやストレッチなどの有酸素運動を、できるだけ毎日の習慣に取り入れましょう。

男性のハゲや薄毛の原因の大半はAGAですが、AGAは自分の症状に合わせた適切な薬の治療で進行を防ぐことが期待できます。
そのため、ひとりひとりに合わせてしっかり診察した上で処方が受けられる、AGA専門クリニックを選んで相談することが大切です。
AGA薄毛予防治療クリニックでは、みなさんの症状に応じた診断のためにオンライン診療を充実して、続けやすい治療を提供していますので、ぜひお気軽にご相談ください。