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AGAについて
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脱毛症にも様々な種類があります
男性型脱毛症(AGA)、女性の脱毛症、新型コロナウイルス感染症の後遺症としての脱毛症、円形脱毛症について述べられることが多いですが、それ以外の脱毛症について本記事ではお伝えできればと思います。
■著者■ AGA薄毛予防治療クリニック医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。
脱毛を引き起こす疾患
脱毛症は男性型脱毛症(AGA)や円形脱毛症、女性の薄毛などは頻度が比較的高いのですが、それ以外にも脱毛を起こす疾患はいろいろあります。先天性、後天性を含めさまざまな原因により生じますが、全身疾患の部分症状として脱毛がみられることもあり、診断や鑑別が困難な例もあります。適切な治療をするにはその脱毛症の原因を知り的確な診断をすることが重要になってきます。
脱毛で医療機関に受診をする場合には、的確な診断ができるように脱毛に至る経過や自身の生活環境、生活習慣、既往症を把握しておくのが大事です。種々の検査をするとしても経過などが分かっていればどんな検査をしたらよいのか的を絞りやすくなります。
(1)脱毛がいつから生じているのか
(2)脱毛の進行の速さ:急速なのか、ゆっくりなのか知っておく
(3)家族に同様の脱毛がみられるか
(4)発熱、出産、ダイエットをしたか
(5)薬剤の服用:現在内服しているもの、過去に内服したもの、抗ガン剤の内服などがあるか
(6)放射線照射の既往
(7)外傷、手術の既往、毛髪牽引の習慣、抜毛癖(自分で抜いてしまう)はないか
(8)全身疾患があるか:甲状腺疾患や膠原病などの自己免疫疾患
(9)生活環境・精神的背景:ストレスなど
(10)食事の摂取、栄養状態:偏食や食欲の低下、摂食障害はないか
(11)感染症:ペットの飼育、レスリングや柔道などの格闘技をしているか
(12)脱毛部の自覚症状:かゆみ、痛みなど
(13)頭部以外の症状:頭部以外の脱毛、湿疹ができている、爪の変色や変形など
トリコチロマニア
トリコチロマニアは多くは学童期にみられ、女児に好発し、手の届きやすい全頭部、側頭部、頭頂部に不整形の脱毛をおこします。学齢期発症では難治性のあることが多いのですが、学校、家族関係、習い事などが背景にあることがあるので親からの話も重要です。治療に難渋する場合には心療内科の受診も必要になります。
牽引性脱毛症
ポニーテールや髪編などにより物理的に毛髪の牽引を長時間繰り返すことによる脱毛症です。きつい結び方や装具を長く使うことで永続的な脱毛を残すことになるので注意が必要です。きつい結び方や装具をまずは中止しましょう。軽い牽引性脱毛の場合にはミノキシジルの外用剤を併用することで改善が期待できます。
圧迫性脱毛症
圧迫性脱毛症は長時間の頭部の圧迫により生じる脱毛症で、圧迫により頭部の局所的な血流の障害により脱毛を起こします。長時間の手術やヘアピンの長時間の使用により起こることがあり、以前は日本髪を結う際に、頭皮に直接当てる装具の圧迫による脱毛がありました。
放射線脱毛症
放射線脱毛症は、放射線に感受性が高く細胞分裂の盛んな毛母細胞に作用して成長期脱毛を起こすものです。通常は一過性ですが、被爆量が多い場合には回復が困難になることがあります。
先天性三角脱毛症
先天性三角脱毛症は、出生時から前頭部、側頭部などに境界明瞭な脱毛斑として生じます。治療は整容的な観点から切除し縫縮術をしても良いとされています。
頭部白癬による脱毛
頭部白癬による脱毛は白癬菌という真菌(カビの一種)が頭皮で繁殖して起こるもので、10歳以下の小児、中高生の格闘技選手、高齢女性に多くみられます。多抗真菌剤の内服で治療します。
脂腺母斑
脂腺母斑は出生時からみられる淡褐色の脱毛病変で、思春期以降に乳頭状汗管嚢胞腺腫や基底細胞癌などの二次性腫瘍が発生することがあり、本人や家族が希望する場合外科的切除を行います。
先天性縮毛症、乏毛症
先天性縮毛症、乏毛症は日本では常染色体劣性遺伝によるものが多いといわれています。軽症から重症まで個人差がありますが出生時から頭部の縮毛がみられ頭髪が数センチメートル程度しか伸びないのが特徴です。根本的な治療方法はありませんがミノキシジルの外用剤で外観上の毛量を増やすことが期待できます。
休止期脱毛症
休止期脱毛症は、感染、発熱、手術、出産、ダイエット、精神的ストレス、大出血、薬剤、鉄欠乏性貧血、甲状腺疾患、亜鉛欠乏症、腎・肝不全などが原因となることが多い脱毛症です。通常の毛髪は成長期、退行期、休止期が混在していますが、同時に休止期になることによって生じます。軽く引っ張るだけで多数の髪の毛が容易に抜けるので驚いてしまいますが、原因となる疾患が除去されれば毛サイクルが正常化し回復します。
瘢痕性脱毛症
瘢痕性脱毛症は、さまざまな原因により毛包が消失する脱毛症です。原発性と続発性とに分けられますが、続発性といわれるものは熱傷、外傷、感染、癌の皮膚転移などで、原因の除去や外科的処置での治療が期待できます。もう一方の原発性の瘢痕性脱毛症は、慢性皮膚エリテマトーデス、毛孔性扁平苔癬、膿瘍性穿堀性頭部毛包周囲炎など難しい名前ですが、進行性の脱毛症であり早期の診断と脱毛を抑えるため急性期の治療が必要となります。
抜け毛・脱毛で困ったらまずは医療機関へ
一般的には男性型脱毛症(AGA)と円形脱毛症が多いのですが、その他の脱毛症の可能性もあるので、脱毛で困ったときは自己判断せず医療機関に受診をするようしましょう。
医師紹介
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師 柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。
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