WORRIES

お悩み相談

  • 【医師監修】あなたはどっち?薄毛と髪の毛が伸びるスピードの関係

    あなたの髪の伸びは早い?遅い?|髪の毛の伸びるスピードと薄毛の関係

    髪の毛,伸びる,速さ,スピード,薄毛

    前よりも髪の毛の伸びが遅くなった気がする」「頭の前と後ろで伸びる早さが違う」と感じている男性は、髪の伸びるスピードが薄毛や抜け毛に関係しているのではないか、と不安を持つかもしれません。髪の毛の伸びる早さに個人差があるのには何か理由があるのでしょうか。髪の伸び方に変化が見られたら薄毛や抜け毛を伴う脱毛症の前兆ではないか注意が必要です。今回は、髪の毛の伸びるスピードによって薄毛の可能性があるのか、髪の毛の伸びを早める方法があるのか、などの気になる疑問を徹底解説します。部分的に髪の毛が伸びないのはなぜか、などの疑問にもお答えしますので、髪の伸びるスピードについて気になっている方はぜひ参考にしてくださいね。

    ■著者■ AGA薄毛予防治療クリニック医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

    これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。

    髪の毛の伸びに早い遅いはある?

    友人に比べて髪の毛の伸びが遅い」と思ったことはありませんか?身長の伸びに個人差があるように、髪の毛の伸びる早さにも個人差があるのでしょうか?まずは髪の毛の基礎知識から伸びる早さの差について解説します。

    髪の毛の構造

    髪の毛は大きく「毛根」と「毛幹」に分けられます。毛根は下部に「毛乳頭」や「毛母細胞」といった髪の毛の元となる細胞を包んだ「毛球」があります。毛乳頭が毛細血管から栄養を受け取り、毛母細胞の細胞分裂を促すことで毛母細胞が数を増やし積み重なって押し上げられ、角化して毛髪となり伸びていきます。毛幹は毛髪が頭皮から外に出ている部分のことで、普段私たちが「髪の毛」と意識してシャンプーなどのケアをしている部分です。

    髪,抜け毛,薄毛,AGA

    髪の毛は男性よりも女性の方が早く伸びる

    髪の毛の伸びには性差があり、男性よりも女性の方が髪の伸びが早く、長く伸ばすことができます。これは髪の成長を促す「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌量が男性よりも女性の方が多いという理由からです。

    髪の毛の伸びに個人差はない

    髪の毛の構造や伸びるメカニズムから見ると、髪の毛の伸びるスピードに性差はあるものの基本的に個人差はなく、若干の違い程度で極端な差はありません。しかしながら、体感や外観から髪の毛の伸びるスピードが早い遅いと感じることはなぜなのでしょうか。スピードの違いの感じ方は髪の成長が健康的か不健康かによります。遺伝的に髪の毛の伸びが遅いなどということはありませんので、健康に髪の毛が成長していれば髪の毛の伸びるスピードに不安を持つ必要はないでしょう。

    髪の毛の成長するメカニズムとは

    髪の毛は毛母細胞が細胞分裂し角化して伸びたもの、と先述しましたが、生え始めを実際目にすることがないため、どうやって伸びていくのかイメージがつきにくいかもしれません。また、髪の毛は永遠に生え続けるわけではなく一定期間成長すると自然に抜け落ちていきますが、自然に抜けるときは痛みがないためいつ抜けているのか気づかないですよね。そこで、髪の毛が1日に伸びる長さや成長から抜けるまでの期間などを髪の成長のメカニズムから解説します。

    1日に伸びる髪の長さは?

    日本皮膚科学会によると、髪の毛の伸びる速さは1日で0.4mmとされています*。平均値で見ると1週間で2.5mm、1ヶ月で約1cm、1年で約12cm伸びる計算になります。また、頭髪の毛は約10万本あり、髪が生えてから抜けるまで切らなければ1〜1.5mもの長さになります。小児時期は細い毛が多く、思春期から成人までに太く濃い毛が多くなりますが、壮年期から老年期になるとまた細い毛が増えてきます。同じ年齢でも個人差や人種差がありますが、髪の質や量の差は遺伝によるものが多いことがわかっています。       *日本皮膚科学会HP参照(https://www.dermatol.or.jp/qa/qa11/q01.html

    髪の伸びはヘアサイクルで決まる

    抜け毛,生える,毛周期,ヘアサイクル

    髪の毛が生えてから自然に抜け落ちるまでのサイクルを「毛周期(ヘアサイクル)」といいますが、ヘアサイクルも男女差があり、男性は3〜4年で女性は5〜6年といわれています。このことから、男性の場合は女性のような腰までのロングヘアにすることは難しいことがわかります。ヘアサイクルは以下の3つの機関に分かれていますのでそれぞれみていきましょう。

    ヘアサイクル①:成長期

    髪の毛全体の80〜90%の割合を占める時期で、さらに「早期」「中期」「後期」の3段階に分けられます。毛母細胞が活発に細胞分裂し頭皮の中で成長を始める「早期」から、角化しながら少しずつ成長し頭皮の外に押し上げられて産毛の状態で頭皮の外に出てくる「中期」を経て、太く長く成長する「後期」に至ります。成長期が長いほど髪の毛は太く長く伸びていきますが、何らかの理由で成長期が短くなると髪の毛も細く短くなる可能性があります。

    ヘアサイクル②:退行期

    髪の毛全体の1%程度で期間は2〜3週間という短い時期です。毛乳頭細胞の活動が衰え、毛母細胞への栄養供給と細胞分裂指令が減少することで髪の毛の成長スピードが遅くなります。退行期は髪の毛の固定力も落ちているため、ブラッシングやシャンプーの刺激で簡単に抜けることが特徴です。

    ヘアサイクル③:休止期

    髪の毛全体の10〜20%の割合を占め、2〜3ヶ月程度続きます。毛母細胞が完全に細胞分裂をストップし、自然に髪の毛が抜ける状態です。髪の毛が抜けた後は、活動を休止していた毛乳頭細胞が再び活動する準備に入り、再び成長期に移行する準備をしています。

    ヘアサイクルと髪の毛が伸びるスピードに関係はある?

    髪の毛の伸びとヘアサイクルが関係していることから、ヘアサイクルが乱れている場合には髪の毛の伸びが遅くなる可能性が考えられます。ヘアサイクルの乱れは薄毛や抜け毛などにも影響を及ぼすため、正常な抜け毛か注意が必要な抜け毛かを見極めることが大切です。その上でヘアサイクルと髪の伸びるスピードの関係についてみていきましょう。

    正常な抜け毛の範囲

    まず、正常なヘアサイクルの中では1日に100本程度の抜け毛があります。100本と聞くと多いような気がするかもしれませんが、実際自分で目にする抜け毛は寝具に付着していたり、シャンプーやドライヤー中に目にすることが多いため100本の抜け毛を一度に目にすることはまずありません。1日の抜け毛の約60%がシャンプー中のものだといわれていますので、シャンプー中数えて60本程度であれば正常範囲内ですので心配いらないでしょう。

    頭皮,マッサージ,薄毛,予防,対策

    成長期の長さが髪の毛の伸びるスピードの鍵

    ヘアサイクルの中の成長期が長ければ長いほど、髪の毛は太く長く成長します。そのため髪の毛の伸びが早いと感じる人は、成長期が長いことが考えられます。反対に、髪の毛の伸びが遅いと感じる場合は、何かしらの理由で成長期が短くなったり休止期が長くなるなど、ヘアサイクルに乱れが生じている可能性があります。

    薄毛や抜け毛の原因はヘアサイクルの乱れ

    髪の毛は生えて抜けるサイクルを繰り返しているため、抜け毛があっても生えてくる毛とのバランスが取れていれば問題ありません。問題になる抜け毛や薄毛の兆候は、「抜け毛の量が急激に増えた」「部分的に極端に髪が抜けている」「頭皮に炎症など問題がある」ということです。これらはヘアサイクルに何らかの問題が生じている可能性が高く、治療や何らかの対策が必要な薄毛や抜け毛の状態を引き起こす原因になります。早めの対処や予防のためにはヘアサイクルを正常にすることが必要になりますので、ヘアサイクルが乱れる理由についてみていきましょう。

    ヘアサイクルの乱れ①:頭皮の血行不良

    成長期には、毛乳頭に十分な栄養の含まれた血液を供給することが大切です。血流が滞ってしまうと毛母細胞の細胞分裂が活発に行われなくなるため、髪の成長に影響が出る可能性があります。成長期に髪の毛が太く長く伸びずに退行期に移行することで、髪の毛が細く短い状態や抜け落ちている状態が長くなるため薄毛の症状が出てくることになります。頭皮の血行不良は日々の運動不足や喫煙習慣、過度なアルコール摂取などによって起こる可能性があります。また、不規則な食事や食事内容の偏りは血液の栄養不足を招き血行不良とともにヘアサイクルの乱れの原因となりやすいでしょう。

    ヘアサイクルの乱れ②:睡眠不良

    AGA,悩み

    睡眠時間の不足や睡眠の質の低下は、睡眠中の成長ホルモンの分泌を妨げます。成長ホルモンには毛母細胞の増殖を促進したり、血行を改善する働きなどがあるため分泌が不足すると髪の成長に影響します。また、睡眠不足は自律神経のバランスを崩す原因になり、ストレス耐性を低下させたり頭皮の血行不良を招く恐れがあります。睡眠に大切なのは、ダラダラと長い時間眠ることよりもスムーズに入眠し、すっきり目覚めるよう質を高めることだといわれていますので、睡眠時間を確保することにとらわれるとかえってヘアサイクルを乱す可能性がありますので注意しましょう。

    ヘアサイクルの乱れ③:頭皮の炎症や脱毛症などの病気

    頭皮の炎症は毛母細胞に必要な血流が十分届かなくなったり、痒みや腫れといった症状が髪の毛の維持を難しくする可能性があります。頭皮の代表的な病気である「脂漏性皮膚炎」は頭皮の炎症とともに脂性のベタベタした多量のフケを伴うことが多く、頭皮の毛穴を塞ぎ髪の毛の成長に影響するといわれています。症状が進行すると「脂漏性脱毛症」という髪が抜ける病気に移行することがあるため注意が必要です。そのほかにもヘアサイクルが乱れる原因の病気には「粃糠性脱毛症」や「円形脱毛症」、「AGA(男性型脱毛症)」などがあります。

    ヘアサイクルの乱れ④:加齢

    加齢により筋肉量が減少すると体の新陳代謝は低下しますので、血流の低下や細胞分裂速度の低下が起こります。また、成長ホルモン分泌の減少や抗酸化酵素の減少などにより、成長期が短くなってきます。加齢による成長期の期間の変化は30代頃から徐々に始まり、60代になると顕著に現れる男性がほとんどです。

    ヘアサイクルを整え髪の毛を健康に伸ばす方法

    髪の毛の健やかな成長のためには、ヘアサイクルを正常化してなるべく成長期を長くすることが大切です。髪の毛の伸びるスピードが変わるわけではありませんが、髪の質が太く長く伸びることは薄毛や抜け毛予防になります。すぐに始められる自分でできる方法をまとめましたので、出来そうな方法から試してみてはいかがでしょうか。

    ①睡眠の質を上げる

    かつては22時からの数時間を成長ホルモンの分泌が増える「睡眠のゴールデンタイム」として、この時間に眠ることが重要だといわれていましたが、最近の研究では入眠時間にこだわるよりも入眠後すぐに深い眠りに入ることが重要だとされています。睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があり、成長ホルモンは入眠後30〜60分後にノンレム睡眠に入った場合に多く分泌されます。浅いレム睡眠では成長ホルモンが分泌されないため、入眠後すぐにノンレム睡眠に入れるように、入眠時間の3時間前までには食事を終え、1時間前までに入浴を済ませて部屋を暗くするなど体の入眠準備をしましょう。入眠前にアルコール摂取をしないことやPCやスマホを見ないようにすることも睡眠の質を高めるのに大切ですのでぜひ実践しましょう。

    ②髪にいい栄養素を摂る

    ヘアサイクルの成長期には豊富な栄養が必要なため、バランスよく髪にいい栄養素を積極的に摂ることを意識しましょう。髪にいい栄養素は肉や魚や大豆製品などに含まれる「タンパク質」、牡蠣やレバーやナッツ類などに含まれる「亜鉛」、海藻類などに含まれる「ヨウ素」、ナッツ類などに含まれる「ビタミンE」、レバーやチーズなどに含まれる「ビタミンB2」、ナッツ類や大豆製品などに含まれる「ビオチン」、赤ワインや豆類などに含まれる「ポリフェノール」などです。髪にいいからと過剰に摂る必要はありませんが、苦手な食材のため食事から普段摂れないなどの場合は、サプリメントで補うことも出来ます。各栄養素の1日の摂取量目安をオーバーしない程度にバランスよく摂取しましょう。

    ③適度な運動をする

    毎日の適度な運動習慣は体の代謝をあげ頭皮の血行を良くする効果が期待できます。ウォーキングやランニングなどを習慣づけることや、ヨガやストレッチを行うことは、血行改善とともに睡眠の質を高めるともいわれていますので、無理のない範囲で自分に合った運動習慣を見つけましょう。いざ運動と考えると難しい人は、エレベーターを階段に変えたり、移動手段に歩くことを多く取り入れるだけでも運動になりますので是非検討してみてください。

    ④頭皮環境を整える

    ヘアサイクルの異常を引き起こす原因のひとつである「頭皮の炎症」を予防するために、日々頭皮ケアをすることも大切です。毎日きちんとシャンプーし頭皮を清潔に保ち、汗をかいたら拭き取るなどの基本的な清潔に加え、紫外線を予防するためのUVケアも是非実践しましょう。帽子や日傘の使用や、UVスプレーやローションの使用がおすすめですよ。

    紫外線,夏,抜け毛

    AGAになると髪が伸びない?

    AGA男性型脱毛症)は成人男性の3人に1人が発症する脱毛症とされており、ヘアサイクルの乱れの原因の代表とされています。「もしかしてAGAかも」と気になった場合、髪の伸びるスピードが影響しているのか気になりますよね。AGAのメカニズムや特徴について解説しますので、自分の今の髪の状態に当てはまるかチェックしてみましょう。

    AGAのメカニズムとは

    AGAは「Androgen (男性ホルモン)Genetic(遺伝) Alopecia(脱毛症)」の略です。テストステロンという男性ホルモンが「5αリダクターゼ(5α還元酵素)」と呼ばれる酵素と結びつき「ジヒドロテストロン(DHT)」に変換され、頭皮にあるホルモン受容体に取り込まれ「脱毛因子」を発生させることでヘアサイクルの成長期を短縮させ薄毛や抜け毛が起こる脱毛症です。AGAは遺伝的要因が強く症状の進行には個人差がありますが成人以降どの年代でも起こる可能性があります。

    AGAの好発部位と薄毛の特徴

    AGAの特徴として、「前額部」と「頭頂部」に薄毛や抜け毛の症状が出やすいことが挙げられます。これは脱毛因子を発生するホルモン受容体が前額部と頭頂部に多く分布しているためで、AGA診断基準のひとつになっています。そのため、まだ薄毛や抜け毛がない段階で前髪や頭頂部の髪の毛の伸びが他と比べて明らかに遅くなったと感じた場合は、AGAの前兆である可能性がありますので注意が必要です。AGAの予防や治療は早く始めた方が効果が高いため、気になったらすぐに対策しましょう。

    【まとめ】髪の毛の伸びが遅くなったと感じたらやるべきこと

    本来髪の毛の伸びるスピードに個人差はありません。そのため髪の毛の伸びが遅くなったと感じる場合は、何らかの原因でヘアサイクルに乱れが生じていることが考えられます。自分で思い当たる原因が分かり対策が取れる場合は、なるべく早く対策してヘアサイクルを正常に戻していきましょう。原因がAGAや他の脱毛症かもしれないと思った場合は、自分で何とかしようと思わずに専門のクリニックや病院に相談しましょう。クリニックに訪れることに抵抗がある人は、当院のようなオンライン診療をおすすめします。自分の都合のいい時間にご相談いただけますので、些細な気掛かりでも気軽にご相談ください。

    監修した医師のご紹介

    ■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

    これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。

    AGA,薄毛,治療,柏崎,医師

    関連する記事

  • SEARCH