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  • 白髪と薄毛の関係性は?白髪が多いと薄毛になりやすい?

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    「若いうちから白髪が多いとハゲない」、「白髪を抜くともう毛が生えなくなる」などの白髪と薄毛に関連する噂は昔から多く存在しています。そのため真偽はよくわからないものの、なんとなく白髪と薄毛は関係がありそうだという認識を持っている人は多いのではないでしょうか。中には「最近白髪が増えてきたと思っていたら、なんだか髪のボリュームが減ってきた」と白髪と薄毛の関係に不安を感じている男性もいるかもしれません。
    今回は、白髪になる原因やメカニズムと薄毛の発症には因果関係があるのか、薄毛の治療は白髪に影響があるのかなど、白髪と薄毛の関係性について徹底解説します。白髪ケアによる髪への影響についても紹介しますので、白髪と薄毛が気になる男性はぜひ参考にしてください。

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    ■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

    白髪とは?白髪ができるメカニズム

    日本人は大体の人が「モンゴロイド大人種」に属しているため、モンゴロイド大人種の特徴である黒色の髪の毛を持って生まれる人が最も多く、中には濃い茶褐色の人もいます。しかし、日本人の多くは中高年に差し掛かると白髪が目立ち始め、老年には白髪の割合の方が多くなる人も珍しくありませんが、黒髪のままという人もいるため白髪の発生には個人差が大きいと言えるでしょう。
    そこで、そもそも白髪はどうしてできるのか、白髪になったら髪色が戻る可能性はないのかなど、白髪の基礎知識について詳しく見ていきましょう。

    髪が造られるメカニズムとヘアサイクル(毛周期)

    髪の構造と成長メカニズム:わたしたちが一般的に「髪の毛」と呼んでいるのは「毛幹」といい、頭皮の表面を境界にして外に露出した部分のことを指します。そして頭皮の表面から体内に存在する部分を「毛根」と言います。一般的に「毛根」というと髪の根本の丸く膨らんだ部分を想像する人が多今もしれませんが、この部分は「毛球」といい、毛球の中に髪の元となる「毛母細胞」や毛母細胞に栄養を運び成長の指令を出すなどの働きを持つ「毛乳頭細胞」が存在します。

    ヘアサイクル(毛周期)による髪の生え変わりメカニズム:毛幹(髪の毛)は毛母細胞が活発に細胞分裂して成長することで増殖した細胞の集まりで、次々新しく分裂して成長してくる毛母細胞に押し出されるように伸びていきます。そして一定の成長期間が経過すると細胞分裂が休止し、また新たに細胞分裂の指令を待ちます。この時の髪は毛根の頭皮内での固定力が弱まっているため簡単に抜ける状態になっており、新しく髪が成長することで頭皮の外に押し上げられるように抜けていきます。この生え変わりのことをヘアサイクル(毛周期)とよび、1サイクルは成人男性で3〜5年と言われています。

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    白髪ができるメカニズム

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    そもそも人間の髪の毛は、人種問わず生え始めは色がついていない白髪です。頭皮の内側には「毛包(毛嚢)」と呼ばれる組織があり、毛根を包んで抜けないように保護していますが、この毛包の中に「メラノサイト」という色素幹細胞が作った「メラニン」という色素があり、毛母細胞はメラニンを取り込みながら細胞分裂し成長していくため髪に色がつくという仕組みです。欧米人にブロンドの人が多く、アジア人に黒髪が多いのは、メラニン色素の種類と量の違いによるものだということがわかっています。
    つまり黒髪のはずの人が白髪になるというのは、なんらかの理由でメラニン色素が作られなかったり、メラニンを取り込まないまま毛母細胞が成長を続けたからだと言えるのです。

    白髪の2つのタイプ

    ・休止型白髪:メラノサイト(色素幹細胞)がなんらかの理由で一時的に活動を休止して、メラニンが作られなくなっている状態の時に起こります。理由としては栄養不足やストレスなどが挙げられますが、後ほど詳しく解説します。休止型白髪の場合は、原因がなくなりメラノサイトの活動が再開されれば髪色が戻る可能性があるのが特徴です。

    ・欠乏型白髪:メラノサイトが減少または欠乏している状態のため、メラニンが作り出せず白髪になるタイプです。欠乏型白髪においてメラノサイトが減少や欠乏する原因は遺伝や加齢などのため回復が難しく、白髪になると髪色が戻る可能性が非常に低いというのが特徴です。

    白髪が増える原因

    黒髪が白髪になるのには、2つのタイプがありどちらもメラノサイトがメラニン色素を生成できない状態が続くことが考えられますが、メラノサイトの活動低下や減少にはさまざまな理由が考えられます。ここではその原因についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。

    栄養不足

    メラノサイトが活発に活動し、健康な髪が育つためには髪に充分な栄養が供給される必要があります。食生活の乱れや栄養不足は髪の成長の妨げになり、白髪が増える原因になることが考えられます。主に髪を組成しているのはケラチンというタンパク質ですので、肉や魚などタンパク質や髪の細胞分裂促進に役立つビタミンや亜鉛といった栄養素が不足すると白髪が増える原因となります。また、1日の食事回数が少なかったり食事時間が不規則といった食生活の乱れがあると、生命維持に必要な器官へのエネルギー供給が優先されるため髪に定期的な栄養が供給されにくくなり、メラノサイトの活動が低下する原因になります。

    生活習慣やストレス

    ストレスと髪にまつわる白髪や薄毛などの悩みが関連している、という噂を耳にしたことがある人は多いでしょう。ストレスが直接メラノサイトに与える影響は解明されていませんが、ストレスが髪の成長に影響を与えることはわかっています。人はストレスを感じると「抗ストレスホルモン」を分泌して自衛していますが、抗ストレスホルモンが多量に分泌されると自律神経が乱れ、体が緊張状態のままとなるため血流の悪化や睡眠不足を引き起こすおそれがあります。すると頭皮の血行不良による栄養や酸素の供給不足や睡眠中に分泌される「成長ホルモン」の分泌低下により、髪の成長が阻害され白髪が増える原因になる可能性があります。

    加齢

    人間には誰にでも加齢により代謝が衰え、細胞の活動も低下する「老化現象」が起こります。メラノサイトも老化により働きが衰えるため、メラニンの生成量が減ることで髪が色素を取り込めずに白髪になりやすくなります。老化の原因には「活性酸素」が関係していることがわかっていますが、活性酸素の蓄積量は日々の生活と密接に関係しているため個人差がとても大きいという特徴があります。そのため老化現象の始まりや加齢による白髪の始まりは人それぞれ違うと言えるでしょう。

    遺伝

    小学生やもっと小さい子供でも白髪が見られることはありますし、10代で白髪を気にする人がいるということから白髪には加齢や生活習慣以外に遺伝が原因であると考えられています。医学や遺伝子学的にまだ証明されてはいないのですが、白髪と遺伝の因果関係が高いことを統計で示している情報が海外で多数紹介されています。研究者の中ではメラニン色素が髪に取り込まれにくい体質が遺伝すると考えられており、今後の解明が期待されています。

    白髪と薄毛の関係とは

    成人男性の中には「白髪が増えると薄毛になるのではないか」と不安に思う方がいるかもしれません。白髪には「加齢による老化現象」というイメージを持つ人が多く、老化と薄毛にも密接したイメージがあることから両者が組み合わさったイメージとして、「白髪=薄毛」と結びついているのでしょう。実際に白髪と薄毛にはどんな関係があるのか詳しく見ていきましょう。

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    白髪が多いと薄毛になりやすい?

    白髪が増える最も大きな原因は「加齢によるメラノサイト(色素幹細胞)の衰え」です。しかし、メラノサイトの衰えによる白髪の増加自体は薄毛とは関係がありません。メラノサイトの衰えでメラニンが生成されて髪に取り込まれることがなくても、髪は色素を含まないまま太く長い白髪として成長していきます。成人男性の中に白髪が多くても髪がフサフサな人は多いということからも、メラノサイトの働きが原因の白髪と薄毛にはあまり関係がないことがわかります。

    栄養不足やストレスが原因の白髪は薄毛に要注意

    白髪が増える原因には「栄養不足」や「生活習慣やストレス」があることは先述しましたが、これらが原因の白髪の場合は薄毛と無関係ではありません。髪の成長を阻害する栄養不足やストレスによる血行不良はそのまま薄毛の原因にも当てはまるため、状態が改善せずに続くとヘアサイクルが乱れ抜け毛が増えて新しい髪が生えにくくなる薄毛の可能性があります。そのため、白髪と薄毛を両方改善するためにも、正しい食生活や生活週間への改善とストレス解消が重要だと考えられます。

    薄毛の原因とメカニズム

    薄毛と白髪には「栄養不足」や「生活習慣やストレス」という共通の原因がありますが、男性の薄毛にはそれ以外にも「AGA(男性型脱毛症)」という大きな原因があり、AGAによる薄毛は成人男性の3人に1人が発症すると言われています。ここではAGAの原因やメカニズムから白髪との関連性を見ていきましょう。

    AGAの原因とは

    原因①男性ホルモン由来:AGAは「Androgen(男性ホルモン)Genetic(遺伝)Alopecia(脱毛症)」の略で、原因は男性ホルモンと遺伝に由来しています。人間の体内で分泌される「テストステロン」という男性ホルモンは、「5αリダクターゼ」という酵素により「ジヒドロテストステロン(DHT)」という別の男性ホルモンに変換されます。そしてジヒドロテストステロン全身に行き渡る中で「男性ホルモンレセプター(ホルモン受容体)」と結合すると、抜け毛や薄毛の原因となる「脱毛因子(TGF-β)」が生成されます。男性ホルモンレセプターは前額部や頭頂部に多く分布しているため、いわゆる「M字」や「O字」に薄毛や抜け毛の症状が出やすくなるのです。

    原因②遺伝由来:AGAの発症しやすさは男性ホルモンレセプターの「感受性の強さ」に左右され、この感受性の強さはX染色体の遺伝子情報に組みこまれています。そのため母方の祖父がAGAだった場合隔世遺伝しやすいという特徴があります。また、5αリダクターゼ活性の高さは直系で遺伝することがわかっており、AGAの発症原因には遺伝が大きく関係していると言えるでしょう。

    AGAのメカニズムはヘアサイクルに関与あり

    成人男性のヘアサイクルは3〜5年かけて以下の過程を繰り返しています。
    ・成長期:「毛母細胞」が活発に細胞分裂し髪が太く長く伸びている時期。ヘアサイクルの80%を占め2〜4年間続く。
    ・退行期:「毛乳頭細胞」から毛母細胞への栄養供給機能がストップし、髪の成長が遅くなり止まり始める時期。
    ・休止期:毛母細胞の細胞分裂が完全に停止し、自然に抜けるのを待っている期間。2〜3ヶ月続き、また成長期へ移行する。
    AGAでは、「脱毛因子(TGF-β)」の働きにより成長期の短縮や休止期の延長といった「ヘアサイクルの乱れ」が引き起こされます。ヘアサイクルが乱れると、成長途中の細く短い髪の毛のまま抜けてしまうため、「細い抜け毛が増えた」「髪のボリュームが減ってきた」といった薄毛や抜け毛の症状が現れます。

    AGA治療が白髪に与える影響とは

    AGAは「お医者さんで相談できる薄毛」として、医療機関で治療が受けられます。主な治療法は5αリダクターゼ阻害薬の内服と血行促進のための外用薬がありますが、白髪がもともとあったり増えてきた男性が治療するにあたり影響があるのかについて見ていきましょう。

    白髪があってもできるAGA治療方法

    ・内服薬治療
    フィナステリドやデュタステリドなどの5αリアクターゼ阻害作用を成分とする内服薬による治療です。「プロペシア」や「ザガーロ」という商品名が有名で、AGA治療薬として認可されているため第一選択とされることが多い治療方法です。この治療法はメラノサイトに作用することはないため白髪への影響は考えにくく、白髪があっても安して使用できる治療薬と言えますが、白髪が黒くなるといった作用は期待できないでしょう。”
    ・外用薬治療
    ミノキシジルという頭皮の血行促進と毛母細胞の活性化効果のある外用薬で、「リアップ」という商品名が有名です。ミノキシジル外用薬もAGA治療薬として認可されており、白髪があっても使用可能です。ミノキシジルによるメラノサイトへの作用についての記載はありませんが、血行促進による細胞の活性化という効果がメラノサイトにも影響した場合、メラニン生成が活性化し白髪が黒髪になる可能性は0ではないと言えるのではないでしょうか。

    AGA治療薬で白髪は黒髪に変化する?

    現在日本で認められているAGA治療薬に関しては、薬効や副作用に白髪の色調変化に関する記載はありません。そのためAGA治療薬で白髪が黒髪に変化するとは言えませんが、可能性はあるかもしれません。ただしこれは白髪のタイプが休止型白髪の場合に考えられる可能性のため、加齢や遺伝が原因の欠乏型白髪の場合は変化する可能性は非常に低いと言えるでしょう。

    白髪と薄毛に関するよくある質問

    白髪と薄毛を関連づけた噂は多く世間に広まっていますが、真偽がわからず何を信じたらいいのかわからないという男性は多いのではないでしょうか。ここでは白髪と薄毛に関するよくある質問をまとめましたので、気になっていた方は是非参考にしてください。

    Q1:若白髪が多い人はハゲないって本当?

    A:若白髪が多いこと自体には薄毛との関連はありませんが、将来ハゲないという確証はありません。
    若白髪が多いというのはメラニン色素を取り込めずに成長している髪が多いという状態のため、食生活の乱れやストレスなどの休止型白髪の原因がなければ体質や遺伝の可能性が高いでしょう。この場合は白髪自体と薄毛との関連性は低いですが、AGAの可能性に関しては白髪の有無は関連がないため、今後薄毛にならないとは言い切れません。髪が細くなったりボリュームが減ってきたなどの症状が出てきたら、白髪の有無に関係なくAGA専門クリニックへ相談することをおすすめします。

    Q2:親や家族が白髪だと、自分にも白髪は遺伝する?

    A:遺伝の可能性はありますが、遺伝がなくても老化現象により白髪になる可能性は高いでしょう。
    白髪の遺伝性については医学的にも遺伝子学的にもまだ解明されていません。そのためはっきりと「白髪は遺伝する」とは言えませんが、髪のクセやうねりが遺伝するのと同じように白髪も遺伝すると考える研究者もいるようです。遺伝に関しては今後の研究成果の報告を待つという段階ですが、日本人の場合個人差はありますが加齢による老化現象でメラノサイトの減少や働きが低下することで白髪になる人が多いため、一定の年齢を超えると徐々に白髪が増える可能性が高いでしょう。

    Q3:白髪染めを定期的にしていると薄毛になる?

    A:白髪染めで薄毛になることはありませんが、薬剤の使用方法などの影響で間接的に薄毛を招くおそれがあります。
    白髪染めの染料には酸化染料やアルカリ剤などの化学物質が使われており、頭皮につくと体質や肌質によってはアレルギー反応や接触性皮膚炎を起こす可能性があります。かぶれや皮膚炎などにより頭皮環境が悪化することで髪の成長が阻害され抜けやすくなり、薄毛の症状が現れる可能性があります。白髪染めによる薄毛予防のためには、染める間隔を最低2〜3ヶ月あけ、ヘアサロンで染めてもらうようにしたり、頭皮に影響の少ないヘアマヌキュアやヘナなどを使用するといったことをおすすめします。

    まとめ|白髪と薄毛の因果関係はない!積極的に薄毛予防を始めよう

    白髪が増えるのは、メラノサイトの活動低下や欠乏でメラニン色素が作られなくなることが原因です。髪はもともと色素を持たずに生まれるため、色素がなくても成長しますので、白髪が増えることと薄毛になることに因果関係はありません。しかし、メラノサイトの軽同低下の原因が、栄養不足やストレスなどによる血行不良の場合には、髪の成長が滞り薄毛や抜け毛を引き起こす可能性があります。また、白髪が増えるのは加齢が原因になることが多いため年代ごとに発症率の上がるAGAが同時進行してもおかしくありません。そのため、白髪が増えてきたら髪からのSOSかもしれないと捉え、薄毛予防やAGA治療について積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。

    監修した医師の紹介

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    ■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

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