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  • AGAの薬を個人輸入するリスクとは?病院やクリニックでの処方のメリットについて徹底解説!

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    感染症予防の観点からインターネットを利用した通信や流通が急増している近年、ネットショッピングの一環として個人輸入による薬の購入が増えていると言われています。
    個人輸入できる薬の中にはAGA(男性型脱毛症)の治療薬があるため、入手が簡単だったり価格が安いなどの理由から購入を検討している男性がいるかもしれません。
    個人輸入自体は国に認められた商品購入方法であるものの、偽物や模造などの薬による健康被害のリスクがあると厚生労働省でも注意喚起されており、AGA薬の個人輸入はおすすめできません。
    今回は、AGA薬の個人輸入リスクについてくわしく解説します。
    個人輸入のリスクとデメリットに加え、病院やクリニックでAGA薬の処方を受けるべき理由やメリットを知り、安心安全にAGA治療しましょう。
    【記事のポイント】
    ・AGA薬の個人輸入とは
    ・AGA薬を個人輸入する理由やメリットとは
    ・AGA薬を個人輸入するリスクやデメリットとは
    ・病院やクリニックによるAGA治療の特徴とおすすめする理由とは

    ■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

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    AGA薬の個人輸入とは

    日本にない医薬品やサプリメントなどをインターネット上で購入できる、と気軽に始める人が多い個人輸入ですが、そもそも法律上の問題や医薬品の使用に問題はないのでしょうか。
    ここではそもそも個人輸入とはなんなのかなど、以下についてくわしく見ていきましょう。
    ・個人輸入の定義
    ・個人輸入できるAGA薬の種類と特徴

    個人輸入の定義

    税関のHP *によると個人輸入には法令上の定義はな意図されており、一般的に「個人での使用目的で外国製品を海外の通信販売会社、小売店、メーカーなどから直接購入すること」と言われています。
    個人輸入の方法は以下の2つですが、一般的には専門知識が不要な①の場合が多くその分トラブルも多いと言われています。
    ①インターネットサイト上などで運営している輸入代行業者に代金を支払って輸入代行依頼する
    海外の業者と直接やり取りする必要がないため現地の言語が堪能でなくても購入できますが、手数料や送料などが発生して高額になる可能性があります。
    ②外国の通信販売会社やメーカーなどに、自分自身が購入したい品物を直接注文して購入し輸入する
    代金の支払いや返品交換が必要な際の方法についてなど、すべての交渉を自分で行うため現地の言語や流通事情に精通している人に向いている方法です。
    いずれの場合も破損や商品の不備などがあった場合自分で処理しなければならないため、個人輸入には自己責任が大きいことを理解しておく必要があります。
    また、日本への輸入が禁止や規制されているものについて、安易に購入しないよう十分注意しなければなりません。
    *税関HP参照 (https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/kojin/3001_jr.htm

    個人輸入できるAGA薬の種類と特徴

    日本で厚生労働省の承認を受けてAGA治療に使用される薬と個人輸入で購入できる薬は、成分が一緒でも製造元や製造方法が違います。
    ここでは成分別に個人輸入できるAGA薬の特徴を見ていきましょう。

    フィナステリド:承認薬名「プロペシア」「フィナステリド錠」
    5αリダクターゼⅡ型阻害薬という分類の内服薬で、AGAの原因のひとつである「ジヒドロテストステロン」という男性ホルモンの生成を抑えるはたらきがあります。
    副作用は「性欲減退」「勃起不全」「肝機能障害」などが挙げられますが、発生頻度は5%未満とかなり低いことがわかっています。
    個人輸入で購入できる商品名は「フィンペシア」「フィナロイド」「フィナロ」「フィナバルト」「フィナクス」などがあります。

    デュタステリド:承認薬名「ザガーロ」「デュタステリドカプセル」
    フィナステリドと同じ5αリダクターゼ阻害薬に分類されますが、5αリダクターゼⅡ型に加えⅠ型も阻害するため、ジヒドロテストステロンの生成を抑える効果が高いと言われています。
    副作用は「勃起不全」「性欲減退」「精液減少」「肝機能障害」「乳房肥大」などで、最も発生頻度が高い副作用が勃起不全で全体の10%程度です。
    個人輸入で購入できる商品名は「アボルブ」「デュタステリドAV」「デュプロスト」「ベルトリド」「デュタボルブ」などがあります。

    ミノキシジル(内服)
    ミノキシジルの内服薬は日本国内では未承認のため、病院やクリニックでの処方は医師の判断で行われます。
    血管拡張作用による血行促進や、髪の成長を促す毛乳頭細胞の活性作用から、発毛効果が期待されています。
    もともと降圧剤として使用されているため、副作用として「血圧低下」「めまい」「立ちくらみ」「頭痛」「動悸」などがあり、健康に重篤な副作用の可能性があるため使用には医師の診断とフォローが重要です。
    個人輸入で購入できる商品名は「ミノキシジルタブレット」「ミノタブ」「ロニテン」「ミノクソール」「ロニタブ」などがあります。

    ミノキシジル(外用):承認薬名「リアップ」「リグロEX5」「リザレックコーワ」「スカルプDメディカルミノキ5」「ミノアップ」など
    ミノキシジル内服と同様に血行促進作用がありますが、外用薬には全身性の副作用がないため日本でも承認薬として市販されています。
    ただし、承認薬はミノキシジル含有量が1%と5%に限られており、それ以外の製品は個人輸入で購入できる「ロゲイン」「ツゲイン」「フォリックスFR」「ミントップ」などがあります。

    AGA薬を個人輸入する理由やメリットとは

    AGA薬を個人輸入するのには、薬の処方のために通院する手間や高額な治療費用を抑えたいといった、AGA治療を継続するためにネックになる負担を軽減したいという理由があるようです。
    AGA薬の個人輸入における以下のメリットが実際どんなものなのか、見ていきましょう。
    ・医師の診察による処方を受ける手間がかからない
    ・低価格で購入できる

    医師の診察による処方を受ける手間がかからない

    病気の治療においては、医師の診察を受けて症状に対する薬を処方されて使用するのが一般的ですが、通院のために移動する時間や診察までの待ち時間が長いことや、生活時間と診療時間が合わないなど「診察と処方」に手間を感じる人にとっては個人輸入で好きな時に好きな薬を購入できるのはメリットだと感じるようです。

    低価格で購入できる

    日本国内で承認されているAGA薬と個人輸入で購入できる海外製品の価格を比較すると、およそ10%程度安いものが多いようです。
    しかし、送料や手数料が加算される場合は価格差があまり感じられないことがあるでしょう。
    また、配合成分と配合量が同じであれば安いものを購入したい、という人にはメリットに感じられるかもしれませんが、成分が同じでも基材や添加物が違うことや、製造方法が違うため同じ薬ではないことは知っておく必要があります。

    AGA薬を個人輸入するリスクやデメリットとは

    AGA薬の個人輸入には、薬そのものの品質に問題があったり、入手方法においてもトラブルが多く報告されているため、安易におすすめできません。
    個人輸入で起こり得るリスクやデメリットについて、以下の5つのポイントをぜひ参考にしてください。
    ・AGA薬自体が偽物や粗悪品の可能性がある
    ・重篤な副作用が起きても保証制度が使えない
    ・治療経過の効果判定や副作用の判断ができず全て自己責任になる
    ・健康被害の可能性がある
    ・薬の未納や返品返金できないなどの業者とのトラブルの可能性がある

    AGA薬自体が偽物や粗悪品の可能性がある

    海外製の医薬品には日本のように「医薬品医療機器等法」という法律に基づいた医薬品の製造から販売と市販後の安全対策まで一貫した規制が設けられていないため、偽物が流通する可能性があります。
    有効成分の含有量が少ないものや、そもそも全くの別物、パッケージはAGA薬でも中身が違うなどのさまざまな偽物が存在します。
    偽物にはAGAの治療効果がないだけではなく、場合によっては健康に影響を及ぼすというリスクがあります。
    個人輸入はサイト上の情報のみで購入するため、写真や説明書だけでは偽物や粗悪品の見極めは難しいでしょう。

    重篤な副作用が起きても保証制度が使えない

    日本には「PMDA(医薬品医療機器総合機構)」による、「医薬品副作用被害救済制度」という公的な制度があります。
    承認医薬品を適正に使用した中で、副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付金が支給されます。
    対象は「厚生労働大臣の承認を受けた医薬品」のため、AGA薬も種類によって対象になりますが、個人輸入した医薬品に関してはすべて対象外となります。

    治療経過の効果判定や副作用の判断ができず全て自己責任になる

    個人輸入のAGA薬による治療は、医師による治療経過の評価がないため、症状に対して効果が不十分だったり副作用が出た場合自己責任で対応しなければなりません。
    病院やクリニックで処方された薬であれば、使用中に体の異変があれば相談できます。
    しかし個人輸入のAGA薬使用中に体の異変を感じても、副作用かの判断ができない上に対処できない可能性があります。
    AGA薬の副作用には、肝機能障害など重篤なものもあるため自己判断での対処はリスクが大きいでしょう。
    また、海外製の医薬品に日本語の記載はないため、語学に長けていないと正しい用法用量で使用できないというリスクもあります。

    健康被害の可能性がある

    海外製の医薬品は日本人の服用を前提に製造されているわけではありませんので、肌質や体質に合わなかったり、成分の効果が強く出ることから思わぬ健康被害のリスクがあります。
    デュタステリドなどの副作用である性機能低下は、心身の健康に影響する可能性がありますし、ミノキシジル内服薬の副作用である血圧下降によるめまいやふらつきは転倒などの事故を引き起こすことも考えられますので、安易な使用は避けるべきでしょう。

    薬の未納や返品返金できないなどの業者とのトラブルの可能性がある

    代金を支払ったにもかかわらず商品が届かないという輸入代行業者とのやり取りでトラブルが発生するケースや、届いた薬のパッケージがひどく破損していたなど商品に関してのトラブルはどちらも後を絶たないとして、国民生活センターでも注意を促しています*。
    個人輸入代行業者の中には、問い合わせに応じなかったり返品や返金に対応しないなど実体がない悪質な業者も紛れているため、お金を騙し取られることや個人情報を盗まれるなどの詐欺被害のリスクについても頭に入れておきましょう。
    *参考:越境消費者センターHP(https://www.ccj.kokusen.go.jp/

    病院やクリニックによるAGA治療の特徴とおすすめする理由とは

    病院やクリニックでのAGA治療は、各施設や医師によって違いがありますが「男性型及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」に示されているAGAの中で特に推奨されているのは「フィナステリドの内服」と「デュタステリドの内服」に加え「ミノキシジルの外用」の3つです。
    そのためAGA治療においてこの3つを基本としている病院やクリニックが多いのですが、医療機関で治療を受けるメリットを以下の4つにまとめましたので、ぜひ参考にして病院やクリニックでAGA治療を始めましょう。
    ・品質や効果が高いAGA薬を処方してもらえる
    ・薬の変更や増減など自分の症状に合わせて治療が進められる
    ・国内で承認されたジェネリック医薬品が購入できる
    ・重篤な副作用があった場合治療内容により国の救済制度が受けられる

    品質や効果が高いAGA薬を処方してもらえる

    厚生労働省から承認を受けるということは、日本人の臨床試験データで数多くの効果と高い安全性が認められているという裏付けになります。
    また、医師の判断で有効性が認められた場合に輸入薬を処方される場合がありますが、用法用量をきちんと指導してもらいながら経過を追って使用できるため、個人輸入の薬の使用にはないメリットがあ流と言えるでしょう。
    病院やクリニックは相談窓口やサポート体制が整っているため、不安があっても頼れるというのは大きなメリットでありおすすめする理由のひとつです。

    薬の変更や増減など自分の症状に合わせて治療が進められる

    AGAには薄毛や抜け毛といった症状が見られますが、発症部位や進行スピードには個人差があるため治療経過を定期的に評価し内容を見直すことが大切です。
    自己判断で個人輸入のAGA薬を使用している場合は効果の評価が難しく、症状の変化や副作用が起こった時に対処できない可能性があります。
    しかし病院やクリニックでは、AGA診療医師の定期的な診察により、治療内容の変更や副作用のチェックなどその人に合わせて治療が進められるため、安心して治療を継続できるでしょう。

    国内で承認されたジェネリック医薬品が購入できる

    病院やクリニックで処方されるAGA薬は高額だと思われるかもしれませんが、「プロペシア」「ザガーロ」「ミノキシジル外用薬」には厚生労働省が承認しているジェネリック医薬品があるため、病院やクリニックで購入しても先発品よりも安価で購入できます。
    ジェネリック医薬品は先発薬の研究開発データを引き継いで製造されることから、その分の費用がかからないため安く販売されていますが、成分や配合率は同じため効果に差はないことがわかっています。
    薬の種類にもよりますが、ジェネリック医薬品は先発薬の10〜30%程度に設定されているため、安全な薬を低価格で購入できます。

    重篤な副作用があった場合治療内容により国の救済制度が受けられる

    「医薬品副作用被害救済制度」は、医薬品を適正に使用していた中で入院を要する副作用が発生した場合に給付金が受け取れる制度ですので、病院やクリニックで処方された承認薬を適切に使用していれば対象となる可能性があります。
    救済給付には、「医療費」「医療手当」「障害年金」「障害児養育年金」「遺族年金」「遺族一時金」「葬祭料」があり、広い範囲で給付されるためいざという時の安心材料になると言えるでしょう。

    まとめ|AGAの薬は個人輸入ではなく安心安全な病院やクリニックなどに相談しよう

    個人輸入で購入できるAGA薬は安価で診察不要と一見メリットがあるように思われますが、薬そのものの安全性が確かではないことや自分の症状に効果がある薬なのか判断できないことからおすすめできません。
    AGAは症状や進行に個人差が大きいため、治療症例や相談件数が豊富なAGA専門医に相談し、自分に合った適切な治療を受けることが大切です。
    診察や通院の手間が気になる場合は、オンライン診療やLINE相談を実施しているクリニックを選んではいかがでしょうか。
    自分の都合やニーズに合わせた身近で続けやすいAGA治療のために、まずは気軽に相談することをおすすめします。

    執筆した医師の紹介

    ■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

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