ABOUT AGA
AGAについて
-
ミノタブ(ミノキシジルタブレット)は危険?正しく知りたいミノタブの知識
ミノタブ(ミノキシジルタブレット)は危険?正しく知りたいミノタブの知識
「AGA治療薬のミノタブってどういう薬なの?」
「ミノタブは危険って本当?」
「AGA治療にミノタブを選ぶべき?ほかの治療方法はある?」
ミノタブ(ミノキシジルタブレット)とは、AGA治療に使われるミノキシジルを主成分とした内服薬のことで、AGA治療をこれから始めたい方や既に治療を進めている方は、抜け毛や薄毛対策に使用してみたいと思うかもしれません。
しかし、ミノタブには危険性が指摘されており、AGA治療ガイドラインではAGA治療薬として使うべきではないと注意されています。
今回は、ミノタブの危険性と危険とされる理由についてくわしく解説します。
ミノタブについて正しい知識を深め、使用を検討している方はぜひ参考にしてください。■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
ミノタブ(ミノキシジルタブレット)とは
ミノタブ(ミノキシジルタブレット)とは、ミノキシジルを主成分とする内服薬のことで、もともと高血圧の治療薬として使用されていましたが、服用すると多毛症状が出ることからAGAの治療薬として一部のクリニックで処方されています。
ここでは、ミノタブがAGA治療に使われる理由や副作用についてくわしく見ていきましょう。ミノタブの効果
ミノタブにはおもに2つの効果があります。
・血管拡張による血流改善
・毛乳頭細胞の活性化
ミノタブの成分であるミノキシジルには血管拡張作用があり、服用すると全身の血管に作用するため頭皮の血管も広がり血流が改善され酸素や栄養が行き渡ります。
頭皮の血流が改善されて酸素や栄養が行き渡ることで、髪の元となる「毛母細胞」に発毛指令を出し栄養を届ける「毛乳頭細胞」が活性化するため、発毛と髪の成長に効果が期待できることからミノタブがAGA治療に使われています。ミノタブの作用
ミノタブを経口摂取すると、胃や腸などの消化管で吸収されたあと肝臓で代謝され、活性代謝物のミノキシジル硫酸塩となって全身の血管を巡ります。
そのためミノタブの作用は頭皮のみではなく、頭髪以外の体毛が増えることや、全身性の副作用が生じることがわかっています。ミノタブの副作用
ミノタブにはいくつかの重大な副作用が一定の割合で生じることがわかっていますが、これはミノキシジルの血管拡張作用が影響しており、リスクがある方は注意が必要ですのでしっかり覚えておきましょう。
・多毛
ミノタブは全身に作用するため、頭髪以外に腕や足や背中といった部位の毛が増えることがあり、全身の毛が濃くなったと感じる状態で「多毛症」とも呼ばれます。
多毛症状はミノタブ服用中に比較的生じやすい副作用ですが、もともと毛のない部分に新たに生えることはなく、うぶ毛が濃くなったり量が増えることで気づく場合が多いでしょう。
多毛症状はミノタブの内服を中止すれば元に戻りますので、服用しても永久に体毛が濃くなるということはありません。・初期脱毛
AGAは男性ホルモンと遺伝が原因の脱毛症で、ジヒドロテストステロンという男性ホルモンのはたらきにより、「ヘアサイクル」という髪の生え変わりサイクルが乱れ、成長途中の髪が強制的に抜け落ちることで薄毛に進行します。
ミノタブによるAGA治療では、毛乳頭細胞を活性化して髪の成長を促し抜け毛を防ぐ効果が期待できますが、ヘアサイクルが乱れ細く弱くなった髪を押し出し健康で太く長い髪が生える段階で一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が見られることがあります。
初期脱毛は、多くの場合ミノタブ服用後3週間から1ヶ月ころ始まり、2〜3ヶ月程度で落ち着く一時的な抜け毛の増加です。・血圧の低下
ミノキシジルは、もともと海外で高血圧の方に血圧を下げる目的で使用されていたため、血管を拡張させて血圧を下げる効果があります。
そのため、ミノタブを服用すると血圧が低下するおそれがありますので、もともと血圧が低い低血圧の方や高血圧の治療中で降圧剤を服用中の方は血圧が下がりすぎてめまいや動悸を起こしたり、重篤な場合は失神やショック症状が出現する危険がありますので注意が必要です。・めまいや動悸や皮膚の紅潮
ミノキシジルの血管拡張作用により、脳や心臓へ血液を送る血管の血圧が低下することで、めまいや動悸が生じやすくなります。
また、血管拡張作用は全身の毛細血管にも及ぶため、血管が広がることで皮膚の色が赤みを帯びて見えることがあります。
皮膚の紅潮は、見た目の問題はありますが全身への影響はあまり心配することはありません。
しかし、血圧の低下によるめまいや動悸は重篤な場合全身に影響するため、副作用の出現に気をつける必要があります。・むくみ
血管拡張作用により、全身の血管内の水分量が増えることで顔や足にむくみが生じやすくなります。
むくみ症状は比較的出現しやすいことがわかっていますが、ほっておくとむくんだまま戻らず顔や足が大きくなることがあるため、ミノタブの服用を見直すことも大切です。・肝機能障害
肝機能障害はミノタブに限らず多くの薬に生じる可能性がある副作用ですが、ミノキシジルを代謝するために肝臓に負担がかかり、肝機能の低下を引き起こすおそれがあります。
肝機能障害は、薬の量が多い場合や服用期間が長期に渡るほど生じる可能性がありますので、肝不全など重篤な病気に進行しないためにも服用が必要か慎重に検討する必要があるでしょう。ミノタブとミノキシジル外用薬の違いとは
ミノキシジルには、ミノタブのような内服薬タイプと頭皮に直接塗布する外用薬があります。
配合されている成分は同じミノキシジルですが、ミノタブが日本でAGA治療薬として承認されていないのに対し、外用薬はAGA治療薬として承認され、日本皮膚科学会の診療ガイドライン*でも使用を強く勧めるよう提示されています。
ここではミノタブとミノキシジル外用薬の違いと承認と非承認の理由について見ていきましょう。全身への影響の違い
ミノタブの作用は全身性のため、効果が発揮されやすいという利点がありますが、その分副作用の発生リスクが高いことが問題となっています。
ミノタブの副作用は、血圧の低下など心臓や脳に影響し重篤な事態をまねく危険があるため、AGA治療薬として日本では承認されておらず、日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも推奨度Dの「行うべきではない」、とされています。これは、ミノキシジル内服薬の有用性に対する臨床試験が実施されていないことや、副作用のリスクといった安全性とともに、薬を個人輸入することによる医薬品医療機器等法の観点による問題視が理由になっています。
一方ミノキシジル外用薬は、日本で最初にAGA治療薬として厚生労働省による承認を受けており、診療ガイドラインでも推奨度Aの「行うよう強く勧める」とされていますが、濃度は5%までとされています。外用薬は作用が塗布部位に限られているため、副作用の発現が少ないことや副作用の内容が皮膚の痒みなど全身に影響が少ない程度というのが使用を推奨されている理由です。
*参考:男性型および女性型脱毛症治療ガイドライン2017年版(https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf)
ミノタブが危険な理由とは
ミノタブの副作用については上記しましたが、ミノタブの使用が危険な理由としては、副作用のリスク以外にもいくつか挙げられます。
ここではミノタブの使用について慎重に検討するために、使用が危険な理由4つについて解説します。AGA治療薬として承認されていない
ミノタブはもともと海外で高血圧の治療薬として使用されていた内服薬ですが、AGAの治療薬としては日本のみではなく世界中どの国でも承認されていません。
治療薬として承認されていないということは、効果効能に科学的な根拠がないということか、安全性が確立されていないことや使用に際しリスクが伴う可能性があるということが考えられます。
未承認の薬とはいえ違法ではないため、クリニックによってはミノタブを処方することもあるようですが、個人の症状に合わせて医師が必要と判断した場合に限られるため、自己判断でミノタブを使用することは絶対にやめましょう。副作用のリスクがある
ミノタブの血管拡張作用は全身に及ぶため、血圧低下による心臓への負担が大きな問題となります。
心拍数の増加により心臓の負担が増えることは、不整脈や心筋梗塞のリスクを増やすことになりますし、さらに重篤な心不全などの疾患を引き起こすリスクも考えられますので、心臓や血管に病気があったり高齢者や重度の肥満の方などは特に注意が必要です。服用できない人がいる
ミノタブは血圧を下げる作用があるため、低血圧や高血圧の治療で降圧剤を服用している方は服用してはいけません。
さらに、「うっ血性心不全」、「不整脈」、「冠動脈疾患」といった心疾患の既往がある方は、症状が悪化するおそれがあるためできるだけ服用はやめておくべきでしょう。
心疾患の既往がない方でも、ミノタブを服用して以下のような症状が見られた場合は使用を中止することが重要です。
・動悸や胸の違和感や痛み
・異常なむくみや息切れ
・血圧の低下
また、ミノキシジルの成分は胎盤を通して胎児に移行する可能性があり、胎児への影響は明らかになっていないため、妊娠中や妊娠の可能性がある女性、また授乳中の女性は服用できません。AGA診療ガイドラインで推奨されていない
日本皮膚科学会における、「男性型および女性型脱毛症治療ガイドライン2017年版」というAGA治療のガイドラインでは、推奨度はAからDランクの中で最低のDランクで、ミノキシジルの内服を行うべきではない、とされています。
解説として、ミノキシジル内服の有用性に関して臨床試験が実施されていないことや、降圧剤として認可されていない、AGA治療薬として認可されている国がない、医師が安易に処方したり個人輸入での入手が問題視されている、心血管系の重大な障害が生じることが内服製剤の添付文書に記載されているなどのことから、利益と危険性の検証が不十分と指摘され、内服しないよう強く勧められています。
そのため、安易にミノタブを服用することは危険だと言えるでしょう。ミノタブ以外におすすめのAGA治療内服薬とは
AGAの抜け毛や薄毛の治療には、厚生労働省が承認している2種類の内服薬があります。
安心安全にAGA治療するためには承認薬を正しく使用することがおすすめですので、2種類のAGA治療薬について見ていきましょう。フィナステリド
フィナステリドは、AGAの原因となるジヒドロテストステロンをテストステロンから変換させる5αリダクターゼⅡ型を阻害して、脱毛因子の産生を抑えることでヘアサイクルの乱れを正常化する効果が期待できる内服薬で、1日1回1錠服用し、最低6ヶ月継続することが推奨されています。
AGAを発症すると、通常3〜5年のヘアサイクルが1年〜数ヶ月程度に短縮されると言われていますが、ヘアサイクルの短縮が起こり始めた段階ですぐに内服薬による治療を始めることで、その後のヘアサイクルの短縮を防ぎ抜け毛や薄毛の進行をストップさせる可能性が高くなるため、できるだけ早い段階で内服を始めることが大切です。デュタステリド
デュタステリドは5αリダクターゼⅠ型Ⅱ型阻害薬のため、フィナステリドよりもテストステロンをジヒドロテストステロンに変換する作用をブロックする効果が期待でき、フィナステリドと同様に1日1回1錠を、自分の都合のいいタイミングで服用します。
ジヒドロテストステロンの生成を抑える効果は、5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の両方を阻害できるデュタステリドの方が高いと言われていますが、副作用として勃起不全や性欲減退が4%程度、精液量減少や肝機能障害や倦怠感がわずかに見られるおそれがありますので、医師と相談し自分に合った薬を選びましょう。まとめ
ミノタブは副作用として多毛症状が生じることから、AGAの抜け毛や薄毛対策に使用されるケースがありますが、承認薬ではなく血圧低下や心疾患の増悪といった副作用のリスクがあるため、誰でも気軽に使用できる薬ではないでしょう。
また、AGAの原因を根本的に治療できるわけではないため、AGAをしっかり治療するためにはフィナステリドやデュタステリドといった治療薬の使用がおすすめです。
AGAの症状や進行度には個人差がありますので、自分に合った最適な治療ができるかかりつけのクリニックを見つけることがとても大切です。
AGA薄毛予防治療クリニックでは、オンライン診療により身近で続けやすいAGA治療ができますので、どうぞお気軽にご相談ください。関連する記事
-
-
AGAの薬の種類が豊富なクリニックを選ぶべき?薬の特徴について解説
2024.12.06
-
-
あなたの抜け毛の原因はAGA?AGAになりやすい人の特徴と対策
2024.12.04
-
-
あなたはいくつ知っている? AGA治療薬の認可・非認可を特徴別に解説!
2024.12.02
-
-
抜け毛が異常に短い?普段と異なる抜け毛には要注意
2024.11.23
-