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うつ病と抜け毛・薄毛の関係性とは

「最近気分が落ち込みがちで、なんとなく抜け毛も増えてきた気がする」「うつ病になると薄毛が進行するって本当?」男性の中には加齢とともに日々の生活の中で気分の落ち込みや不安が大きく、うつ病なのかもしれないと感じている方や、うつ病と診断されて治療を始めている方は少なくありません。
うつ病を懸念する方の中には、抜け毛の増加や薄毛が進行しやすくなるという噂を聞いたことがあるかもしれません。
うつ病や抑うつ状態が続いている状態では、抜け毛の増加や薄毛の進行につながる可能性があり、まったく無視することはできないでしょう。
そこで今回は、うつ病や抑うつ状態が髪の成長に影響を与えるメカニズムや、薬の影響、うつ病と薄毛治療を併用する際のポイントまでをくわしく解説します。■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

うつ病と抜け毛や薄毛の関係性とは
うつ病は、心の病気と考えられがちですが、実際には自律神経やホルモンバランス、免疫機能など全身の健康に影響を及ぼす病気です。
そのため、うつ病の影響は髪や頭皮にも及び、抜け毛の増加や薄毛といった目に見える変化として現れるケースが見られます。
ここでは、うつ病が身体的メカニズムを通じてどのように抜け毛や薄毛に影響するのかについて、自律神経やホルモンと睡眠との関係からくわしく解説します。自律神経の乱れによる頭皮環境の悪化
うつ病の発症や強い抑うつ症状の発生には、強い精神的ストレスが深く関与しています。
私たちの体は、強いストレスを感じると自律神経の交感神経が優位になり、アドレナリンなどのホルモンが分泌され心身ともに緊張状態に置かれます。
心身の緊張状態が長く続くと、自律神経のバランスが乱れ血管の収縮が起こり頭皮の血行不良を引き起こすおそれがあります。
頭皮の毛細血管には、髪の元となる毛母細胞に成長に欠かせない栄養や酸素を供給するはたらきがありますので、血行不良が起こると髪の成長に必要なエネルギーが減少し、成長途中の髪が抜けやすくなります。
そのため、太く長く成長するはずの髪が成長できずに抜けてしまうことや、新しい髪がなかなか生えない「休止期脱毛」という状態に進行し、短期間に抜け毛が増える可能性があります。ホルモンバランスの変化
私たちの体は自己防衛反応として、うつ病や慢性的なストレス状態ではストレスに対抗するためのホルモンである、コルチゾールの分泌が増加します。
コルチゾールは交感神経を刺激して体を緊張状態に保ち、血圧と脈拍を上昇させることで脳を覚醒させるため、抗ストレスのためには必要ですが、過剰に分泌されると髪の成長に関与するホルモンのバランスに影響を及ぼすことが考えられます。
男性の場合、AGA(男性型脱毛症)は男性ホルモンのひとつであるジヒドロテストステロンが原因となることから、男性ホルモンが増加することでAGA(男性型脱毛症)の発症のきっかけや、症状の進行を早める一因になる可能性があり、ホルモンバランスの変化は抜け毛や薄毛の進行に大きく影響すると考えられます。睡眠障害による髪の成長への影響
うつ病の診断基準に不眠が取り上げられていることや、うつ病の主な症状として不眠や入眠障害、仮眠といった睡眠障害があげられていることから、うつ病と睡眠障害には密接な関係があります。
睡眠障害はうつ病に関係するとともに、髪の成長に必要な「成長ホルモン」は睡眠中に分泌されることから、髪の成長にも大きく影響していることがわかります。
成長ホルモンは、睡眠中最初に訪れるノンレム睡眠という深い眠りの開始30分後に分泌がピークになり、その後3時間程度かけてゆっくり分泌量が低下していきますので、不眠や入眠障害や中途覚醒といった睡眠障害がある場合は十分な分泌が期待できず、髪の成長の遅れや抜け毛の増加につながる可能性がありますので、うつ病による睡眠障害は髪の成長に影響すると言えるでしょう。うつ病の薬と抜け毛の関係とは
うつ病の治療方法はさまざまですが、抗うつ薬による薬物療法は治療に欠かせないといえるでしょう。
しかし、抗うつ薬を飲み始めてから「抜け毛が増えた気がする」と不安を感じるケースが見られます。
実際に抗うつ薬の中には、副作用として脱毛の可能性が挙げられているものがありますが、脱毛を懸念するあまり自己判断で薬を中断することで心身の状態を悪化させてしまうリスクが高いため、正しい知識を持って抗うつ薬を使用する必要があります。
ここでは、抗うつ薬と抜け毛の関係について副作用や使用方法をもとにくわしく解説します。抗うつ薬の副作用による抜け毛
うつ病の治療に使用される抗うつ薬の中には、頻度は決して高くありませんが、副作用として脱毛が挙げられている種類があります。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や三環系抗うつ薬などには、服用開始後に抜け毛が増えたと感じるケースが見られます。
これらの薬剤は、副交感神経に作用するはたらきがありますが、作用が強い場合には髪の成長に影響する成長ホルモンの一種であるIGF-1というホルモンの分泌が低下するため、服用中抜け毛の増加が見られる可能性があります。
多くの場合は薬の服用を続けることで体が慣れ、数ヶ月以内に改善すると言われていますので、自己判断で中断せずに主治医に相談しながら適切に薬の服用を続けることが大切です。抗うつ薬の使用方法の間違い
抗うつ薬使用中に抜け毛が気になったからといって、自己判断で抗うつ薬の使用を中断したり減量することは非常に危険で、急な抗うつ薬の中断や減量はうつ症状の再燃や離脱症状を引き起こす可能性があります。
離脱症状とは、めまいや吐き気や頭痛といった身体的症状や、イライラや不眠や不安といった精神症状が見られる状態で、抗うつ薬の種類によって症状が違います。
離脱症状が現れた状態では、心身ともにストレスがかかるため、抜け毛がさらに悪化するという悪循環をまねくことも少なくないため、抗うつ薬使用中に抜け毛の増加が気になった場合は、必ず主治医に薬の種類の変更や量の調整ができるか相談することが大切です。うつ病治療の結果としての抜け毛の改善
抗うつ薬の使用により抜け毛が増加する可能性があるとともに、うつ病の治療が進み精神状態が安定することで抜け毛が自然に改善するケースが見られることもあります。
うつ病の治療により気分の落ち込みや不安が軽減され、睡眠や食事や生活リズムが整うことで、頭皮環境や髪の生え変わりのヘアサイクルが整うことで抜け毛が減少することが期待できるため、抜け毛の改善にはうつ病をきちんと治療することが大事だとわかります。
そのため、「うつ病治療イコール抜け毛や薄毛が悪化する」と考えるのではなく、長期的な視点で心身全体の回復を目指すことが、結果として抜け毛の改善につながるでしょう。うつ病の抜け毛とAGAやほかの脱毛症の共通点や違いとは
抜け毛や薄毛にはさまざまな原因があり、うつ病による脱毛とAGAや円形脱毛症などは、症状が似ていてもメカニズムが異なります。
原因を正しく見極めないまま対策すると、十分な効果が得られないばかりか症状を長引かせてしまうこともあります。
ここでは、それぞれの脱毛症の特徴や違いと見分ける際のポイントについてくわしく解説します。共通点は急激な抜け毛の増加
うつ病や強いストレスが原因で起こる脱毛は、休止期脱毛や心因性脱毛と呼ばれることがあり、特徴として以下が挙げられます。
・短期間で大量に抜け毛が増える
・シャンプー時や起床時の枕に大量の抜け毛が見られる
AGAの場合にも同じ症状が見られますが、加えて前額部や頭頂部といった特定の部位の薄毛が進行するという特徴があります。
うつ病やほかの脱毛症は、特定の部位の薄毛ではなく頭髪全体や部分的な抜け毛が見られるため、この進行パターンの違いは抜け毛の原因を見極める重要なヒントになるでしょう。うつ病と円形脱毛症の関係
円形脱毛症の原因はいまだにはっきり解明されていませんが、強いストレスや精神的ショックが引き金となって発症するケースも見られ、ストレスによる免疫やホルモンバランスの乱れにより自己免疫疾患として円形脱毛症を引き起こすという説が有力です。
そのため、うつ病を発症して強いストレスを抱えている場合、円形脱毛症を発症する可能性があることから、うつ病と円形脱毛症には密接な関係があると言えるでしょう。うつ病の抜け毛とAGAの抜け毛の違い
うつ病による抜け毛は、強いストレスや自律神経とホルモンバランスの乱れによって起こる「休止期脱毛」が中心で、短期間に頭髪全体に抜け毛が急増するという特徴があります。
さらに、うつ病の原因となる精神状態の改善が見られると、ヘアサイクルが正常化自然に回復する可能性が高いという点も特徴のひとつに挙げられます。
AGAの抜け毛の場合、原因となるジヒドロテストステロンという男性ホルモンの影響により、前額部の生え際や頭頂部など特定の部位から徐々に薄毛が進行します。
また、AGAは進行性のため自然に回復することはなく、放置しているとどんどん症状が進み最終的にほぼ全ての髪が抜け落ちることも特徴です。うつ病治療と抜け毛や薄毛治療を同時にする際のポイントとは
うつ病と抜け毛や薄毛が同時に発症している場合、どちらの対策を優先すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
心身の症状と髪の症状は切り離して考えることはできず、無理な薄毛対策でかえって精神的な負担がかかることも考えられるため、どちらの症状に対しても適切な対策が必要です。
ここでは、うつ病治療と抜け毛や薄毛治療を同時にする際のポイントについて解説します。心のケアを最優先に考える
抜け毛が気になると髪の問題ばかりに意識が向きがちですが、うつ病が背景にある場合に最も大切なのは心の症状の回復です。
うつ症状が改善しストレスレベルが下がることで、自律神経やホルモンバランスが安定して結果的に抜け毛が減少したり薄毛が改善されるケースは多く見られています。
そのため、まずはうつ病の対策として主治医と相談しながら自分に合った無理のない治療をなるべく早く始めることが大切です。生活習慣の見直しが大切
うつ病の回復と抜け毛や薄毛対策どちらにも欠かせないのが、規則正しい睡眠と栄養バランスの取れた食事と適度な運動といった生活習慣の改善です。
特に栄養バランスの取れた食事は重要で、髪の元となるタンパク質と髪の合成に必要な亜鉛や鉄分とビタミンB群やCは髪の成長に必須のため、日々の食事にしっかり取り入れましょう。
生活習慣の乱れを完璧に治すことは難しく、かえってストレスになるかもしれませんので、少しずつ整えるという意識で気負わずに始めることも大切です。まとめ
うつ病と抜け毛や薄毛には、自律神経やホルモンや生活習慣などと深い関係がありますが、抜け毛は心からのサインとして現れることも多く、髪の変化だけに捉われるのではなく心身全体の状態を見つめ直すことが大切です。
うつ病では、自分の症状に合わせてサポートを受けながら、治療を焦らずに続けることで心の回復とともに髪の状態も徐々に改善する可能性は十分にあります。
うつ症状と抜け毛の両方が気になる、という方はひとりで抱え込まず、信頼できる医療機関に相談することが回復への大きな一歩になりますので、まずは専門の医療機関に問い合わせることから始めましょう。関連する記事
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