もうすぐ秋の到来！　換毛期前に事前に行いたいこととは？

夏から秋にかけて季節が変わるタイミングで増えてくるのが、「抜け毛が多くなった」「薄毛になった」といったお悩みのご相談です。急に抜け毛が増えるとビックリしてしまいますよね。秋は、「このまま抜け続けてしまうのではないか？」といった不安から、ご相談に来られる方がとても増えます。しかし多くの場合は、季節の変わり目によって抜ける心配のない抜け毛です。しかし季節の変わり目に抜け毛が増える理由が分からないと、不安になってしまいますよね。そこでここでは、秋に抜け毛が増える理由についてお話をしていきます。

秋に抜け毛が増える一番大きな理由としては、夏に受けた紫外線のダメージによるものです。夏は一年を通して一番紫外線が強くなる時期ですが、同時に屋外のアクティビティが盛んになる時期でもあるため、夏に紫外線のダメージを受ける人は多いです。夏は長期休暇やお盆休みなどで、普段忙しい方も屋外に出かける機会が増えるため、他の季節にはない頭皮の日焼けをすることもありますよね。普段の生活の中で何気なく紫外線のダメージを受けていることも多いです。このように夏の期間に頭皮に紫外線ダメージを受けることで、頭皮がダメージを受けて、髪の毛が抜けやすくなります。紫外線を受けて日焼けをしても抜け毛はすぐに始まるのではなく、大体1～2ヵ月程度時間差があるため、秋になる頃に夏のダメージによって抜け毛が増えていくのです。

夏は特別なことをしていなくても、汗ばみますよね。しかし汗をかいたまま放置していると、頭皮には汗だけではなく皮脂が溜まっていき、やがて頭皮の衛生環境が乱れて頭皮トラブルが発生しやすくなります。不衛生さが原因で発生した頭皮トラブルは、フケや乾燥、痒みや発疹などさまざまな症状が現れ、やがて髪の毛の育つ土台である頭皮そのものにも悪影響が出てきます。その結果、髪の毛に十分に栄養が届かなかったり、頭皮トラブルによって髪の毛が抜けやすくなるのです。夏の時期に発生した頭皮トラブルでもすぐに髪の毛が抜けるのではなく、秋になる頃にかけて徐々に進行していき、時間差で抜け毛が発生することも多いです。

夏は、海やプールに出かけることも多かったのではないかと思います。楽しい海やプールですが、実は海やプールで受けたダメージが原因となって、秋に抜け毛が増えることがあります。海は海水の塩分が髪の毛に触れることで、髪の水分を奪いやすくなります。塩分が髪の表面に付着すると、髪が乾燥しやすくなり、髪の毛の艶や強さの維持のために重要なキューティクルが開いてしまうことがあります。この状態になった髪の毛を放置してしまったり、海に何度もつかることで髪がもろくなり、抜けやすくなります。プールは海のような塩分はないものの、消毒に使用している塩素が髪の毛を傷めてしまいます。塩素は髪の表面のキューティクルを傷つけ、髪を乾燥させたり、脆くしたりします。この結果、髪が抜けやすくなります。海やプールに出かける回数が多かったり、適切なケアを行えていないと、塩分や塩素による髪の毛へのダメージが蓄積していき、やがて秋になる頃に弱った髪の毛が抜け毛として抜けていくのです。

日本の夏は特に気温と湿度が高いため、過ごしにくい気候でもあります。そんな夏に過ごしにくさからストレスを感じる方も少なくありません。全員が夏のアクティビティを楽しんだり、夏の気候でも元気に過ごせるとは限りませんよね。なかには夏バテしてしまったり、夏の気候に強いストレスを感じる方も多いです。また家族のお出かけの際に無理をしてしまって、意図せず体にストレスがかかってしまうなんてこともあり得ます。夏にストレスを感じることで、秋にかけて気候が比較的落ち着いてきた頃に、体調が崩れてしまったり夏に感じたストレスが原因で抜け毛が起きてしまう方もいます。「自分は大丈夫」と思っていても、気付かない間に体がストレスを感じていることも多いですので、抜け毛の原因としてひとつ知っておくことも大切です。

夏は長期休暇をとる方も多いかと思いますが、休暇中に睡眠不足や睡眠バランスが崩れたり、食生活が乱れることもあったかと思います。生活習慣が崩れると、実は髪の毛にも悪影響があります。例えば睡眠不足ですが、人は睡眠中に髪の毛の成長に必要な成長ホルモンを一番多く分泌するため、睡眠不足が続くとその機会が減ってしまいます。必要な成長ホルモンが上手く分泌されないと、髪の毛の健康を維持したり、成長をサポートできなくなってしまい、やがて髪が弱って抜け毛につながる可能性があるのです。食生活では、髪の毛に必要な栄養素が届かなくなったり、不足することで、髪の毛が十分に成長できずに弱ってしまうことがあります。食生活も改善しないまま過ごしてしまうと、やがて髪の毛が抜けてしまう可能性もあるのです。

秋に急に抜け毛が増えるとビックリしてしまいますよね。しかし、髪の毛のヘアサイクルが秋に差し掛かった時に丁度抜けるタイミングであるために、自然な抜け毛が発生している可能性もあります。ちなみにヘアサイクルとは、髪の毛が成長し、抜け落ち、新しい髪が生えるという一連のサイクルのことを指します。具体的には「成長期」「退行期」「休止期」の3つのサイクルからなり、髪の毛が自然に抜ける換毛期は「退行期」と重なります。抜け毛にハリコシがあり、十分な長さがある場合は、そこまで心配する必要はありません。自然現象として受け止めましょう。

さまざまな原因によって、秋に髪の毛が抜けることがある、ということを知っていただくことができたのではないでしょうか。しかし急に抜け毛が始まることに、不安を感じている方も多いかと思います。特に自然なヘアサイクルで抜けた髪の毛であれば問題はないものの、ダメージによって髪の毛が抜けるかもしれない状況は不安なものです。そこでここでは、秋の抜け毛が始まる前にやっておくべきことについて詳しく解説をしていきます。

夏は一年を通しても一番紫外線が強い時期ではあるものの、紫外線の強さは秋もある程度影響があるため油断禁物です。「どうせ抜けるなら対策をしなくてもいいだろう」と思われがちですが、対策をしないことにより、さらに秋に受けたダメージで冬に抜け毛が増えてしまうなんてこともあり得ます。紫外線のダメージによる負の連鎖を止めるためにも、まずは今できる範囲で紫外線対策を行っていきましょう。秋にオススメの紫外線対策としては、通気性のいいUV加工の帽子を被ったり、日傘をさすことです。夏よりは紫外線は弱くはなっていますが、しっかり紫外線対策をしておくことで、今後の抜け毛を増やさずに済みます。ただし、UV加工の帽子を被る際は、定期的に汗をふきとったり帽子を脱いで頭皮を換気したりといった工夫も必要です。秋もまだ暑い気温が続きますので、防止によって頭皮が不衛生にならないよう注意しましょう。

今現在明らかな頭皮トラブルがある場合は、一般医療皮膚科やクリニックを受診して、ご自分の頭皮トラブルにあった治療をしておくことが大切です。例えば頭皮トラブルとして痒みを伴う発疹がある場合、痒みを抑えるために頭皮をかいてしまうことで、症状が悪化してしまいます。さらには頭皮をかく際に爪で皮膚を傷付けてしまい、髪の毛の成長を阻害したり、髪の毛が抜け落ちてしまう原因になります。頭皮トラブルの治療をしておくことで、夏に受けたダメージを抑えつつ、頭皮の修復をうながし髪の毛が抜け落ちるのを防ぐことができます。頭皮に違和感やトラブルがある方は、早めに医療機関に相談しましょう。

海やプールで髪の毛が傷んでいる場合は、髪の毛の集中ケアを行いましょう。今の髪の毛の状態が分からない、どんなケア商品が合うか分からないという方は、髪の毛のケアを得意とする美容室に相談してみるのもいいかもしれませんね。特に美容室で受けるトリートメントは、一般販売されているトリートメントよりも濃度が高く、いち早く髪の毛の修復を助けてくれます。残念ながら一度傷んでしまったキューティクルを元に戻すことはできませんが、トリートメントの修復作用で髪の毛に潤いを与え、抜けにくくすることは十分に可能です。傷みが酷い場合はプロの美容師に相談をしたうえで、自分に合うケア商品を聞いてみましょう。市販のケア商品を自分で購入する場合は、海やプールで傷んだ髪の毛には、保湿成分が多く入ったものや自然由来の優しいケア商品がオススメです。肌に合う合わないなどもありますので、肌に異常がないかを確認しながらケア商品を使って髪の毛をケアしていきましょう。

夏は遠出をしたり、普段と違うことをすることで、思っているよりも体が疲れていたりストレスを溜めてしまっていることもあります。そのため今の時期は、できる限り疲れをとることに専念して、心身ともにリラックスできる時間を積極的に作るようにしましょう。決まったストレス発散方法がある方は、ストレス発散のための時間を作るだけでも変わります。ストレスホルモンは抜け毛を増やすリスクがあるとして知られていますので、リラックスできる時間やストレス発散できる時間を作りましょう。

一度崩れてしまった生活習慣を元に戻すのは大変かもしれませんが、時間がかかってもいいので少しずつ戻せるようにしていきましょう。特に睡眠と食事は髪の毛の健康にとっても、とても大切なものです。睡眠時間の適切には個人差がありますが、一般的には7時間程度の睡眠時間が必要とされていますので、ぜひ今日から7時間を目安に睡眠をとってみてくださいね。他には食事ですが、食事は和食を心がけ栄養のバランスに偏りがないよう選びましょう。外食が続いてしまう日などは、サプリメントで不足分の栄養素を確保するのもおススメですよ。自分に合ったやり方で、生活習慣の見直しもしていきましょう。