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春の抜け毛は新生活のストレスが原因?すぐに始められる正しい対策法とは
抜け毛の量は季節によって変わりますが、中でも春の抜け毛の量が多いことはメディアでも取り上げられる機会が多いため、ご存じの方が多いのではないでしょうか。
春は外気温など自然環境の変化に合わせて体温調節のために体毛が生え変わる「換毛期」にあたるほか、新生活によるストレスが増えることや花粉の飛散など、などいろいろな原因で抜け毛が増えると言われています。
今回は、春になって抜け毛が増えてきたと感じている男性のために、抜け毛が増える理由や気をつけたい脱毛症について解説するとともに春におすすめの薄毛対策方法を紹介します。
すぐに始められる薄毛対策で、春の新生活を抜け毛や薄毛の心配なく快適に過ごしましょう。
【記事のポイント】
・春に抜け毛が急増する原因とは
・ストレスによる抜け毛のメカニズムとは
・ストレスが関係する脱毛症とは
・春におすすめの薄毛対策とは■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
春に抜け毛が急増する原因とは
人間の髪は生えかわりを繰り返しているため、抜け毛があることは自然な生理現象のひとつです。
成人男性における1日の抜け毛は50〜100本程度と言われているため、この範囲であれば抜け毛を気にする必要はないでしょう。
しかし、春は抜け毛の量が通常の2〜3倍に急増するとも言われています。
ここでは春に抜け毛が急増する3つの理由についてくわしく解説します。
・新生活や環境変化によるストレス
・冬の乾燥による頭皮ダメージの蓄積や花粉の影響
・外気温の変化に順応するための「換毛期」新生活や環境変化によるストレス
4月は出会いの季節とも呼ばれるほど、人間関係や環境が大きく変化する時期でもあります。進学、上京、単身赴任、部署移動、昇進・・・さまざまな立場の方が、さまざまな場面で新しい局面を迎えているのではないでしょうか。「今までと変わらない」と思っていても、人の入れ替わりや季節の変化によって、自分が気付かないうちにストレスを受けてしまっていることもあります。そんな時に注意したいのが、ストレスによる抜け毛です。「ストレスで髪の毛が抜けることなんてあるの?」と思われる方も多いですが、実は髪の毛はストレスに影響されて抜けてしまうことがあり、放置することで更に悪化してしまうこともあります。今回は春に多いストレスによる抜け毛についてや、万が一抜け毛が増えてしまった場合の対処法について詳しく解説をしていきます。
冬の乾燥による頭皮トラブルの蓄積や花粉の影響による頭皮ダメージ
髪は頭皮内に存在するため、頭皮ダメージが蓄積して頭皮環境が悪化すると髪への栄養供給が妨げられることや、髪を維持する機能が低下して抜け毛が増える原因となります。
春の頭皮トラブルには、冬の乾燥がもたらす頭皮のバリア機能の低下が大きく影響しますので、冬の間無防備に紫外線を浴びていたり保湿などの頭皮ケアが不足していた場合には注意する必要があります。
また、春に大量に飛散するスギなどの花粉が頭皮に触れることで、かぶれなどの頭皮トラブルを引き起こす可能性があるため、春は頭皮ダメージが深刻化しやすい時期だと言えるでしょう。外気温の変化に順応するための「換毛期」
犬や猫などの動物には、春と秋に起こる「換毛期」という体毛の生えかわり現象があります。
換毛期は外気温の変化に対応して体温調節するための重要な生理機能で、全身の毛が生え変わるためかなり大量の抜け毛が見られます。
人間は体毛の量が少なく、衣服によって外気温の変化に対応しているため換毛期は動物ほど重要ではなく、体毛の抜け毛はほとんど気にならない程度ですが、髪の抜け毛が増えると目立ちやすいため気になる男性もいるでしょう。
換毛期は5〜7月頃、1ヶ月程度続いたあと自然に抜け毛が減っていくと言われています。ストレスによる抜け毛や薄毛のメカニズムとは
「ストレスでハゲる」とは一般的によく聞かれるため、ストレスと抜け毛や薄毛には何らかの因果関係があると考えられます。
春の抜け毛や薄毛の主な原因にはストレスがあげられますので、ストレスが抜け毛を引き起こす以下のメカニズムについてくわしく見ていきましょう。
・自律神経の乱れによる代謝の低下や血行不良
・ホルモンバランスの乱れ
・自己免疫疾患との関連自律神経の乱れによる代謝の低下や血行不良
自律神経には呼吸や体温調節といった人間の体における基本的な生命活動を維持するためのはたらきがあり、交感神経が興奮や緊張を担い副交感神経が急速やリラックスの状態を担いどちらも自律的で無意識に活動するという特徴があります。
ストレスが過剰にかかると自己防衛のために交感神経が優位な状態になり、血管が縮小し血圧が上昇することから血行不良になるおそれがあります。
また、常に興奮や緊張状態では体が休息できないため疲労が回復せず、ストレスがかかった状態が長く続くと頭皮の血行不良や代謝の低下を招き、抜け毛や薄毛が引き起こされると考えられます。ホルモンバランスの乱れ
髪の成長には「成長ホルモン」が深くかかわっているため、成長ホルモン分泌のバランスが乱れると髪の成長不足による抜け毛が起こりやすくなる可能性があります。
成長ホルモンは睡眠中に分泌されますが、「入眠後最初に訪れる深い睡眠の30分後をピークに分泌が始まり、緩やかに減量しながら3時間程度続く」と言われています。
そのためストレスによる不眠や睡眠の質の低下は成長ホルモンの分泌を低下させ、髪の発育の遅れや成長が不十分になることで薄毛が引き起こされると考えられます。自己免疫疾患との関連
春に発症が多く見られる花粉症は、体内に入った異物である花粉を排出しようと体が過剰に反応する「自己免疫疾患」のひとつと言われています。
花粉症では鼻水鼻づまりやくしゃみといった症状が主ですが、重度になると睡眠中の呼吸困難や昼間の集中力の低下による睡眠不足やイライラを引き起こすおそれがあります。
自己免疫疾患が発症する理由ははっきり解明されていませんが、ストレスと大きな関係があるという説が有力です。
そのため春にストレスが過剰にかかると、花粉症により自律神経の乱れや成長ホルモンの分泌低下を起こし抜け毛や薄毛を引き起こす可能性があると考えられます。ストレスが関係する脱毛症とは
AGAや円形脱毛症などの病気による抜け毛や薄毛では、ストレスが原因になったり進行を早めたりする要因になると言われています。
AGAは男性特有の脱毛症ですが、成人男性の3人に1人に発症すると言われている発症率の高い脱毛症で、円形脱毛症は性別や年齢関係なく誰もが突然発症する可能性がある脱毛症です。
それぞれの脱毛症の特徴とストレスとの関係についてくわしく見ていきましょう。
・AGA(男性型脱毛症)
・円形脱毛症AGA(男性型脱毛症)
AGAは前額部や頭頂部に部分的に現れる抜け毛や薄毛が特徴の脱毛症で、男性ホルモンや遺伝が原因で発症します。
そのためストレスはAGAの直接的な原因ではありませんが、AGAの進行を早めたり症状を悪化させる要因になるため注意が必要です。
AGAは「テストステロン」という男性ホルモンが、血液を通して頭皮に存在する「5αリダクターゼ」という酵素と結びついて変換される「ジヒドロテストステロン(DHT)」という別の男性ホルモンが原因となります。
ジヒドロテストステロンは、前額部や頭頂部に多く存在する「アンドロゲンレセプター(ホルモン受容体)」に取り込まれ、髪の毛の成長をストップさせる働きのある脱毛因子「TGF-β」を産生します。
ストレスが過剰にかかり自律神経の乱れや成長ホルモンの分泌低下が起こった状態は、脱毛因子のはたらきを高める可能性が考えられるため、AGAとストレスには症状の進行や重症化と密接な関係があると言えるでしょう。円形脱毛症
円形脱毛症は、円形や楕円形が特徴の脱毛症です。
円形脱毛症の原因としてストレスをイメージする人が多いかもしれませんが、円形脱毛症のメカニズムはいまだに解明されていない部分が多いため、ストレスが直接の原因であるとは言えません。
しかし、がストレスによる自律神経の乱れが頭皮の血管収縮や血行不良を引き起こすことは前述のとおりです。
また、円形脱毛症は「Tリンパ球」という免疫機能が毛根を異物と見なして攻撃することで発症する、自己免疫疾患のひとつであるという説が有力です。
さらに、円形脱毛症を発症した人の半数近くに自己免疫疾患のひとつである「アトピー性疾患」素因が見られることからも、自己免疫疾患との関連が考えられるでしょう。春におすすめの抜け毛対策とは
春は新生活の開始などで1年の中でも特に生活が不規則になりやすいため、日常生活リズムを正した上で正しい抜け毛対策することが大切です。
以下の対策の中から自分に合った方法を見つけ、できることからすぐに始めましょう。
・ストレス解消に取り組む
・AGA治療
・頭皮環境を整える
・食生活の見直し
・質の良い睡眠を心がけるストレス解消に取り組む
ストレスによる自律神経の乱れは春の抜け毛の大きな原因のひとつになるため、ストレスを溜め込まずに発散することが大切です。
ストレス解消には自分に合った方法を探す必要がありますので、まず以下の6つの方法から自分に向いている方法を見つけ、その中から具体的にできることを考えましょう。
①好きな音楽を聴いたり映画を見るなど「感覚器官」を使って発散する。
②ジムなどで身体を動かしたり、スポーツするなど「運動器官」を使って発散する。
③親しい友人とおしゃべりしたり、日記などで自分の気持ちを文章にするなど「言語」を使って発散する。
④買い物や散歩などのお出かけなど、別のことに集中する「気分転換」の時間を確保して発散する。
⑤昼寝したり目をつぶったり音をさえぎることで「休息」を取りリラックスして発散する。
⑥友人やカウンセラーなど他人に「相談」して人に聞いてもらうことで発散する。AGA治療
AGAによる抜け毛は、ジヒドロテストステロンによる脱毛因子(TGF-β)が原因のため、「プロペシア(フィナステリド)」や「ザガーロ(デュタステリド)」といった5αリダクターゼ阻害薬を使用してジヒドロテストステロンの産生を防ぐ内服治療が基本となっています。
さらに頭皮の血行促進や髪の元となる細胞の活性効果のある「ミノキシジル」外用薬を併用することにより、脱毛予防効果とともに発毛効果も期待できます。
AGA治療は病院やクリ肉などの医療機関の受診が必要なためハードルが高いと思われるかもしれませんが、成人男性の抜け毛の大半はAGAだと言われていますので抜け毛対策を検討するのであればAGAについて専門クリニックに相談することをお勧めします。頭皮環境を整える
春は花粉の飛散や埃が多いため、頭皮が汚れて頭皮環境が悪化しやすくなりますので特に頭皮ケアに気をつけたい季節です。
短時間の外出でも花粉が髪や頭皮に付着しやすいため、できればシャワーや入浴で全身洗うことが理想ですが、花粉がつかないよう帽子を着用したり室内に入る際に花粉や埃を払い落としたりブラッシングするようにしましょう。
また、頭皮環境を守るためには保湿も重要です。
ドライヤー後頭皮用の保湿ローションを使うのがおすすめです。
外出前に髪や頭皮用のUVを使用することも、紫外線による頭皮ダメージ予防になりますのでできれば習慣にしたいですね。食生活の見直し
食事の時間が不規則だと体がいつ栄養を吸収できるかわからずストレスを感じやすくなるため、毎日規則的に3食しっかり食事を摂るようにしましょう。
食事時間は、胃腸に負担がかかる起床後すぐや就寝直前は避けるために、朝食と昼食は起床の1時間後と就寝2時間前までに設定することをおすすめします。
また、昼食は学校や会社で決められている時間がない場合もできるだけ抜けずに同じ時間に摂るようにし、20分程度時間をかけゆっくり食べることでストレスの少ない食生活を心がけましょう。質の良い睡眠を心がける
睡眠の質の低下は髪の成長を妨げる大きな要因になりますので、以下の対策を実践してみましょう。
①起床時間を毎日同じ時間に設定し、休日は寝過ごすことなどがないように注意する。
②睡眠時間は4時間以上確保する。
③起床後は朝日を浴びて体の覚醒スイッチを入れ、入眠時は明かりを消し暗い状態にする。
④昼寝は15分程度にして、午後15時以降は眠らないようにする。
⑤食事や入浴とアルコールは入眠2時間以上前に済ませておく。まとめ|春の抜け毛にはストレス解消と頭皮ケアが重要!ひどい抜け毛はクリニックに相談しよう
春に起こりやすい抜け毛の原因にはストレスが関わっていることが多いため、ストレス対策が重要です。
ストレスの感じ方には個人差があるため、人知れず悩むことが多いかもしれません。
体を動かすことでストレス発散できる場合や、休息することが有効な場合もありますのでまずは自分に合ったストレス解消法を探すことが春の抜け毛予防の第一歩になります。
また、ストレス対策以外にもAGA治療など春の抜け毛対策にはいろいろな方法があります。
抜け毛が増えて不安だという方も多いかと思いますが、まずは医療機関を受診することが大切です。文中でも触れたとおり自己免疫疾患によって抜け毛が発生している可能性もありますし、AGAが隠れている可能性もあります。そのため抜け毛が増えた以外にも、頭皮が赤い、痒い、フケが増えた・・・など、何らかの異常を感じた場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。自己免疫疾患やAGAによるものであっても、ストレスによるものであっても、早期段階で受診し治療を行うことで、早い改善が見込めます。監修した医師の紹介
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
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