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抜け毛が起こる原因を解説!自然な抜け毛と危険な抜け毛の違いとは?
「抜け毛が起こるのはどうして?」
「薄毛になりやすい抜け毛のサインが知りたい」
「危険な抜け毛ってどういう状態?」
日常生活の中のブラッシング時や排水溝掃除の際など、自分の抜け毛を目にする機会は多く、髪は日々生え変わりを繰り返していることはみなさんご存知ではないでしょうか。
しかし、抜け毛の中には生え変わりを繰り返す自然な抜け毛のほかに、薄毛に進行するものがあり、危険のサインに気づかずに放っておくとどんどん抜け毛が進行し、最終的に髪が抜け落ちて生えてこないという状態になってしまうかもしれません。
今回は、抜け毛が起こる原因やメカニズムとともに、自然な抜け毛と危険な抜け毛の違いについてくわしく解説しますので、薄毛が気になる方は危険なサインを見逃さないよう是非参考にしてください。■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
抜け毛が起こるメカニズムとは
毎日何気なく目にしている私たちの抜け毛ですが、抜け毛がどうして起こっているのかを正しく知っている、という方は意外に少ないのでしょうか。
ここでは、抜け毛が起こるメカニズムと原因について髪の生え変わりサイクルをもとに解説します。ヘアサイクルによる髪の生え変わり
人間の髪は、髪の元となる毛母細胞が毛乳頭細胞から成長指令とともに酸素や栄養を受け取って、細胞分裂を繰り返して一定期間成長し、別の新しい髪が生えてくることで成長の終わった髪が押し出され抜け落ちますが、この髪の生え変わりシステムをヘアサイクル(毛周期)と呼んでいます。
成人男性のヘアサイクルは1周期がおおよそ3〜5年と言われており、「成長期」「退行期」「休止期」の3つの周期に分類されており、それぞれの時期に以下のような特徴があります。
・成長期:毛母細胞が細胞分裂を繰り返し、髪が太く長く頭皮の外へ成長するのが「成長期」で、個人差はありますが2〜6年と最も長い期間で、ヘアサイクルの80〜90%を占めています。
・退行期:活発に細胞分裂していた毛母細胞の活動が低下し、細胞分裂のスピードが緩やかになります。
シャンプーやブラッシングなどの刺激で抜けやすく、約2〜3週間続きヘアサイクルの1%程度を占める期間です。
・休止期:毛母細胞の活動が完全に止まり、新しい髪が生えて古い髪が抜け落ちるのを待つ期間です。
休止期の間は髪を目で確認することはできず、約3ヶ月続いたあと再び成長期に移行しますが、休止期はヘアサイクル全体の10〜20%を占めています。抜け毛の原因
・脱毛因子の増加
髪が抜けるきっかけは「脱毛因子」の増加によるもので、脱毛因子にはヘアサイクルの成長期を退行期へ移行させるスイッチの役割があり、「TGF-β」と「FGF-5」という2種類のタンパク質の一種が関わっています。
FGF-5は、TGF-βの伝達により毛乳頭細胞に髪の毛の成長をストップさせる指令を出すはたらきがあり、脱毛因子が増えることで成長期が中断され、退行期から休止期へ移行します。
・加齢
正常なヘアサイクルのためには、毛乳頭細胞をはじめとする発毛に関する細胞が活発に活動することが大切です。
しかし、加齢により新陳代謝が落ちてくると血行が悪くなったり皮膚のターンオーバーが遅れることから、休止期から成長期へ移行する際に必要な血液や酸素を毛乳頭細胞に充分届けられなくなり、ヘアサイクルの乱れが起こり抜け毛が増えやすくなります。
・頭皮環境の悪化
頭皮の水分不足や汚れやフケが溜まりやすくなるなど、頭皮環境が悪化すると炎症などの頭皮トラブルをまねき、髪の成長を妨げたり髪を維持しにくくなることから、抜け毛が増える原因のひとつとなります。
・過度なストレス
過度なストレスは自律神経のバランスを乱し、不眠や睡眠の質の低下による成長ホルモンの分泌低下や頭皮の血行不良をまねく可能性があります。
血行不良は細胞の活動を低下させるため、抜け毛につながる原因になると考えられます。正常な抜け毛の特徴とは
ヘアサイクルの繰り返しの中では毎日抜け毛が見られますので、抜け毛があること自体は問題ありません。
正常なヘアサイクルが保たれていれば、薄毛になりにくいと考えられあまり心配する必要はないでしょう。
ここでは自然な抜け毛の特徴を3つ挙げますので、自分の抜け毛が正常かチェックしてみましょう。抜け毛の量が一定
成人男性の髪の全体量は、少ない人では8万本程度で、多い人では12万本程度の平均10万本程度です。
正常な抜け毛量は1日あたり100本程度で、髪の総量の0.1%程度のため正常の抜け毛量であれば薄毛になることはまずないと考えていいでしょう。
しかし、1日の抜け毛を全て集めて数えることはなかなか難しいため、シャンプー中のチェックがおすすめです。
浴室の排水溝に抜け毛を集めるためのネットなどを置き、シャンプー後に抜けた髪を数えてみましょう。
シャンプー時の抜け毛は1日の抜け毛の約60%に当たることがわかっていますので、1回のシャンプーの抜け毛の本数が60本程度であれば正常な抜け毛ですので、1週間に1回など定期的に数えて抜け毛の量が一定であれば、正常な抜け毛だと考えられます。抜け毛が太く長い
日本人男性の髪は1日平均0.3〜0.4mm伸びるため、正常なヘアサイクルを終えた髪は単純計算で20cm程度から1M以上伸びる可能性があるります。
定期的にヘアカットしている場合、抜け毛がそこまで長くなることはありませんが、正常な抜け毛は成長期にしっかり細胞分裂を繰り返しているため長く伸びている、という特徴があります。
また、髪は「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」の3層構造で構成されていますが、髪の太さはコルテックスのタンパク質や脂質と水分量に影響されますので、栄養や酸素を豊富に取り込んで成長した正常な抜け毛は太いため、正常な抜け毛は太く長いことがわかります。
抜け毛が見た目に太く長く、触ってハリやコシが感じられることが大切です。抜け毛の根本が白く丸い
髪の根本の毛母細胞や毛乳頭細胞が集まった部分は「毛球」と呼ばれ、正常なヘアサイクルを終えた毛球は、毛母細胞が成熟した状態で多く存在しているため丸く膨らみがあります。
また、毛母細胞はメラニン色素を取り込んで成長していくため、成長途中の毛球は黒く見えるという特徴がありますが、毛母細胞が寿命を迎え細胞分裂をストップすると、メラニン色素を取り込まなくなるため毛球部分が白く見えるのが特徴です。
そのため、根本部分が白く丸く膨らんでいる抜け毛は、ヘアサイクルを全うして寿命を迎えた正常で健康な抜け毛だと言えるでしょう。危険な抜け毛の特徴とは
正常な抜け毛に対し、薄毛に進行する可能性がある危険な抜け毛には見た目や量に特徴が見られます。
ここでは危険な抜け毛の3つの特徴について解説しますので、自分の抜け毛に当てはまる項目がないかチェックしてみましょう。抜け毛の量が異常に多い
正常な抜け毛は1日あたり100本程度ですが、1日150〜200本以上抜け毛が続く場合は注意が必要です。
枕につく抜け毛や排水溝の抜け毛がいつもより多いと感じ、毎日続く場合は薄毛に進行するAGA(男性型脱毛症)を発症している可能性がありますので、ほかの危険な抜け毛の兆候がないかをあわせてチェックしましょう。
また、抜け毛の量が異常に増える原因として、春や秋の季節の変わり目に「換毛期」という一時的に抜け毛が増える現象がみられることがあります。
換毛期には1日200本以上の抜け毛が見られることがありますが、2ヶ月程度で治まり髪の本数が戻るという特徴がありますので、抜け毛の増加に気づいたのが春や秋の場合は、時間の経過で抜け毛が減ってくるか経過をみても良いでしょう。抜け毛が細く短い
ヘアサイクルの成長期では、毛母細胞が細胞分裂を繰り返し髪が太く長く伸びていきます。
しかし、なんらかの理由で成長期が短縮されると、髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまうため抜け毛が細く短くなります。
そのため、細く短い抜け毛が増えたと気づいた場合には、ヘアサイクルの乱れが起こっている可能性がありますのですぐに対策して薄毛の進行を防ぎましょう。
ヘアサイクルの乱れの原因を知り、治療するためにはAGA専門クリニックの受診がおすすめですので、オンライン診療で気軽に相談できるクリニックを選びましょう。抜け毛の先端が細く尖っている
正常な抜け毛は産毛の状態から太く長く成長しているため、先端はゆるやかに丸いという特徴があります。
そのため抜け毛の先端が先細りしていたり尖っている場合は、なんらかの異常で髪がうまく成長できなかった可能性があり、異常の原因としては、栄養不足や頭皮環境の悪化による毛穴の炎症や変形などの生活習慣によるものが考えられます。
先細りしている髪は不健康な状態になっているため、頭皮内にとどまる力が弱くなりブラッシングなどのちょっとした刺激で抜けやすくなるため、髪のボリュームダウンや抜け毛の増加を感じるでしょう。危険な抜け毛の原因とは
本来抜けるはずのない髪が抜け続けると、次第に薄毛に進行する可能性があります。
薄毛に進行する危険な抜け毛には、ヘアサイクルの乱れなどさまざまな原因が考えられますので、ここで代表的な3つの原因についてくわしく解説します。AGA(男性型脱毛症)
男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンが原因となり、抜け毛の指令を出す脱毛因子が産生されることで成長途中の髪が抜け落ちる脱毛症で、成人男性の3人に1人に発症することがわかっています。
AGAの発症には遺伝が大きく影響しているため、家系にAGAを発症している男性がいることで発症確率が上がり、特に母方の男性がAGAを発症していると脱毛因子を産生するアンドロゲンレセプターの感受性が高さが遺伝するため、AGAを発症しやすくなります。脱毛症
脱毛症にはいくつかの種類があり、いずれも抜け毛の原因になり薄毛に進行するケースがあるため早めの発見と皮膚科など医療機関での治療が必要です。
・円形脱毛症:頭部に1箇所から数箇所、境界がはっきりした円形や楕円形の脱毛斑ができる脱毛症で、原因は不明ですが体に備わっている免疫が攻撃対象を誤認して毛包という髪を作る組織を壊すことで、髪が成長できなくなり抜け落ちる自己免疫疾患であるという説が有力です。
・牽引性脱毛症:常に髪をキツく縛っていたり、同じ分け目にしているなど髪が牽引される状態が原因で負荷がかかり、髪が頭皮内に留まれずに抜け落ちていく脱毛症です。
長年同じ分け目であったり、きつく縛ったり髪を逆立てて固定するヘアスタイルを続けることでなりやすいと言われているため、引っ張ることをやめれば回復するケースが多く、ヘアスタイルの変更が大切です。
・脂漏性脱毛症:マラセチア菌という皮膚の常在菌の異常繁殖による脂漏性皮膚炎が原因で、頭皮に慢性的な炎症が起こり頭皮環境が悪化し髪が抜けやすくなる脱毛症です。
・粃糠性脱毛症:細かい乾燥したフケが多量に発生することにより、毛穴の詰まりや細菌の繁殖を起こすことで頭皮環境が悪化して発症する脱毛症です。頭皮環境の悪化
脂漏性皮膚炎など頭皮の炎症だけではなく、間違ったシャンプーなどのヘアケアによる頭皮ダメージからの乾燥など、頭皮環境の悪化は抜け毛を進行させる原因になります。
頭皮環境の悪化は強い紫外線を浴びることや、合わないシャンプーや整髪料などの刺激によって引き起こされることが多いため、日常生活の中で対策する必要があります。
毎日のUVケアや、低刺激や無添加のシャンプーを使用するなどの対策や、ぬるめのお湯で頭皮だけを優しく洗い流すシャンプー方法を心がけましょう。まとめ
わたしたちが日々目に知る抜け毛は、髪の生え変わりにより生じる自然なもの以外に薄毛に進行する恐れのある危険なものがあります。
そのため、自分の抜け毛が正常なのか危険なのかをチェックして、危険な兆候が見られた場合なるべく早く対策することが重要です。
AGA薄毛予防治療クリニックでは、オンライン診療を充実させてみなさんの抜け毛の不安の相談に寄り添うよう努めておりますので、どうぞお気軽にお問合せください。関連する記事
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