髪の毛が大量に抜けるのはなぜ？　異常な抜け毛と正常な抜け毛の見分け方とは？

突然髪の毛が大量に抜けたら、誰だって困惑しますし、「もしかしたらこのまま薄毛になってしまうのでは」といった不安も感じますよね。髪の毛は理由もなくただ抜ける、ということはありません。なにかしらの要因があって抜け毛が増えてしまうのです。ここでは、そんな髪の毛が大量に抜けてしまう原因について、詳しく解説をしていきます。

抜け毛が発生する原因として考えられるのが、頭皮トラブルです。頭皮トラブルは、AGAや脂漏性脱毛症などの病気や皮膚炎が原因になっている場合もあれば、シャンプーなどのケア剤が合っていなかったり、アレルギーなどで頭皮トラブルが発生し抜け毛につながっている場合もあります。そのため、自分で原因がなにか気付いていない方が多く、頭皮トラブルが発生していてもまさか抜け毛につながるとは思わず放置している方もいます。しかし、頭皮トラブルが慢性的に発生するようになると、髪の毛の成長に欠かせない毛母細胞がダメージを受けてしまったり、髪の毛のヘアサイクルが乱れて、抜け毛が増加することがあります。

頭皮トラブルの原因になることも多いのが、AGAなどの抜け毛を伴う病気です。放置することで頭皮トラブルを悪化させてしまったり、抜け毛が増えてしまうことがあります。特にAGAは男性に発生する脱毛症で、成人男性では3人に1人が発症しているとも言われています。AGAやその他の病気が原因で発生している抜け毛は、治療をしないと症状が進んでしまうことも多いです。AGAの場合は、発症している方の8割以上の方は遺伝とも言われており、防ぐことが難しい部分でもあります。AGAは進行型のため、抜け毛が増加している方や止まらないという方は注意が必要です。

抜け毛はストレスなどの心理的負担により、発生することがあります。正確な原因は不明ですが、ストレスを感じた際に発生するストレスホルモンや、ストレスによる負担により自分の細胞を攻撃してしまうといったことが原因ではないかと言われています。また、ストレスによる心理的負担の影響で、円形脱毛症や自分で髪の毛を抜いてしまう抜毛症を発症することもあります。生活の変化などでストレスを感じやすい春の時期は、特に心理的負担が原因で抜け毛が増加する方が多いため、生活環境が大きく変わった方やストレスを感じている方は注意が必要です。

抜け毛にはさまざまな原因がありますが、抜けても問題のない抜け毛というものが存在します。気になる方は医療機関でフォローを受けることもできますが、基本的には心配する必要がない抜け毛ですので、心配し過ぎなくても大丈夫です。では、問題のない抜け毛とはどのような抜け毛を指すのでしょうか？

髪の毛には寿命があり、「成長期」「退行期」「休止期」の3つのヘアサイクルを経て抜けていきます。実際に髪の毛が寿命で抜けるタイミングは退行期で、休止期の間に次の髪の毛が生える準備をしているのです。寿命を終えて抜ける自然な抜け毛は、1日のなかで100本程度と言われており、この数値の前後の本数であれば自然で問題のない抜け毛と言えます。「1日にどれだけ抜けてるか分からない」という方も多いかと思いますが、枕に数本程度やブラッシングやシャンプーの際に数本程度抜けているくらいが目安で、その他掃除のときに抜け毛に気付く程度が自然な抜け毛の本数です。日常生活で抜け毛を見る機会が多い方は、通常の抜け毛よりも本数が多く、何らかのトラブルが発生している可能性はあります。

冒頭でも触れたように、特に季節の変わり目には抜け毛が増加する方が多いです。これは季節によって原因はさまざまですが、季節の変わり目に一次的に増える程度の抜け毛は、基本的には問題がないとされています。ただし春の今の時期は、花粉のアレルギーによって頭皮トラブルが発生し抜け毛が増えている可能性もあるため、毎年春に抜け毛が増えるという方は念のため医療機関を受診してみてもいいかもしれません。

問題のない抜け毛には当てはまらない、抜け毛が季節関係なく増えている、という方は何らかのトラブルが発生して抜け毛が増えている可能性があり、そうした抜け毛を異常な抜け毛と言います。では、異常な抜け毛とはどのような状態の抜け毛をいうのでしょうか。ここでは、正常な抜け毛と比べた場合の異常な抜け毛の特徴と見分け方について解説をしていきます。

異常な抜け毛の場合は、毛根部分が尖っていたり、いびつな形状をしていることがあります。毛根部分がやせ細り、縮れているような状態になっていることもあります。

異常な抜け毛の場合、抜け毛の毛根部分が黒ずんでいることがあります。根本が黒色でも気にしていなかった、もしくは異常であるということに気付いていなかった、という方はとても多いです。見落としがちな部分ですので、抜け毛を見つけたらチェックしてみてくださいね。

抜けた髪の毛が全体的にべたついている場合も注意が必要です。べたつきの原因は、頭皮の毛穴から皮脂が多く分泌されることによる皮脂過多で、抜け毛にまで皮脂が付いている状態です。べたついている抜け毛は、全体に白っぽくなっていることもあります。

ご自身の髪形に対して、抜けている髪の毛が短い場合は、寿命を迎えずに抜けてしまっている可能性が高いです。短い抜け毛は、健康状態が悪くやせ細っていたり、縮れていることもあります。毛根部分がないこともあるため、抜け毛をよく観察してみてください。

ここまでで、異常な抜け毛の特徴や見分け方について解説してきました。では、問題のない抜け毛の場合は、抜け毛はどのような状態なのでしょうか。抜け毛のセルフチェックを正しく行うためにも、本来あるべき抜け毛の状態を知っておくことは大切です。そこでここでは、正常な抜け毛の特徴と見分け方について解説していきます。

正常な抜け毛の場合は、毛根部分が球体であることが多いです。よくマッチ棒の先端に例えられることの多い毛根部分ですが、マッチ棒のような円形をしていれば正常な状態の抜け毛と言えます。

正常な抜け毛の場合は、毛根部分が白っぽくなっています。丁度マッチ棒の先端あたりが、該当箇所になります。髪の毛の黒色（アジア人の平均的な色の場合）から徐々に白っぽくなっており、半透明の白さと表現する方もいます。白色に近い状態の色であれば、基本的には問題はなく、正常な抜け毛の形状と言えます。

正常な抜け毛は、抜けた後もハリやコシを維持しています。毛根部分を手に取って髪の毛が水平になるように持ち上げてみると、ハリやコシがある髪の毛は水平に近い状態で維持しています。このような状態の髪の毛は、非常に健康状態がよく、正常な抜け毛であると言えます。ただし髪の毛のハリ・コシは、遺伝によって細い髪の方は分かりにくいこともあるため、元々の髪の形状や特徴を考慮する必要もあります。

ご自身の髪形に対して、抜けた髪の毛も生えている髪の毛と同じ長さで、しっかりとした長さがあれば正常な抜け毛と言えます。髪の毛がきちんと伸び切って寿命を迎えて抜けているため、長い髪の毛が落ちているとビックリしてしまうかもしれませんが、基本的には正常な抜け毛と言えます。

ご自身の抜け毛をチェックした時に、異常な抜け毛の特徴に当てはまる方や、最近大量の抜け毛があるという方は、そのまま放置するのは危険です。きちんとした対処法が必要となります。最後に、異常な抜け毛や大量な抜け毛に気付いた時に行うべき対処法について、解説をして終わります。

まずは医療機関を受診することが大切です。ご自身で病気を判断するのは非常に難しいですが、異常な抜け毛や大量な抜け毛は、病気が隠れていることも多いです。一般的な医療機関であれば、内科や皮膚科を受診しましょう。季節性の抜け毛などにも対応してもらえますし、春だけ抜け毛が発生している方は花粉などのアレルギーも懸念されますので、一度アレルギー検査を行ってみてもいいかもしれませんね。その他、AGA専門クリニックなどでも抜け毛の増加を相談することができます。「AGAじゃないかもしれない」と思われている方でも、受診すること自体は全く問題ありませんので、一度AGAかどうかの確認をしてもらうと安心です。

「最近シャンプーを変えた」「ヘアカラーを頻繁にするようになった」など、抜け毛につながる可能性のある原因が思い当たる方は、できる限りでその原因を取り除くことが大切です。シャンプーなどのケア剤であれば、元々使っていたものに一度戻して様子を見たり、ヘアカラーなどのダメージが懸念される方は少しの間控えるなどの対応を行いましょう。

髪の毛を強い力でブラッシングしたり、強い力でヘアセットを行うなどの行動は、更なる抜け毛につながる可能性があります。AGAなどの病気が原因の場合は、根本的な治療を行わないといけないものの、私生活の影響で抜け毛を増加させてしまうこともあるため注意しましょう。また食生活なども、高カロリー高脂質などの生活により頭皮トラブルを引き起こす可能性があるため、食生活が乱れている自覚がある方は少し気を付けてみるといいかもしれませんね。ストレスによる抜け毛の可能性がある方は、ストレスの原因を避けることができない場合などは、ストレス発散のためリラックスできる時間を一日の中で作る、などの工夫も必要です。