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髪の毛の基礎知識・髪の毛の本数や役割などを解説
薄毛が気になりだすと抜け毛のことや薄毛の原因が気になってしまいますが、そもそも髪の毛にはどんな役割があるのか知っていますか?健康的でボリュームのある髪の毛になるために、まずは髪の毛に関する理解を深めていきましょう。
このページでは髪の毛に関する基本的な知識として、髪の本数や寿命・役割などについて詳しく解説します。髪の毛に関する基礎的な知識を身に付けて、ヘアケアや薄毛予防に活かしてください。
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
髪の毛の本数
成人の毛髪は平均10万本程度です。人間の身体には約500万本の体毛があり、目に見える部分の毛は150万本~200万本とされています。髪の毛はその一部だということです。
一つの毛穴から約2~3本の髪の毛が生えていて、健康な状態の人は1平方センチメートルに150本ほどの密度で生えています。太さは平均的に1μm(マイクロメートル=1000分の1ミリ)で、日本人は欧米人より髪が太い傾向があります。
髪の毛の寿命
髪の寿命は通常3~5年です。女性の場合は4~6年と言われています。1カ月に約1cmずつ伸び、寿命が来ると自然に抜け、残った毛包から新しい髪の毛が生えるという現象が繰り返されます。伸びる・抜ける・生えるのサイクルはヘアサイクルと呼ばれています。
髪の毛は毛包(もうほう)という部位で作られます。毛包はヘアサイクルに応じて「成長期」「退行期」「休止期」を繰り返して、常に3つの状態のどれかを維持しています。「成長期」では髪の毛が伸びる時期で通常2年~6年程度続きます。「退行期」になると毛包が2週間かけて縮んでいき、退縮しきると「休止期」になり髪が抜けます。「休止期」は3~4カ月続き、この間は髪の毛が生えません。再度髪の毛が生え、「成長期」を迎えてヘアサイクルが繰り返されます。通常は毛髪全体の85%~90%は「成長期」、1%が退行期、10~15%が休止期であるといわれています。
AGAになると毛包の周期のうち「成長期」が短くなり、数カ月~1年で髪が抜ける「退行期」になる状態が続きます。髪が成長しきる前に抜けてしまい、抜け毛が増え、薄毛が進行するというメカニズムです。
髪の毛の構造
髪の毛は3層の異なる成分で構成されています。髪の毛を形成する物質は、外側から「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」です。
キューティクルは髪の外側で毛髪を保護する役割があります。毛髪の10~15%を占めていて、物理的刺激や化学的刺激から髪を保護しています。キューティクルは髪のツヤ・手触り・硬さに影響し、滑らかでコシのある髪の毛にはキューティクルが不可欠です。
コルテックスは髪の85~90%を占める成分で、髪の強さ・色・透明感・ツヤに影響する成分です。水分を保持し、髪の内部を組織する重要な役割を果たします。
どの組織も主成分はたんぱく質です。健康的な髪の毛を作るのに有効な栄養素なので普段の食事の中で意識して摂取するようにしましょう。
髪の毛の役割
髪の毛は視覚的な印象を与える以外に、主に頭を守る役割があります。
【髪の毛の役割】
・衝撃から頭を守る
・紫外線から頭を守る
・暑さや寒さから身体を守る
・有害物を排出するそれぞれの役割について詳しく見ていきましょう。
衝撃から頭を守る役割
髪には物理的な衝撃から頭を守るクッションのような役割があります。一本一本は細いですが、髪の中には空気が含まれているのである程度の量が集まると衝撃を吸収して脳を守ってくれます。
紫外線から頭を守る役割
髪は物理的な衝撃だけでなく、目に見えない紫外線から頭を守る役割を担っています。紫外線が当たり続けると細胞を老化させたり、火傷のような症状を引き起こしたりする恐れがあり、有害な物質から頭を守るのも髪の大事な役割の一つです。髪自体にも紫外線のダメージは悪い影響があるので、帽子をかぶったり日焼け止めを使ったりして紫外線対策を行うと良いです。
暑さや寒さから身体を守る役割
髪の毛は脳や身体を極端な暑さや寒さから守ってくれます。温度変化によって身体の機能が低下するのを防いでくれるというというわけです。衣服のようにさまざまな役割があることがわかります。
有害物質を排出する役割
髪の毛の特徴的な役割の一つが体内の老廃物や有害物質を排出してくれることです。人間の体内には生活中に無意識に取り込んでしまった有害な物質が溜まってしまっています。たとえば、食品から摂取する合成着色料・防腐剤などの添加物や空気中の排気ガスなどの物質などは知らず知らずのうちにわたしたちの身体に蓄積されています。
髪の毛には有害な物質を毛髪の内部に溜め、体外に排出する機能があります。この機能は体毛や汗にもあり、体内の健康状態を保つのに役立っています。
髪の毛にダメージを与える原因TOP5
上に紹介したようなさまざまな役割を担う髪の毛ですが、日常のあらゆる場面でダメージを受けています。髪のダメージを最小限に抑え、いつまでも健康な髪の状態を保てるようダメージ軽減の参考にしてください。髪のダメージの原因TOP5を紹介します。
【髪の毛にダメージを与える原因】
・ヘアカラー・ブリーチ・パーマ
・紫外線
・熱
・摩擦
・カットそれぞれの原因や対策を紹介していきます。
ヘアカラー・ブリーチ・パーマ
ヘアカラーやブリーチやパーマで使用する薬剤は髪の毛にダメージを与えることがあります。薬剤の成分で髪の表面のキューティクルが開いてはがれやすくなり、髪の毛の栄養分が流出してしまうからです。
ヘアカラーやブリーチ、パーマをしないのが一番の対策ですが、頻度を減らしたり、髪に優しい成分の薬剤が使われている施術を選んだりするのも有効です。髪の毛全体を染めるのではなく、根元だけ染めたり、必要な部分だけに施術を行うなどして髪の負担を減らしていきましょう。
紫外線
“紫外線は髪や頭皮に大きなダメージを与える原因の一つです。紫外線によって髪が受けるダメージには主に次のような項目があげられます。
【紫外線が髪に与えるダメージ】
・頭皮が老化する=光老化
・フケやかゆみを引き起こす=乾燥
・髪のハリツヤがダウンする=脱色・キューティクルの損傷紫外線を浴びると、細胞が老化してしまったり、日焼けによって肌が火傷した状態になることで乾燥してフケやかゆみが生じたりします。髪がパサパサになったり、色が落ちてしまったりと髪にとってのダメージが大きいです。
紫外線によるダメージは紫外線対策やアフターケアによって最小限に抑えることが大切です。有効な日焼け対策は次の通りです。
【今すぐ取り入れたい紫外線対策】
・帽子
・日焼け止めスプレー
・分け目を変える【紫外線を浴びてしまった後に行いたいアフターケア】
・頭皮を冷やす
・優しく髪を洗う
・頭皮を保湿する日焼けをした頭皮はデリケートな状態になっているので、まずは冷やして熱感を取っていきましょう。シャンプーの際は刺激を与えないように優しく髪を洗うことがポイントです。アミノ酸系の刺激の少ないシャンプーを使って、指の腹であまり力をいれずに髪を洗ってください。また、日焼けで乾燥した頭皮は保湿することでダメージを軽減することができます。頭皮用の化粧水や女性用の育毛剤には保湿成分が含まれているので、指の腹やコットンでマッサージしながら保湿すると良いです。
アフターケアをしても頭皮がヒリヒリする・違和感を感じるようであれば、肌の奥深くまでダメージを受けている可能性があります。悪化する前に診察を受けるようにしましょう。
熱
ドライヤーで髪を乾かす際の熱も髪にとってのダメージの一つです。髪が熱に弱いのは、髪の主成分がたんぱく質だからです。たんぱく質は熱を受けることによって形が変わったり水分が蒸発してもろくなるという性質があります。
ドライヤーのほかにも、アイロンやホットカーラーの熱も髪にとって良くないので注意が必要です。ドライヤーは髪の一部分に熱が集中しすぎないように、常にドライヤーの通気口を振るようにして熱を分散させて乾かすようにしましょう。髪がある程度乾いたら冷風をあてて、熱が上がりすぎない様にすることも有効です。
摩擦
髪と髪がこすれ合ったり、髪とタオル・ブラシなどがこすれ合ったりする摩擦によっても髪はダメージを受けます。必要以上に強い力で髪をタオルでゴシゴシ拭いたり、過度にブラッシングしたりすることは髪にとって逆効果です。シャンプー時に泡立てずに洗うことも髪のダメージを引き起こします。
優しい力で拭き取るように髪を拭く、しっかり泡立てて洗う、摩擦が少ない絹の枕カバーを使用するなどは髪の摩擦を防ぐ有効な方法です。ぜひ取り入れてみてください。
カット
髪の毛を自分でカットすることがダメージにつながることがあります。専用のはさみを使用しないで髪を切ると、切り口から髪の組織であるコルテックス内の水分が蒸発して枝毛になりやすくなります。髪をセルフカットする際は切れ味の良い専用のはさみで切るのがおすすめです。
薄毛治療の方法とは?
いくら髪の毛に気を付けていても遺伝などが原因で薄毛になってしまう人は少なくありません。薄毛が気になる、という場合は医療機関に相談するのが最も効率よい対策方法です。今回は日本人の3分の1が発症するといわれるAGAについて医療機関でどんな治療が行われるのかまとめました。
▶内服薬
AGAの治療で最も一般的なのが内服薬による治療です。AGAの治療薬は以下のようなものがあります。・プロペシア
・ザガーロ
・フィナステリド
・デュタステリドどの薬も、薄毛を引き起こす原因の男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制する効果があり、日本国内で販売が承認されている薬です。クリニックの治療では、体質やAGAの原因に合わせて薬が処方され、一定期間飲み続けて薄毛の改善を目指します。
上で紹介した4つの治療薬や医薬品なので入手するためには医療機関での処方箋が必要です。インターネット上で通信販売や個人輸入でAGAの治療薬を購入できる場合もありますが、悪質な業者が偽物の薬を販売しているケースや副作用で健康被害が出るケースもあり、あまりおすすめできません。医療機関以外で入手する場合はすべて自己責任になります。医療機関を通して薬を手に入れ、安全に治療を進めるようにしましょう。
費用の相場:3,000円~15,000円/月
内服薬の治療がおすすめな人
・薬の副作用が起きる恐れがない人(女性は不可・持病がある方は要相談)
・AGAを根本から治療したい人
・オンラインで治療を完結させたい人
・安価で治療を進めたい人▶外用薬
AGA治療では内容薬と併せて外用薬が処方されることもあります。日本の国内で承認されている外用薬は以下の薬品です。・ミノキシジル
ミノキシジルは、頭皮に直接塗って使用し、発毛に必要な毛母細胞が刺激して発毛が促進する効果があります。頭頂部やおでこの生え際など、薄毛が気になる部分に塗って使用します。内服薬の薄毛を引き起こす男性ホルモンをブロックする=薄毛の進行を止める効果に対し、外用薬は発毛に必要な細胞を活性化させる=発毛を促す効果があります。それぞれ作用が異なるので併用が可能です。
ミノキシジルは市販でも購入できます。ただし、ミノキシジルの濃度が高いものは医療機関で医師の診断を受けて処方してもらう必要があります。医療機関では患者の状態に合わせて適切な濃度のミノキシジルを処方しています。ミノキシジルには副作用があり皮膚のトラブルが起きることもあるので、自己判断で含有量の多いミノキシジルを判断することは避けてください。
費用の相場:10,000円~15,000円/月
外用薬の治療がおすすめな人
・内服薬と併せてより治療の効果を感じたい人
・薬の副作用が起きる恐れがない人
・AGAを根本から治療したい人▶注入療法
AGAの注入療法は、頭部の薄毛が気になる部分に注射器などで薬剤を注入または噴霧して発毛の促進を目指す治療方法です。注入療法は基本的に投薬治療のサポートとして行われることが多く、治療が受けられるクリニックも限られています。注入治療は、使用する薬剤や注入方法によって「メソセラピー」や「HARG治療」などに分けられます。注入療法のメリットは、①注入時の刺激で頭皮の血行が促進される、②発毛に必要な栄養素を直接頭皮に浸透させられるのでロスが少ない、③男女問わずに治療が行えることです。デメリットは、①針を使った治療は痛みを伴う、②実際にクリニックを訪れる必要がある、③複数回治療を受ける必要がある、④注射当日はシャンプーができない、⑤投薬に比べると高額な点です。
治療方法や金額や回数はクリニックによって異なります。ある程度の時間がかかり、また費用も高額になる場合があるので、信頼できるクリニックでしっかりカウンセリングを受けて治療をスタートさせましょう。
費用の相場:20,000円~60,000円
注入療法がおすすめの人
・投薬治療の効果を高めたい人
・より短期間で効果を実感したい人▶LED治療
LED治療は高輝度のLEDライトを毛乳頭細胞に照射して頭皮の血流を促し、毛母細胞の発達を促す治療方法です。副作用が少なく、持病や体質で投薬治療が受けられない人でも安心して受けられる治療とされています。痛みが少なく、身体への負担もありません。内服薬や外服薬の治療と併せることで相乗効果が期待できます。LED治療はクリニックで施術が受けられることはもちろん、専用の機器を購入すれば自宅でも照射ができます。費用の相場:5,000円~10,000円
LED治療がおすすめの人
・投薬治療の効果を高めたい人
・より短期間で効果を実感したい人
・持病や体質が原因で投薬治療が受けられない人まとめ
この記事では髪の本数・構造・寿命などの基礎知識について紹介しました。身体や脳を守る大切な髪の毛についてしっかり理解していただけましたでしょうか?いくら気を付けていても、抜け毛が増えてしまったり知らず知らずのうちに薄毛が進行してしまったり髪の悩みがある方は、まずは医療機関に相談してみましょう。原因が分かれば治療や対策がグッと進めやすくなります。近くに良い病院がない人はオンラインの治療を受けてみるなど、まずは一歩踏み出してみてください。
監修した医師の紹介
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
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