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【医師監修】髪の毛のキホン-毛髪は何からできている?
2022.02.18
【髪の毛って何からできている?】髪の毛を増やしたい&生やしたい方必見!!
「髪の毛って何からできているの?」ふとこんな疑問を持ったことはありませんか? 髪の毛は主にタンパク質から構成されていますが、いったいどんな仕組みでどんな構造なのか、どうやって生えてくるのか。意識の中で髪の毛を生やすという感覚はないため、その過程を不思議に思うこともあるかもしれません。またそんな髪の毛の抜け毛や薄毛が気になる男性にとって、今よりももっと髪の毛を健康に増やしたい、生やしたいと思うのは当然のことです。今回はそんな疑問をもつ抜け毛・薄毛に悩む方に向けて、髪の毛の構造から髪の毛を健康的に増やす方法についてご紹介していこうと思います。
■著者■ AGA薄毛予防治療クリニック医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。
髪の毛はどこで作られているの?
毛髪は、毛根の下にある毛球というところから生えていきます。毛球は、毛乳頭を包み込んだような形をしており、この毛乳頭が毛細血管から毛髪の原料となるアミノ酸やビタミン、ミネラルなどの髪の毛を作り出すために必要な栄養を受け取ります。そして、毛乳頭は毛細血管から受け取った栄養を毛母細胞に運びます。この栄養を受け取った毛母細胞は、角化移行部にて分裂を繰り返して数を増やしていきます。こうして生み出さた髪の毛の細胞は積み重なって押し上げられ、髪の毛にに変化し、髪が伸びていきます。この押し上げられた部分が、私たちが普段目にする髪の毛となります。
髪の毛の構造について
髪の毛の構造は大きく分けると3つの部分からなり、外側から中心に向かって順にキューティクル(毛小皮)、コルテックス(毛皮質)、メデュラ(毛髄質)となっております。
髪の毛の構造:①キューティクル
ウロコ状の硬い無色透明なものであり、根元から毛先に向かって重なり合う構造をしています。キューティクルは髪の毛を守ってくれる働きがあることを知っている方は多いですが、これはそのキューティクルがコルテックスを保護する役割があることの表現です。しかしカラーリングや間違ったヘアケア、紫外線などによりキューティクルの損傷が起きると、コルテックスの損傷を引き起こすことになります。この場合キューティクルは剥がれ落ち、髪の毛はいわゆる痛んだ状態になります。
髪の毛の構造:②コルテックス
毛髪の8割以上の大部分を占めている層のことです。コルテックスには毛髪の色を表すメラニン色素を含んでおり、薬剤の作用も受けやすいので、ヘアカラーやパーマなどはこの部分の特性も関係しています。
髪の毛の構造:③メデュラ
実はメデュラの機能はまだ正確には解明されていません。現在得ることのできる情報では、太い毛には量が多く、細い毛ほど少なくなり、全く無いものもあるということが分かっています。
髪の毛の成長に欠かせない、髪の毛のヘアサイクルとは?
毛根で作られた髪の毛は、生えてから抜けるまでの一連の流れを・ヘアサイクル(毛周期)を辿ります。ヘアサイクルは「成長期」「退行期」「休止期」の3つで構成されています。またヘアサイクルは無限ではなく、個人差はありますが生涯で15~20回という回数制限があります。
ヘアサイクルの仕組み①:「成長期」
成長期の中でも成長の過程でさらに「早期」「中期」「後期」の3つに分かれています。成長期の期間は約2~6年とヘアサイクルの中で一番長く、今生えている毛髪の約90%がこの成長期にあたる毛髪とされています。
早期…頭皮の中で成長した新しい毛髪が、古くなった髪の毛を押し上げる。
中期…毛髪が成長し、頭皮には薄い毛髪(産毛)となってあらわれる。
後期…太くしっかりとしたハリ・コシのある毛髪に成長する。
成長期が長いほど、毛髪は太く長く健康的に成長していきます。毛髪の1本1本に寿命がありますが、抜け毛が多く見られたり、細く短い毛髪が見られる場合にはこの成長期のヘアサイクルが乱れている可能性があります。こうした事態に陥ると次第に髪全体のボリュームが失われ、薄毛が気になるようになっていきます。
ヘアサイクルの仕組み②:「退行期」
数年をかけて成長期を終えると、後退期に入ります。栄養の供給が弱まり、活発に行われていた細胞分裂がゆるやかになり、やがて成長が完全に止まります。この期間は2~3週間ほどで、この時期を後退期といいます。ブラッシングすると抜ける毛髪を目にすると思いますが、基本的に抜けているのは後退期の毛髪です。後退期の毛髪は非常に抜けやすく、ブラッシングなどで簡単に抜けていきます。毛髪後退期は毛髪全体で1%を占めています。
ヘアサイクルの仕組み③:「休止期」
毛乳頭細胞の活動が休止し、髪の成長が完全に止まる期間を休止期といいます。再び新しい毛髪を作るための準備期間で、この時期は2~3ヵ月ほど続きます。休止期の毛髪は全体の10〜20%を占めていますが、再び成長期に入り新たな髪が伸びてくると同時に抜け落ちます。ヘアサイクルが乱れるとこの休止期が長くなってしまいます。さらには頭皮の血行不足や栄養不足により、休止期を終えても新しい毛髪が生えてこなくなるということが起きてしまいます。
髪の毛の成分について
髪の毛の成分はタンパク質、というのは広く知られていることですよね。しかしその内部は18種類ものアミノ酸で構成されています。18種類のアミノ酸は、シスチン、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン、セリン、スレオニン、アルパラギン酸、グリシン、バリン、アラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、チロシン、リジン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、ヒドロキシプリンです。とても多くのアミノ酸が関係しています。もしかすると初めて聞いたというアミノ酸もあるかもしれません。これらのアミノ酸が決まった順番で繋がることにより、髪の毛の成分であるタンパク質が形成されていきます。
またこの中でも髪の毛の成分の9割以上を占めている「ケラチン」という成分は、髪の毛にとって健康な状態を維持するために最も大切なアミノ酸のひとつと言えます。
ケラチンが不足すると起きること
髪の毛を構成するアミノ酸のうち、ケラチンはとても大切だとお伝えしましたが、そんなケラチンが不足するといったい髪の毛になにが起きるのでしょうか。ケラチン不足の髪の毛にどんな症状が起きるのか一緒に見ていきましょう。
ケラチン不足で起きること:①髪の毛のツヤがなくなる
ケラチンは、髪の毛にツヤ・ハリを出してくれる働きがあります。またケラチンには髪の毛の成長を手助けしてくれる作用があるのですが、ケラチンが不足するとその成長がスムーズに行われなくなってしまいます。「髪の毛が抜けやすい」「切れ毛が目につく」と言った方はケラチン不足も原因のひとつとして考えられます。
ケラチン不足で起きること:②髪が細くなる
髪の毛の細さは、人種による特徴や遺伝なども関係してきますが、ケラチン不足によって引き起こされることもあります。髪の毛の主成分であるケラチンが不足すると、髪の毛が弱ってきてしまい、結果的に細く抜けやすくなってしまいます。
ケラチン不足で起きること:③髪の毛にくせがでる
ケラチンが不足すると髪の毛がまとまりにくくなってしまったり、広がりやすくなってしまいます。これはダメージによってキューティクルが剥がれ落ち、髪の毛が水分を吸ってしまうことにより起きてしまいます。
抜け毛と薄毛は、なぜ起きてしまうのか?
抜け毛と薄毛の原因①:AGA(男性型脱毛症)
現在では成人男性の3人に1人が発症しているといわれるAGA(男性型脱毛症)ですが、遺伝的要因が8割であり進行型の男性特有の脱毛症です。主に40~50代の発症が多い病気ですが、近年では「若ハゲ」と呼ばれる10~30代の若年層の患者も見受けられます。このAGAは放っておくとヘアサイクルに深刻なダメージを及ぼします。AGAを引き起こすとされている男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)、テストテロンは男性の機能の維持や筋肉の量を増やしたり、筋肉を肥大させる作用などがあります。このテストテロンと呼ばれるものと5αリダクターゼ(5α還元酵素)と呼ばれるものが結びつき「ジヒドロテストロン(DHT)」と呼ばれる男性ホルモンに変換されます。このジヒドロテストロン(DHT)がホルモン受容体に取り込まれて、毛母細胞の働きを低下させ毛髪の成長サイクルが短くなり、結果ハリ・コシのある髪の毛が生えにくくなります。毛髪の成長期が短くなり・髪の毛が成長する前に抜けてしまう、これがAGAの原因となりヘアサイクルの乱れを引き起こします。
抜け毛と薄毛の原因②:生活習慣による栄養不足
偏った食生活などにより髪の毛に必要な栄養が不足し、髪の毛が抜け毛・薄毛になる可能性があります。普段の食生活で栄養バランスが偏ったジャンクフードなどを食べていると、必然的に髪の毛が栄養不足になっていってしまいます。また近年では、働き世代の睡眠不足やストレス過労などが増えたことにより、若い年代でのAGA患者も増えつつあります。AGAの発症は遺伝がほとんどとはいえ、様々な要因が重なり抜け毛・薄毛を加速させてしまう可能性があります。
抜け毛と薄毛の原因③:体質に合わないヘアケア用品の使用
良かれと思っていいヘアケア用品をしようしているのに、頭皮からふけやかゆみが出てしまう。なんてことはありませんか? これはヘアケアが自分に合っていないために起きてしまうことです。自分の体質に合うヘアケア用品を見つけることが大切です。今では試供品などで数日~1週間程度お試しできるものもあるので、「髪にいいから」という理由だけではなく「自分の体質に合うか」に焦点を当てヘアケア用品を選ぶようにしていきましょう。
髪の毛を増やす&生やすために必要な栄養素
髪の毛に必要な栄養素①:タンパク質
髪の毛の成長に欠かせないタンパク質ですが、髪の毛の90%ほどがケラチンというたんぱく質で構成されているということは既に知識として持っていただいているかと思います。このタンパク質には体内での使用順番があり、心臓や血管の修復が優先されます。そのためたんぱく質が不足すると髪の毛までタンパク質が供給されず、髪の毛が育ちにくくなってしまいます。髪の毛まで必要なタンパク質を届けるために、普段の食生活で積極的にタンパク質を摂取するようにしましょう。
髪の毛に必要な栄養素②:亜鉛
亜鉛は、食事により摂取したタンパク質をケラチン(髪の毛のタンパク質)に変換する手助けをしてくれます。そのため亜鉛が不足してしまうとせっかく摂取したタンパク質を効率的にケラチンに変換できず、髪の毛が細くなる原因になってしまいます。
髪の毛に必要な栄養素③:ビタミン
ビタミンは、毛母細胞の働きを活発にしてくれる効果があります。髪の毛は毛母細胞は細胞分裂を繰り返すことにより作られるため、その働きを手助けしてくれるビタミンは髪の毛の成長に欠かせません。ビタミンの中でも特にビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEを積極的に摂取するようにしましょう。ビタミンAは頭皮を健康に保ち丈夫な髪の毛を作ることに効果が期待できます。ビタミンB群はタンパク質の代謝を助けてくれ、抜け毛予防に効果が期待できます。ビタミンCは皮膚や血管を作るための材料になり、頭皮や血管を健康的に保ってくれる効果が期待できます。ビタミンEは抗酸作用があり、頭皮の老化を防ぐ効果が期待できます。
髪の毛に必要な栄養素④:Lシステイン
Lシステインは新陳代謝を手助けし、正常なターンオーバーを促す作用があります。また髪の乾燥なども予防してくれるため、こちらも併せて摂取したい栄養素といえます。
健康な髪の毛を保つために積極的に食べてほしいもの
食事は栄養バランスが大切となってきますが、ここでは特に髪にいい栄養素が多く含まれている食材をご紹介していきます。髪にいいからといって偏ってしまっては髪の毛以外の健康が損なわれてしまう可能性があります。「少し意識して取り入れてみる」という感覚で、無理しすぎず食事を楽しみながら栄養を摂取できることが一番好ましいです。また上手く栄養をとりきれないという方は、サプリメントなどで簡単に摂取できますので、ドラックストアなどで購入する事もできるので是非取り入れてみてくださいね。
積極的に食べてほしい食べ物①:卵
髪の成長に欠かせないタンパク質の他に、亜鉛やミネラルが含まれた完璧な食材です。必要な栄養素がバランスよく含まれているため、是非積極的に摂取していただきたい食べ物です。食べ方もゆで卵や他の食材と炒めたりなど豊富で、アレンジしやすい身近な食材です。
積極的に食べてほしい食べ物②:鶏肉
肉類は基本的にたんぱく質を含みますが、鶏肉はタンパク質を豊富に含んでいるだけでなく、部位によっては脂質が少ない鶏肉は食生活を心がける上でも摂取しやすい食材です。
積極的に食べてほしい食べ物③:牡蠣
亜鉛を多く含む食材で、ミネラル類も豊富です。またコレステロールを下げる効果のあるタウリンも含んでおり、生活習慣が気になる方にも嬉しい栄養素が含まれています。季節などにより入手が難しい時期もあり、通年で食するには難しいかもしれません。牛肉や豚肉などにも含まれているので、牡蠣が難しい場合は肉類で補うのがオススメです。
積極的に食べてほしい食べ物④:ナッツ類
ナッツ類には脂質が多く含まれていますが、良質な脂質とされ健康効果が期待できます。ナッツ類にはビタミン類や食物繊維が多く含まれており、抗酸化作用を期待できます。
積極的に食べてほしい食べ物⑤:緑黄色野菜
緑黄色野菜は、ビタミン類や鉄分ミネラル、食物繊維が多く含まれています。食材のアレンジ方法も様々で、毎日でも飽きずに摂取できる食べやすさ・調理しやすさがあります。
AGA治療はするべき?
ここまで髪の毛の仕組みや、健康な髪の毛を保つための摂取すべき栄養素などをご紹介してきましたが、実際に気になる抜け毛・薄毛がAGAによるものだった場合、放置してしまうとどんどん症状が悪化していってしまいます。残念ながらAGAは自然治癒や自己治療は難しい疾患です。最近抜け毛が増えてきた、おでこが広くなってきた、頭頂部の薄毛を指摘された、髪全体のハリ・コシが失われてきた、髪全体のボリュームが少なくヘアセットに時間がかかる…など、このような症状を自覚している方は、まずは医療機関である専門クリニックを受診することを考えましょう。医師からは食生活についてのアドバイスも得ることができますので、AGAの根本的な改善とともに私生活を見直す工夫をしていきましょう。
医師紹介
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり) 名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。 これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。 |