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【医師監修】若ハゲ・薄毛によるデメリットについて
2022.02.14
【AGAに年齢関係なし】若ハゲによるデメリットとは?治療や予防法はあるの?
「ハゲ」「薄毛」「抜け毛」という言葉を聞くと、真っ先に想像するのは40代~50代のお父さん世代に多い病気というイメージが浮かぶと思います。これは主にAGA(男性型脱毛症)と呼ばれる男性特有の病気で、日本では成人男性の3人に1人が疾患している身近な病気でもあります。そのためお父さん世代が薄毛について気にしているのをよく目にする、という方も多いのではないでしょうか。しかし近年では若年層のAGAも報告されており、20代~30代の間でも他人事ではなくなってきています。また早い方だと10代から発症してしまうなんてこともあるようです。こういった若年層でのAGA発症を「若ハゲ」なんて言ったりしていますよね。今回はそんな若ハゲについて、なぜ若い世代にもAGAが発症してしまうのか、その原因から治療法まで掘り下げて解説していこうと思います。
■著者■ AGA薄毛予防治療クリニック医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。
若ハゲはAGAの可能性大?!
日本皮膚科学会は、日本人のAGAについて「20代後半から30代にかけて著明となり、徐々に進行して40代以後に完成される」と報告をしています。また中には思春期(8~18歳)にAGAを発症するケースもあるとしており、若年層のAGAが存在するということが明確にされています。中にはストレスによる円形脱毛症(後程ご説明します)を若い方が発症していることも考えられますが、徐々に薄毛や抜け毛が進行している場合、ほとんどの割合でAGAです。そのため「最近抜け毛が増えてきて、だんだん髪全体のボリュームが減ってきている」「友人に後頭部を指摘された」「おでこが広くなっている気がする」と悩んでいる方は、まずはAGAを疑いましょう。なによりAGAは放置してしまうことにより症状が進んでしまう進行型であるため、「若いからそのうちまた生えてくるはず」といった考え方は間違っています。年齢にとらわれずAGAは早期発見・早期治療が治療成功の鍵です。症状に気付いた、指摘された段階で専門医院を受診するようにしましょう。
若ハゲのデメリットとは?
若ハゲのデメリット①:老けて見える
発症する年齢にもよりますが、薄毛により20代なのに30代に間違われてしまう…なんてこともよく聞く話です。毛髪の状況は、それだけで顔や雰囲気の印象を変えてしまいます。
若ハゲのデメリット②:お洒落を楽しめない
近年は男性美容も当たり前になりつつある世の中で、ヘアカラーやヘアスタイルを沢山楽しみたいと思っている男性の方も多いはずです。しかし毛髪が薄かったり、M字ハゲになってしまっていたりすると、ヘアカラーやヘアスタイルが思うように決まらないなんてこともあります。思うように髪型が決まらないと準備に時間がかかってしまったり、自信を失ってしまったりと、物理的にも精神的にも負担が大きくなってしまいます。
若ハゲのデメリット③:モテない
近年活発になりつつある婚活市場において一部の方は「外見はハゲてない人がいい」と条件を出す人もいます。とてもショッキングな内容ですが、実際はそうでなくとも清潔感がなく見られてしまうことが原因です。内面がどんなに素敵でも見た目で判断されてしまうのはとても辛いものです。
若ハゲのデメリット:行動制限がかかる
これは若いからという訳ではありませんが、薄毛をカラースプレーやスタイリング剤でカバーしている方にとって「汗をかくこと」「水にぬれる事」「強風」などは、ヘアスタイルが崩れる危険性があり、スポーツや旅行など出先でも気にかけなくてはならず心から楽しめないなんてこともあります。こういった精神的負担はできれば味わいたくないものです。
若ハゲってどうして起きるの?
若ハゲが起きる原因①:両親からの遺伝
「親が薄毛だったから自分も…」よくある会話ですがこれはもっともらしいAGAの原因となります。AGAは遺伝的要因が強く、薄毛の8割以上の原因はこの遺伝によるものであるとの報告があります。AGAはA(Androgen(男性ホルモン)+G(genetic(遺伝)+A(Alopecia(脱毛症)の略、上述のホルモン受容体が遺伝的に多いほど男性型脱毛症が発症しやすくなります。この遺伝は両親どちらからも引き継ぐ可能性があるもので、特に母親側の遺伝だと祖父・曾祖父の遺伝を引き継ぐ傾向が高くなります。「ハゲは隔世遺伝」と言われているのは、この母親側の祖父・曾祖父によるもので根拠のない言葉のように思えて実はしっかりとした理由があるのです。
若ハゲが起きる原因②:男性ホルモンによるもの
よく薄毛や抜け毛の原因が男性ホルモンかのように話にあがることが多いのですが、厳密には男性ホルモンが直接抜け毛や薄毛の原因ということではありません。男性ホルモンには睾丸(精巣)や副腎で合成・分泌されているといわれているテストテロンと呼ばれるものがあります。テストテロンは男性の機能の維持や筋肉の量を増やしたり・また筋肉を肥大させる作用などがあります。
このテストテロンと呼ばれるものと5αリダクターゼ(5α還元酵素)と呼ばれるものが結びつき「ジヒドロテストロン(DHT)」と呼ばれる男性ホルモンに変換されます。このジヒドロテストロン(DHT)がホルモン受容体に取り込まれて、毛母細胞の働きを低下させ毛髪の成長サイクルが短くなり、結果ハリ・コシのある髪の毛が生えにくくなります。毛髪の成長期が短くなり・髪の毛が成長する前に抜けてしまう、これがAGAの原因となります。
若ハゲが起きる原因③:ストレスによるもの
人間はストレスを感じるとそれに抵抗するように交感神経が活発化されます。交感神経は心臓や肺を平常時と比べ早く動かしたり、また体温調整をしたり自然にストレスに抵抗する準備をしていきます。強いストレスが長く続いた際にこの交感神経が正常に機能しなくなり頭部への血流が悪くなり栄養が行き届かなくなると脱毛症を引き起こします。
若ハゲが起きる原因④:偏った食事によるもの
毎日外食かコンビニ弁当、ファーストフードが大好きといった方々は要注意です。バランスの良い食事を摂るということはなかなか難しい方が多いと思いますが毎日の食生活が薄毛・抜け毛の原因になっている可能性があります。
若ハゲが起きる原因⑤:睡眠不足によるもの
毛髪の成長は一般的に夜間・就寝中の副交感神経が優位なときに分泌されます。成長ホルモンを分泌させるために副交感神経が最も活発になるとされる夜10時~深夜2時の時間帯にきちんとした睡眠、ノンレム睡眠と呼ばれる脳や肉体の疲労回復のために重要とされている深い眠りが必要になってきます。
AGAと似ている!円形脱毛症とは?
AGAと円形脱毛症は、毛髪に生じる疾患であることから似ていると思われがちですが、実は発症する原因がAGAとは違っています。ここでは円形脱毛症の発症原因について説明します。
①円形脱毛症とは?
円形脱毛症とは頭部に円形やまだら状の脱毛斑ができる脱毛症のことです。生まれ持ったものというよりも、後天的に発症する疾患として知られています。円形脱毛症による脱毛斑の大きさは一般的に10円玉ほどの大きさが想像されますが、症状が進むと500円玉ほどの脱毛斑が生じる事もあります。また円形脱毛症は、円形に脱毛するだけではなく部分的に波打ったように脱毛する場合もあり、頭髪だけではなく眉毛や体毛といった箇所に発生したり、更に症状が進むと頭部全体に及んだりする場合もあります。
②円形脱毛症の原因とは?
(1)自己免疫疾患
今まではストレスが原因と言われてきましたが、近年では自己免疫疾患によるものだと判明しています。自己免疫疾患とは名前の通り、自分の免疫が異常をきたし攻撃してしまう疾患です。円形脱毛症の場合、この免疫疾患により毛包組織に対する自己免疫機序が髪の毛の生成に重要な毛包の正常な組織まで攻撃してしまうことがあると考えられています。しかしながらまだ全てにおいて解明されているわけでもなく、現段階では可能性が高いといった見方をされています。
(2)遺伝
円形脱毛症と遺伝の関係について正確に立証はされていませんが、親族(一等親以内)に円形脱毛症を発症している場合、その発症率はそうでない人と比べて約10倍であると報告されています。こういったことから、円形脱毛症はなんらかの遺伝が関係しているのではないかとも言われています。
(3)ストレス
以前まではストレスと言われていた円形脱毛症ですが、乳幼児が発症する可能性がある疾患としてストレスではないのではないか、という見解も多く見受けられます。現代医学では実際のところまだ原因は分かっていません。しかし、ストレスにより免疫異常を引き起こすこともありうるため、大きな原因がない場合ストレスが関係しているという考え方も完全には否定できません。
(4)アトピー性疾患
円形脱毛症患者のうち、約4割が皮膚炎や鼻炎などを引き起こしやすいアトピー素因を持っているという報告があります。そのためアトピー素因が、円形脱毛症の発症に関係があるのではないかと言われています。
③若い人でも円形脱毛症になる?
上記の理由により、AGAと同様円形脱毛症も年齢関係なく発症する可能性があり、若年層の発症も報告されています。円形脱毛症の場合は男性ホルモン由来ではないため、女性でも発症する疾患です。またAGAと大きく違うのは、保険料が全額自己負担のAGA治療に対して、円形脱毛症は保険適用となります。症状としても明らかな脱毛症状が認められるため、円形脱毛症に気付いた方はすぐに医療機関を受診するようにしましょう。
若ハゲの進行パターン3つ
①頭頂部から薄毛が進行する「O字」タイプ
比較的日本の成人男性に多く、頭頂部のため自分では気がつきにくいのが特徴です。知らず知らずのうちに頭頂部から薄くなっていくため誰かに指摘されるまで気がつかないケースもあります。地肌が透けてみえたり皮膚が赤っぽくなっていたりします。
②こめかみから生え際から薄毛が進行する「M字」タイプ
「最近おでこが広くなってきている」M字に生え際の薄毛が進行して正面からみた際にMの字に見えるのが特徴です。一気になくなるのではなく徐々に左右両サイトの髪の毛が頭頂部に向けて脱毛が進むため生え際が後退し、おでこがひろくなってきます。
③額の生え際から薄毛が進行する「U字」タイプ
U字パターンは前述のO字とM字が同時に進行していくパターンです。U字パターンは頭頂部と生え際両方から薄毛が進行していくためどの角度から見ても薄く、後頭部と横しか毛髪が残らないため他人からみた印象は一番強いタイプと言えます。
若ハゲのAGA治療はどんなものがある?
若ハゲのAGA治療①:外用薬
外用薬には「育毛剤」と「発毛剤」があります。育毛剤は、医師の処方箋がなくてもドラックストアなどで購入できる外用薬です。育毛剤は主に抜け毛を防ぐ効果があり、頭皮を健康的に保つ効果や薄毛の原因物質をできにくくする効果があります。現状をキープしたい方がAGAの予防として使うのが望ましいでしょう。一方で発毛剤は、その字の通り発毛効果を認められている薬品となっており、育毛剤と呼ばれるものより含まれる医薬品の濃度が高くなっています。そのためかゆみやフケなど、副作用を生じる可能性も高くなり医師の処方箋なしで購入することができません。発毛剤は、血管拡張をし血行促進をしたり、毛包細胞の増殖を促すなどして毛髪の成長に欠かせないヘアサイクルを正常に戻す効果があります。
若ハゲのAGA治療②:内用薬
代表的な薬ですとプロペシア、ザガーロ、フィナステリド、デュタステリドなどがあります。外用薬よりも効果が認められ、早くて3カ月、平均で気には半年ほどで何らかの治療効果を実感することができます。外用薬よりも効果が高い分、副作用のリスクも高まります。そのためAGA治療薬は基本的に医師の処方箋が必要となります。
若ハゲのAGA治療:③外科手術
植毛手術やメソセラピー、HARG療法があります。植毛についてはAGA治療の外科手術としては比較的知られており、聞いたことがある方もいるかもしれません。植毛手術は自分の髪が残っている頭皮の一部を脱毛部に移植する手術です。基本的に後頭部はAGAになりにくい部位なので後頭部から採皮するケースがほとんどです。完全に脱毛してしまっている部分にも有効ですが、高額治療で移植後のダウンタイムも必要となるためハードルが高い手術でもあります。メソセラピーとHARG療法は頭皮にミノキシジルやビタミン、アミノ酸などを直接注射する治療法のことです。現時点では症例も多くないため、どこでも取り扱っているというわけではありません。
AGA治療でよく使われている薬について
上記で触れたAGA治療薬について、主に当院で扱っているものを中心に説明をしていきます。これらは年齢関係なく、症状に合わせて使い分けていく薬となっています。
AGA治療薬①:プロペシア
プロペシアはAGAの原因であるDHTが生成されるのに不可欠な5α還元酵素と呼ばれるものをブロックすることでDHTが作られるのを抑制します。毛髪の成長期が長くなり、細くなった髪の毛にコシ・ハリが生まれ、休止期にある毛穴から髪の毛が成長するため、AGA改善の効果が期待できます。
AGA治療薬②:ザガーロ
プロペシアやザガーロはAGAの原因であるDHTが生成されるのに不可欠な5α還元酵素と呼ばれるものをブロックすることでDHTが作られるのを抑制します。毛髪の成長期が長くなり、細くなった髪の毛にコシ・ハリが生まれ、休止期にある毛穴から髪の毛が成長するため、AGA改善の効果が期待できます。DHTを生成する5a還元酵素にはⅠ型とⅡ型があり、プロペシアはⅡ型を阻害するのに対しザガーロはⅠ型・Ⅱ型共に阻害できるためプロペシアでは改善が見込めなかった方でもザガーロで改善した症例は多くあります。
AGA治療薬③:フィナステリド
プロペシアの有効成分で治療薬名ともなっている「フィナステリド」はAGAの原因であるDHTが生成されるのに不可欠な5α還元酵素と呼ばれるものをブロックすることでDHTが作られるのを抑制します。毛髪の成長期が長くなり、細くなった髪の毛にコシ・ハリが生まれ、休止期にある毛穴から髪の毛が成長するため、AGA改善の効果が期待できます。DHTを生成する5a還元酵素にはⅠ型とⅡ型があり、プロペシアと同じくフィナステリドはⅡ型を阻害し毛髪の成長サイクルを整える働きがあります。
AGA治療薬④:デュタステリド
ザガーロの有効成分でジェネリック治療薬名ともなっている「デュタステリド」はAGAの原因であるDHTが生成されるのに不可欠な5α還元酵素と呼ばれるものをブロックすることでDHTが作られるのを抑制します。毛髪の成長期が長くなり、細くなった髪の毛にコシ・ハリが生まれ、休止期にある毛穴から髪の毛が成長するため、AGA改善の効果が期待できます。DHTを生成する5a還元酵素にはⅠ型とⅡ型があり、プロペシア及びフィナステリドはⅡ型を阻害し毛髪の成長サイクルを整える働きがある一方、デュタステリド・ザガーロはⅠ型・Ⅱ型の両方を阻害、プロペシアやジェネリックのフィナステリドで改善しなかった症例もデュタステリドで改善した症例もあります。
若ハゲを早期発見するために
ここまでで年齢関係なくAGAは発症してしまうものだとご理解いただけたかと思います。残念ながら、若い方でもAGAを発症してしまうと、自然治癒は難しいと言われています。AGAになってしまった時の治療法も踏まえて説明をしてきましたが、気になる症状がある方は是非専門医院を受診するようにしましょう。AGAの治療は早期発見・早期治療がとても大切です。普段から抜け毛などは増えていないか、薄毛になっている箇所はないかなど気に掛けるようにしましょう。
医師紹介
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり) 名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。 これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。 |