【AGA治療・通院】専門クリニックか一般皮膚科？ 治療するならどこがオススメ？

①AGAとは？
薄毛や抜け毛の原因が男性ホルモンかのように話にあがることが多いのですが、厳密には男性ホルモンが直接抜け毛や薄毛の原因ということではありません。男性ホルモンには睾丸（精巣や副腎で合成・分泌されているといわれているテストテロンと呼ばれるものがあります。テストテロンは男性の機能の維持や筋肉の量を増やしたり・また筋肉を肥大させる作用などがあります。このテストテロンと呼ばれるものと5αリダクターゼ（5α還元酵素）と呼ばれるものが結びつき「ジヒドロテストロン（DHT）」と呼ばれる男性ホルモンに変換されます。このジヒドロテストロン（DHT）がホルモン受容体に取り込まれて、毛母細胞の働きを低下させ毛髪の成長サイクルが短くなり、結果ハリ・コシのある髪の毛が生えにくくなります。毛髪の成長期が短くなり・髪の毛が成長する前に抜けてしまう、これが男性型脱毛症（AGA）の原因となります。現在日本では、成人男性のおよそ3人に1人がAGAに悩んでいるというデータもあり、男性にとってはとても身近な病気だといえます。
②AGAは遺伝が８割、その他は生活習慣などが関係
AGAは遺伝的要因が強く、薄毛の8割以上の原因はこの遺伝によるものであるとの報告があります。AGAはA（Androgen（男性ホルモン）＋G（genetic（遺伝）＋A（Alopecia（脱毛症））の略、上述のホルモン受容体が遺伝的に多いほど男性型脱毛症が発症しやすくなります。この遺伝的要因は両親どちらからも引き継ぐ可能性があり、よく聞く隔世遺伝というものは母親の遺伝子が影響しています。隔世遺伝の場合、母方の祖父・曾祖父の遺伝が関係してきますので、「祖父がハゲていたら遺伝する」などといった話はこういった部分が根拠となっています。今では遺伝子検査でこのAGAを引き起こす可能性が高い遺伝子を持っているかを調べることができます。しかし遺伝を受け継いだからと言って１００%AGAを発症するわけでもないため、あくまで確率の話となります。その他にAGAを引き起こす可能性があるものとして普段の生活習慣（飲酒、喫煙、食事、睡眠、ストレス等）が影響する可能性があります。そのためAGA治療の際に医師から生活習慣を改善するよう指導される場合もあります。
③AGAに気付くために気を付けたいこと
AGAでは早期治療が大切になってきます。そのため、普段の生活でAGAの進行に気付けるようにしたいものです。AGAには、頭頂部から薄毛が進行する「O字」タイプ、こめかみから生え際から薄毛が進行する「M字」タイプ、額の生え際から薄毛が進行する「U字」タイプの３タイプがあります。О字タイプは自分では気づけないことも多いため、友人や家族、または合わせ鏡などで頭頂部から後頭部にかけてよく確認するようにしてみましょう。その他は鏡を見て気付けるものですので、日々のケアのついでにAGAが発症していないか、異変はないかなどを確認するようにしてみましょう。また抜け毛の増加やふけの発生なども重要な頭皮トラブルのサインです。そのまま放置してしまうと抜け毛・薄毛が進行してしまう可能性があるので、こういった小さな変化も初期症状のひとつとして見逃さないように確認するクセをつけましょう。

薄毛が気になった際に検討すべき病院としては、一般皮膚科、一般内科、AGA専門クリニックの３種類あります。薄毛といってもAGAだけではなく様々な病気の可能性が考えられます。免疫異常やストレスなどが原因といわれている円形脱毛症、甲状腺機能の異常による脱毛賞状、ふけやかゆみなどを伴う皮膚トラブルによる脱毛症、ステロイドや抗がん剤治療による薬剤性の脱毛症など、薄毛・抜け毛といってもAGA以外にも多くの原因からなる脱毛症が存在します。そのため「AGAの症状意外に不安なことがある」という方は、一般皮膚科や内科を受診してもいいかもしれませんね。しかし診察の結果その症状がAGAであった場合、できればAGA専門クリニックを受診し治療を進めることをおすすめします。

上記でもしあなたが悩んでいる症状がAGAによるものであった場合は、AGA専門クリニックを受診することをおすすめしましたが、ここではその理由について詳しく説明していきます。

専門とうたっているくらいなので、やはり一般病院に比べてAGAに特化して治療を行ってくれるところがほとんどです。AGAと他の脱毛症では治療法や使用する治療薬なども違う場合があり、またAGAは症状に個人差も大きく、なかなか自分に合うサポートを受けるのは難しかったりします。AGA専門クリニックでは「AGAの患者さんの治療」に焦点を当てて治療を行っているため、患者さんとしても安心感があり、一般病院にはないカウンセリングなどを通してひとりひとり丁寧に診察することで的確に治療法を決めることができます。

AGA専門クリニックですのでAGA治療に関するプロ中のプロです。そういった意味ではAGAに悩む患者さんにとってとても安心できる存在であると思います。またAGA治療の症例数が多いため、自分と似た症状の方がどんな経過をたどっているのか、AGA治療によりどんな効果が出ているのかを確認しやすく患者さん側としても治療のゴールのイメージがしやすくなります。クリニックによっては実際の症例写真を見せながら説明してくれるところもあるので、どんな治療をするのかどんな効果があるのかが明確です。

AGA専門クリニックによって扱う治療薬や治療法などは変わってきますが、一般病院との大きな違いは治療法にあります。基本的にどちらも外用薬もしくは内服薬による治療法がメインですが、その他にはメソセラピーやHARG療法など様々な先端医療を受けることが可能です。そのクリニックの方針や取り扱いは様々ですので、治療法の希望がある方は該当するクリニックを受診する必要があります。今はホームページなどでどんな治療をしているのか確認できるので、事前に自分で合う合わないをある程度選定できます。このようにAGA専門クリニックではそれぞれのクリニックの治療方針などを確認し、自分で選択できるのも魅力のひとつです。

ここまで読んで頂いて、「育毛（発毛）サロンをよく見かけるけれど、サロンじゃダメなの？」と疑問に思った方もいらっしゃると思います。実は病院、クリニックは医療機関として分類されますが、サロンは医療機関ではありません。医療機関では有資格者が必ず常駐していますが、サロンの定義は「エステティックサロン」であり医療行為ではなくサービスを提供する施設のため医療従事者の常駐義務がなく、医療機関ではないということになります。そのため厚生労働省が認可しているAGA治療薬はサロンで処方することができません。そういった意味ではAGA治療に特化しているとはいえません。今現在AGA症状に悩んでいるのであれば治療ができる医療機関を受診するようにしましょう。しかしサロンがだめだというわけでもありません。サロンでは、自宅ケアの延長として利用でき、カウンセリングを行いながら個人に合ったケアの仕方などを丁寧に教えてくれます。頭皮マッサージなどは頭皮ケアという意味の他に、ご褒美としても利用できリラックス効果や普段自分にできない部分のお手入れをしてもらえます。サロンを治療として使うのではなく、治療の補助やケアの質向上などといった位置で考えるといいかもしれませんね。

残念ながらAGA治療は基本保険適用外となります。薄毛治療の中で円形脱毛症は保険適用となりますが、AGA治療は対象外となっており全額自費負担での治療となります。円形脱毛症とAGAを併用した混合治療なども禁止されています。またAGA治療は医療費控除も対象外となっています。これは国税庁からの「いわゆる人間ドックその他の健康診断のための費用及び容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用は、医療費に該当しないことに留意する」という通達により明確にされています。つまり「AGA治療は美容を美化するためのもの」という捉え方になるため、基本的に自費治療・医療費控除除外ということになります。多くの方が悩むAGAで保険適用が認められればもっと治療が受けやすくなるのに、と残念な気持ちでいっぱいですが仕方ありません。AGA治療の外用・内服薬の１カ月あたりの治療費相場はおよそ3,000円～15,000円といわれており、平均的な効果を実感するまでの期間は3～6カ月といわれております。治療を始める前にどのくらいの金額が必要になるのか、治療費のスケジュールをたてるのも大切です。

①処方箋なしで買えるもの、買えないものがある
国内承認されているAGA治療薬は基本的に医師の処方が必要で、医療機関を受診する必要があります。一部の外用薬はAGA治療薬より濃度が低いものになりますが処方箋なしでドラックストアなどで購入することも可能です。
②国内未承認薬は個人輸入なら入手できる
AGA治療薬について調べている方だと「国内未承認薬」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。実はAGA治療薬はその効果が認められているものでも日本では使用できないものも多く存在しています。基本的に国内未承認薬は処方してもらえないため、どうしても使いたいという方は個人輸入するという方もいます。厚生労働省からも「個人のために個人輸入するのは可能」とあり、個人輸入して個人で使用する分には問題ありません。しかし転売などをしてしまうと犯罪となってしまいますので、薬が余ったからといって誰かに売るなどといった行為は絶対にやめましょう。
③個人輸入はリスクが大きいため慎重な判断が必要
個人輸入で一番気を付けなければならないのは、副作用による健康被害です。国内承認薬であっても個人輸入で入手する方が安いパターンがほとんどで、安さで医師からの処方を受けずに購入しようと考えている方にもいます。ですが安易に個人輸入に手を出してしまうのは大変危険です。医師の処方が必要な一番の理由は、万が一重篤な副作用が発生した際にいち早く気付き、適切な対応をする必要があるためです。まれですが大きな副作用としては性機能の低下・性欲の減退、肝機能障害、動悸や息切れ、精神障害などです。これは使用する薬によっても副作用が変わってきます。その中で例えば肝機能障害などでは痛みを感じず血液検査をしないと副作用が生じていることに気付かない、なんてこともあります。こう考えるといかに医師の処方が大切か分かりますね。また一部ではニセモノの薬が流通してしまっているようで、プロでも見分けが難しいほど巧妙に作られているようです。個人輸入でのメリットデメリットをよく考え、利用する際はリスクを理解した上で安全な大手サイトを利用するようにしましょう。

「もしかしたらAGAかも」「どんな症状が出たら受診するべきか分からない」そう思った方に是非試して欲しいチェックシートを作りました。周囲に相談できる人がいない、AGAの可能性があるか知りたいという方は、簡単なチェックシートですが是非受診の目安として利用して頂ければと思います。
□最近、おでこが広くなったと感じる。
□短い髪の毛が抜けるようになった。
□抜け毛の数が増えたように感じる。
□髪全体のボリューム感がなくなった。
□髪全体が立ち上がりにくくなった。
□髪の毛にハリ・コシがなくなってきた。
□頭頂部に関して薄毛を指摘されたことがある。
□ふけ、かゆみなど頭皮トラブルがある。
該当するものが1つでもある方は何らかの毛髪・頭皮トラブルを抱えている可能性が高いです。AGAは年齢関係なく発生し、進行してしまう病気ですので「このくらいでクリニックに行ってもいいのかな？」と思う必要はありません。気になったその時に医師に相談してみましょう。逆に、「まだ若いから大丈夫」「生活習慣を改善すれば治るだろう」といった過信や放置、自己流の治療などが一番危険です。AGAは残念ながら予防や多少の進行を抑えることができたとしても、自然治癒はしません。AGA治療は出来る限り早期発見・早期治療が理想的です。

今回は薄毛に悩んだ時に行くべき病院について、それぞれの違いを含めて説明してきました。ここまでいかがだったでしょうか。AGAは身近な病気である一方、情報が多い世の中で自分に合うクリニックや適切なクリニック選びはとても大切になってきます。今回の記事でそれぞれの医療機関の違いを確認して頂いて、チェックシートに該当する方や「AGAかもしれない」と感じている方は是非早い段階でAGA専門クリニックを受診して頂ければと思います。