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  • 【医師監修】短い抜け毛は危険シグナル?AGAなど疑われる脱毛症に注意

    抜け毛が短い?注意すべき危ない抜け毛とは?

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    髪の毛が抜ける」というのは、人間が生きている中で自然に起こる髪の生え変わりとして正常な現象です。しかし、抜け毛の量が増えると今生えている髪の毛とのバランスが崩れて薄毛になってしまいます。そんな薄毛を引き起こす危険な抜け毛の量がきっかけとして、「短い抜け毛」が増えるという髪の毛からの危険シグナルが見られることがあります。

    今回は、髪の生え変わりにおける正常な抜け毛と危険な抜け毛についてや、短い抜け毛を特徴とする脱毛症とその治療など、注意すべき危ない抜け毛について詳しく解説します。「最近抜け毛が増えてきた」「将来薄毛になるか心配」というお悩みを持つ男性は、自分の抜け毛に危険な兆候が見られるかチェックしてみてください。

    ■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

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    正しい抜け毛のメカニズムとは

    髪の毛が一定期間成長すると抜け落ちる、という現象は誰もが知っていることとでしょう。しかしながら髪の生え変わりのサイクルには男女差があることや、1サイクルがどのくらいの期間なのか知っている人はあまり多くないかもしれません。そこで、まずは髪の生え変わりのメカニズムから、正しい抜け毛がどうやって起こるのかを見ていきましょう。

    ヘアサイクル(毛周期)によって髪は自然に生え変わる

    髪の生え変わりは「ヘアサイクル(毛周期)」と呼ばれています。1サイクルの平均期間は女性で4〜6年、男性で3〜5年と言われています。男女に差がある理由としては、髪の成長を促進したり維持する働きがある女性ホルモン分泌量が女性の方が多いことが挙げられます。

    ヘアサイクルのメカニズム

    わたしたちが「髪の毛」と呼んでいるのは「毛母細胞」という毛の元になる細胞が「毛乳頭細胞」から成長を促す指令を受け、栄養を受け取ることで活発に細胞分裂してどんどん体表面に向かってどんどん伸びていき、頭皮から外に露出した部分のことです。そして先述した「女性で4〜6年、男性で3〜5年」で寿命を迎えた毛乳頭細胞が活動を停止し、休止期間を経た後に活動を再開し新しく伸びてきた髪の毛に押し上げられるように抜けていくというのが「ヘアサイクル(毛周期)」です。

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    ヘアサイクルにおける3つの分類

    ヘアサイクルには3つの分類があり、それぞれの時期ごとに髪の毛に変化が見られますので詳しく見ていきましょう。

    成長期:成長期はその名の通り、髪の元となる「毛母細胞」が活発に細胞分裂を繰り返し成長する時期です。ヘアサイクル全体の約85〜90%の割合を占めており、さらに3つの段階に分けられています。
    ○初期(早期)成長期=毛母細胞が活発に細胞分裂を始めた状態で、頭皮の外への髪の露出は見られない。
    ○中期成長期=細胞分裂を繰り返し伸びてきた部分が頭皮の外に露出する時期。髪はうぶ毛の状態でさらに伸びていく時期。
    ○後期成長期=細胞分裂が続いている状態。髪は太く長く成長しており、ツヤやハリが見られる時期

    退行期:毛母細胞が活発に細胞分裂するためには「毛乳頭細胞」からの指令と栄養の受け渡しが必要です。毛乳頭細胞は一定期間活動すると働きが衰えてきますが、この時期を「退行期」といい、毛乳頭細胞の働きが衰え毛母細胞の細胞分裂スピードが遅くなったり分裂しなくなるなどの変化が現れます。退行期はヘアサイクル全体の1%という少ない割合で、約2〜3週間続いて次の段階に移行します。

    休止期:毛母細胞と密接して指令や栄養を送っていた毛乳頭細胞が離れた位置まで衰退し、毛母細胞は完全に分裂をストップします。休止期は約2〜3ヶ月続き、ヘアサイクル全体の10〜20%の割合を占めています。休止期を経てまた毛乳頭細胞が活動を再開して髪が造られ伸びていくことにより、成長が終了して頭皮内にとどまっていた髪が押し上げられるように外に抜け落ちますが、この段階の抜け毛は1日約100〜150本程度だと言われています。

    短い抜け毛は薄毛の前兆?危険な抜け毛の見分け方

    髪はヘアサイクルを繰り返し常に生え変わっているため、抜け毛があること自体は正常な現象であり問題ありません。しかし、中には薄毛の前兆になるかもしれない危険な状態の抜け毛があります。ここでは抜け毛そのものに見られる危険な特徴や、注意すべき抜け毛の本数などについて解説します。薄毛の可能性のある危険な抜け毛を見逃さないよう日々チェックしましょう。

    正常な抜け毛とは

    ・抜け毛が太く長い:正常なヘアサイクルの成長期を経て休止期に移行した抜け毛は、3〜5年の間細胞分裂を繰り返し成長しているため、髪自体が太く長くハリやコシがありツヤが見られ、抜け毛を指に巻きつけた時に反発して戻る勢いが強いものが正常な抜け毛の特徴です。

    ・抜け毛の根本が白色で丸く膨らんでいる:正常な抜け毛の根本には「毛球」という毛乳頭細胞や毛母細胞が集まって丸く膨らんでいる部分があります。そして、成長期を全うした毛母細胞はメラニン色素という黒い色の素を吸収しなくなるため、毛球付近が白くなっているのが特徴です。

    ・抜け毛の量が1日50〜100本程度:正常なヘアサイクルにより発生する抜け毛は、成人男性で1日50〜100本程度と言われています。この範囲内であれば正常な抜け毛と考えられますが、抜け毛の量は通年一定ではなく季節の変わり目や夏の終わりから秋にかけて一時的に増えることがわかっています。そのため、1日の抜け毛が多いと感じた時に季節性の原因であれば時間の経過とともに抜け毛の量は落ち着いてくることもあるので場合によっては少し様子を見て正常な抜け毛か判断してもよいでしょう。

    危険な抜け毛とは

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    ・抜け毛が短く細い:ヘアサイクルが乱れて成長期が短くなると、髪が太く長く成長する前に抜け落ちる成長途中の抜け毛は短く細いことや、ハリやコシがなくツヤが見られないため持った時に弱々しいという特徴があります。

    ・抜け毛の根本が黒色で膨らみがない:正常な抜け毛の根本が白色で丸く膨らんでいるのに対し、髪の根本が黒くギザギザしていたり、膨らみが全く見られず細くなっている抜け毛は要注意です。成長期が短くなって毛母細胞が十分に細胞分裂できていない場合や、頭皮の毛細血管から栄養や酸素がうまく取り込めていなかった場合など、このような抜け毛は何らかの髪の成長を妨げるトラブルが起きているというサインだと考えられます。

    抜け毛の量が1日150本以上で前額部や頭頂部の抜け毛が多い:成人男性の正常な抜け毛の本数は大体50〜100本程度と言われていますが、1日に150本以上の抜け毛が毎日続くというのは危険な兆候です。とはいえ毎日抜け毛の本数を正確に数えることは難しいので、自分の感覚として「排水溝に溜まった抜け毛の量が以前より明らかに多い」、「起床時に枕に髪の毛が多量についている」といったことがあれば注意したほうがいいでしょう。さらに、抜け毛が前額部や頭頂部に集中しているという感覚がある場合は、AGA(男性型脱毛症)の可能性がありますので早めの対策が必要でしょう。

    短い抜け毛の種類と原因とは

    「抜け毛が増えた」と感じると薄毛になるのではないかと不安を感じるのではないでしょうか。私たちが実際に頭皮から髪が抜け落ちる瞬間を目撃するという機会はほとんどないため、落ちている髪を見て「抜け毛」だと判断しています。その抜け毛が「短い」と感じた場合、途中で切れて短くなった毛なのか抜け毛そのものが短いのかで「短い抜け毛」の原因は違います。ここではその違いについて見ておきましょう。

    髪のダメージによる短い切れ毛

    ・原因①ブリーチや縮毛矯正などの薬剤:髪は「ケラチン」というタンパク質を主成分にメラニン色素や脂質で構成されており、のり巻きのような3層構造になっています。ブリーチや縮毛矯正に使われる化学薬品は髪の外壁部分であるキューティクルを開かせてしまうため、髪内部の栄養や水分が外に出てしまいダメージとなり髪が切れてしまう原因になります。特に市販のセルフブリーチや縮毛矯正を使用したあとに十分なトリートメントやヘアケアをしないと短い切れ毛が抜け毛として増える可能性があります。

    ・原因②紫外線ダメージ:髪は人間の体の中で最も紫外線を受けやすく、その量は顔の5倍とも言われています。紫外線は髪の柔軟性を担っている「シスチン結合」を破壊するため、強力な紫外線を長く浴びていると髪が切れやすくなります。ブリーチやカラーやパーマなどをしている状態で紫外線を浴びると、さらに髪が切れやすくなるため短い切れ毛が増える原因になると言えるでしょう。

    ヘアサイクルの乱れによる短い抜け毛

    ・原因①AGA(男性型脱毛症):AGAはある種の男性ホルモンの働きにより「脱毛因子」という髪の成長をストップさせる物質が増えることでヘアサイクルの成長期が短縮され、短い抜け毛が増えることがわかっています。AGAの原因や症状については詳しく後述しますので、AGAが気になる方はぜひそちらをご覧ください。

    ・原因②食生活の乱れによる栄養不足:毛母細胞が活発に細胞分裂するためには、髪の主成分であるタンパク質などの豊富な栄養素や酸素が必要です。髪への栄養は人間が食事で取り込む栄養がそのまま運ばれるため、栄養不足の食生活では毛母細胞の細胞分裂が衰えます。栄養不足の髪は十分に太く長く成長できないまま抜け落ちてしまうため、短く細い抜け毛が増加する原因になると言えるでしょう。

    ・原因③ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れ:「過剰なストレスにより抜け毛が増える」という噂を耳にしたことがあり人も多いでしょうが、これはあながち間違いではありません。人間の体は過剰なストレスが長期間かかると、自律神経の交感神経という気持ちを高揚させたり興奮させる働きのある神経を優位にしてストレスに対抗しようと自己防衛することがわかっています。通常体内では交感神経と、副交感神経という体をリラックスさせたり入眠しやすくする神経が交互に働いて体のバランスをとっています。ところが交感神経だけが優位な状態では体がリラックスできず、血行不良や不眠による代謝の低下を引き起こす可能性があります。さらに睡眠中に分泌される「成長ホルモン」という髪の成長を促すホルモンの分泌が低下するため、髪が十分に成長できずに短い抜け毛が増えてしまう原因になるでしょう。

    短い抜け毛が特徴の脱毛症とは

    短い抜け毛の原因には、髪のダメージの他にヘアサイクルを乱す病気が関係していることがあります。ここでは短い抜け毛が症状として特徴的な、成人男性によく見られる脱毛症について解説します。「最近抜け毛や頭皮の状態が気になる」という男性はぜひ参考にしてください。

    AGA(男性型脱毛症)

    AGAは髪の成長が妨げられて十分髪が成長しないまま抜け落ちていくため、短く細い抜け毛と前額部や頭頂部によく見られる薄毛が主な症状です。男性ホルモンの一種である「テストステロン」が「5αリダクターゼ(5α還元酵素)」と結合すると、胎児期における男性器の形成や思春期における第二次性徴の発現にかかわる「ジヒドロテストロン(DHT)」という男性ホルモンに変換されます。成人期以降のジヒドロテストロンには、「脱毛因子」を発生させ髪の成長を阻害し脱毛させる働きがあります。脱毛因子はジヒドロテストステロンが「男性ホルモンレセプター(ホルモン受容体)」に取り込まれることで発生しますが、男性ホルモンレセプターは前頭部や頭頂部に多く分布しているため、AGAに特徴的な「M字」や「O字」型の薄毛症状が現れます。5αリダクターゼの活性度や男性ホルモンレセプターの感受性の高さは遺伝することがわかっているため、家族や家系にAGAの男性がいる場合は発症の確率が上がると言われています。

    脂漏性脱毛症

    脂漏性脱毛症とは、脂漏性皮膚炎という皮膚炎が原因で起こる脱毛症です。はっきりした原因は不明ですが、皮脂分泌が盛んな思春期以降や30〜40代に発症することが多く、皮脂が過剰に分泌されるため黄色っぽいベタついた大きめのフケが出ることが特徴です。過剰な皮脂分泌により雑菌が繁殖して頭皮に炎症を起こすことも多く、頭皮に赤みや痒みといった症状が出ることもあります。過剰な皮脂により毛穴が詰まったり、頭皮の炎症により血流が阻害されるなどの影響で髪の成長が阻害され、短い抜け毛が増えるという症状現れます。

    粃糠(ひこう)性脱毛症

    粃糠とは米ぬかのことで、粃糠性脱毛症は米ぬかのような細かい大量のフケと強いかゆみを伴うことが特徴です。大量に発生したフケが毛穴を塞ぎ、頭皮に常在している「マラセチア菌」というカビの一種が大量発生することで頭皮に炎症を起こし、髪の成長が阻害され短い抜け毛が増えるという症状が現れます。フケが大量発生する原因はシャンプーや整髪料の影響による頭皮の過乾燥やホルモンバランスの乱れなどが挙げられますが、はっきりとした原因は不明で色々な要因が複雑に絡まって発症すると考えられています。

    短い抜け毛を減らす方法

    短い抜け毛が増えた原因が脱毛症の場合、そのまま放置していると薄毛や頭皮の炎症などの症状が進行するおそれがあり、最悪の場合「毛孔」という髪が生えるための穴が閉塞してしまい、髪が生えてこなくなる可能性もあります。そのためなるべく早い段階で短い抜け毛を減らす対策が必要なのです。ここからは短い抜け毛の原因に合わせた対策法を具体的に紹介しますので、早めの対策を検討しましょう。

    AGA治療を始める

    ・「プロペシア」「ザガーロ」などの内服:ジヒドロテストステロンの変換を抑えるために有効なのが、プロペシアなどの「5αリダクターゼ阻害薬」で、日本で初のAGA治療薬として認可されています。ジヒドロテストステロン変換を抑えることで脱毛因子の発生を防ぎ、ヘアサイクルを正常化する効果があります。効果の実感には半年程度の治療継続が必要で、その間徐々に短い抜け毛が減ってきますが、内服をやめると効果がなくなるため症状の強さに応じた治療期間が必要です。

    ・「ミノキシジル」の外用:ミノキシジルはもともと高血圧治療薬ですが、血行促進作用が認められて日本では外用薬がAGA治療薬として認められています。ミノキシジル外用薬を頭皮の薄毛が気になる部分に直接塗布し、血行促進と毛母細胞への刺激により髪の成長を促す治療です。髪を成長させる力を助けるため、短い抜け毛を太く長く改善することが期待できます。

    頭皮環境を改善する

    頭皮の過乾燥や炎症を改善するために、低刺激のシャンプーの使用や整髪料の使用を控えるとともに炎症を抑えるための外用薬が必要な場合がありますので皮膚科を受診することをおすすめします。炎症が治まってきたら、保湿剤を頭皮に使用して乾燥を防ぐことも頭皮環境の改善に有効ですので習慣づけると良いでしょう。

    短い抜け毛予防セルフケア

    短い抜け毛を減らすためには、AGAなどの脱毛症が原因の場合はAGA専門クリニックなどの医療機関の受診がおすすめです。さらに治療と並行して短い抜け毛を予防や改善するためにできるセルフケアを紹介しますので、自分に合った方法でできることから始めてみてはいかがでしょうか。

    食生活の改善

    AGA,治療,予防,野菜髪の毛は主にタンパク質でできており、質の良いタンパク質を摂取しているとそのまま栄養となって髪に運ばれますので、脂肪分の少ない良質な肉や魚とともに大豆などの植物性タンパク質を意識して摂取しましょう。また、血行を促進する働きのあるビタミンB6やビタミンEを多く含むアーモンドなどのナッツ類や、髪の毛を生成する働きや頭皮環境を整える働きのある亜鉛やビタミンが豊富なレバーやうなぎなどをバランスよく摂ることを心がけましょう。さらに食事は3食時間を決めて同じ時間に摂るようにすると栄養の吸収率が一定し栄養代謝が上がることを覚えておきましょう。

    生活習慣の改善

    睡眠中に分泌される「成長ホルモン」は髪や骨の成長に大きく関わっているため、睡眠は髪の成長に大切な生活習慣です。「睡眠時間が短い」、「寝つきが悪く途中で目が覚める」、といった睡眠の質の低下は成長ホルモンnの分泌を妨げるため改善が必要です。日々の入眠時間と起床時間を一定にしたり、入浴やスマホの使用などは入眠2時間前に終了して入眠準備を整えることや、自分の体に合った無理のない寝姿勢が取れる寝具を選ぶことなどがおすすめです。

    髪のダメージを避ける

    短い抜け毛予防には髪のダメージを防いで強度を維持することも大切です。髪や頭皮に使えるUVスプレーによる紫外線予防やトリートメントといったセルフケアとともに、ブリーチやパーマの頻度を3ヶ月間隔程度にしてヘアサロンにお願いするなどして、髪のダメージをなるべく避けるよう工夫しましょう。

    まとめ|短い抜け毛が気になったらAGA専門クリニックに相談しよう

    抜け毛や薄毛は症状が進んでからでは改善が難しいこともあり、早めの相談や治療が大切です。短い抜け毛はAGAや他の脱毛症の前兆だと捉えることもできますので、気づいた時に見過ごさずに対処することをおすすめします。特にAGAは成人男性の30%に発症する可能性があると言われている脱毛症です。髪について抜け毛や薄毛などが気になったら、身近で続けやすい治療が受けられるAGA専門クリニックに気軽にお問い合わせください。

    解説した医師の紹介

    ■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

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