デュプロストの偽物の見分け方について解説

デュプロストは日本国内で販売されていないため、AGA治療を行っているという方でも聞いたことがない、知らないという方は多いです。デュプロストはインドのシプラ社が製造・販売しているAGA治療薬で、未認可薬のため国内での取り扱いはありません。上記でも触れたようにデュプロストを購入するためにはインターネット通信販売などを介して個人輸入する必要があります。

主成分がデュタステリドのため、日本国内のAGA治療でよく使われる「ザガーロ」と同等の効果があります。主にAGAの原因物質となる5αリダクターゼの生成を阻害するため、AGAの根本的な治療が可能となります。5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、Ⅱ型のみに作用する治療薬もありますがデュプロストはⅠ型Ⅱ型両方に作用するため、より広範囲で高い治療効果が見込めます。Ⅱ型のみに作用するとして有名な治療薬は「プロペシア」ですが、プロペシアを使ってもダメだったという方がデュプロストを使って治療効果があるということもありるため「効果がある」として人気がある薬のひとつでもあります。

・性欲減退
・精液量の減少
・勃起不全
・乳房の肥大や痛み
デュプロストの副作用として上記のような副作用があげられます。デュプロストの副作用は全体の10%前後の方に男性機能に関する副作用が出ていることが報告されており、男性の方でも妊活を考えている方は注意が必要です。副作用の発生頻度として高くはないものの繊細な治療や生活習慣の改善などが必要になる妊活においては、こうした薬の副作用もリスクのひとつとして考えておくことが必要です。

国内で認可されていない薬を購入するためには、インターネット通信販売などの輸入代行業者を介しての個人輸入が一番簡単で、インターネット環境があれば誰でもすぐに購入することができます。そのため通院の必要もなく、金額を安いものを選んでAGA治療薬を購入することができるため、AGAに悩む男性の間で個人輸入は人気のある手段です。しかし注意をしなければいけないことがいくつかあり、個人輸入をしたいという方もこれから解説をするインターネット通信販売のリスクを頭に入れておきましょう。

厚生労働省のホームページなどでも注意喚起が行われていますが、インターネット通信販売を利用した個人輸入には偽物が紛れている可能性があります。大手の信頼できるサイトも多く存在しており、サイト側も偽物が紛れ込まないようさまざまな対策を行っていますが、それでも100%安全だとは言い切れない部分があります。実際厚生労働省のホームページでは偽物の被害報告なども公開しており、「私は大丈夫」「この薬は偽物ではない」と思っていても実際のところは分からないということです。

偽物の薬の見分け方などを紹介しているサイトなどもありますが、最近の偽物の薬はとても巧妙に作られており、日々進化しています。そのため素人が見た目で判断することは非常に難しく、薬の成分鑑定などを行わない限り「本物である」とは言い切れません。インターネット通信販売を利用している方はこうしたリスクも踏まえて利用しているわけですが、中には偽物だということに気付かずに服用を続けているなんてこともよくある話です。

偽物の薬は必ずしも中身までが全部違う、というわけではありません。例え偽物であっても中身が体にとって害の成分であればいいのですが、成分が正規商品より濃度が濃い・薄い、他の成分が紛れているといった可能性があります。正規商品より成分が薄ければ効果を実感することができないといった場合もありますし、濃い場合副作用がより強くでる可能性もあり健康被害を受けることもあります。中身が何か分からない以上、体調が悪くなった際も病院側でもすぐに正しい対応ができるとは限らず大変危険でリスクがあります。

個人輸入を行う上での責任は、全て自分にのしかかります。偽物の薬によって健康被害を受けてもその被害の責任は自分になってしまう、ということです。通常国内で治療を受け医療による健康被害が発生した場合は国によるサポートを受けることが可能ですが、そういったことも不可能です。AGA治療薬は自費診療のためインターネット通信販売を利用して薬を購入した方が安いというメリットもありますが、万が一体調を崩した場合は何の保証もなくインターネット通信販売で受けたメリット以上にデメリットが大きくなってしまいます。

ここまででインターネット通信販売のデメリットについて学んでいただけたのではないかと思います。手軽さや価格の安さから利用したいと考える方が多いインターネット通信販売ですが、安全に治療をするためにはやはり専門のクリニックや医院などの医師がいる医療機関で行うことをおすすめします。

「少し薄くなったかな程度で受診していいの？」「具体的な症状がないのに受診していいの？」と初めてAGA専門医院やクリニックを受診しようと考えている方にとっては、どのタイミングで受診していいか分からずためらってしまうという方も多いかと思います。しかし受診に関して明確な目安はなく、気になるなと思った時に受診していただいて問題はありません。また予防するためにどうしたらいいかなどの相談だけでも大丈夫ですよ。AGA専門医院やクリニックでは頭皮の状況なども確認することができますので、治療だけではなく予防のために通うことも可能です。

通う時間がない、通っているところを見られたくない、流行病などを懸念して対面するのを避けたい・・・等々、AGA治療を始めたくても通院という部分にハードルを感じてしまっている方も多くいらっしゃいます。そういう方のために当院ではオンライン診療にも対応いしており、処方箋も郵送対応しております。通院が大変だという理由でインターネット通信販売を利用される方もいらっしゃいますが、オンライン診療はインターネット環境さえ整っていればどこからでも受診することができます。

■この記事の著者■　AGA薄毛予防治療クリニック　医師

柏﨑　喜宣　（かしわざき　よしのり）

名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。