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AGAの薬を飲み過ぎるとどうなる?飲み合わせについても徹底解説
AGA治療薬の正しい飲み方徹底解説!飲み過ぎは効果なし?飲み合わせに注意が必要な薬とは
AGA(男性型脱毛症)は日本人の成人男性の30%に発症の可能性があるとても身近な脱毛症です。2005年にMSD株式会社より「プロペシア」が日本初の「男性型脱毛症治療薬」として発売されたことから、「お医者さんに相談できる薄毛」として飲み薬による治療が一般的に広く認知されるようになっています。
AGAの飲み薬はAGA専門医の診断により処方され、個人に合わせた用法容量を守って使用することが大切です。しかし、安価だという理由から個人輸入を利用したAGA治療薬の購入が増えるなど、正しい用法や容量を守らずに服用するケースが増え健康被害が懸念されています。
今回は、AGAの飲み薬について「多く飲みすぎるとどうなるのか」について解説するとともに正しい飲み方や副作用、飲み合わせに注意が必要な薬についても紹介します。薄毛や抜け毛が気になってAGAの薬を飲んでみようと検討している方や、治療を始めてもっと効果が欲しいから薬の増量ができないかと考えている方は、自己判断で薬を購入する前にぜひ参考にしてください。■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
AGAの飲み薬の種類と効果とは
現時点(2022年11月)において日本国内で認証されているAGAの薬(男性型脱毛症治療薬)は「プロペシア(フィナステリド)」「ザガーロ(デュタステリド)」「ミノキシジル外用薬」の3種類のみです。ここでは2種類の飲み薬である「プロペシア(フィナステリド)」「ザガーロ(デュタステリド)」の特徴や効果、飲み方について詳しく見ていきましょう。
①プロペシア(フィナステリド)
・特徴:有効成分は「フィナステリド」で、「5αリダクターゼⅡ型」を阻害する作用があります。5αリダクターゼとは、男性ホルモンの一種である「テストステロン」と結びついて「ジヒドロテストステロン(DHT)」という別の男性ホルモンに変換させる働きを持つ酵素です。もともと前立腺肥大症の治療薬として開発されましたが、臨床試験中にAGAのある被験者に発毛効果が見られたことからAGA治療薬として研究や再試験を経て「AGA治療薬」として国内で初めて承認されました。「フィナステリド錠〇〇(製薬会社名)」という製品はプロペシアのジェネリック医薬品で、複数の製薬会社から販売されています。
*ジェネリック医薬品とは
ジェネリック医薬品とは、先発医薬品と同じ効果効能を持ち、同じ有効成分を含んだ薬のことを指します。AGA治療薬における先発医薬品とは「プロペシア」と「ザガーロ」のことで、発売後の特許期間が経過して公開された制約情報をもとに低コストで製造された薬が「フィナステリド錠〇〇(製薬会社名)」、「デュタステリドカプセル〇〇(製薬会社名)」といったジェネリック医薬品となっています。日本では薬事法により、すべての医薬品が同じ基準で製造管理されているため、先発とジェネリックに安全性の差は見られません。ジェネリック医薬品は低コストで製造されているため、販売価格が先発よりも低いことが特徴です。AGA治療薬など保険適応外の医薬品の場合は薬の代金の負担が多くなりやすいため、ジェネリック医薬品を積極的に利用する人が多いと言われています。
・効果:AGAの症状である薄毛や抜け毛は、ジヒドロテストステロンが「男性ホルモンレセプター(ホルモン受容体)」と結びつくことにより発生する「脱毛因子(TGF-β)」によって脱毛指令が出されることで引き起こされます。プロペシアは、ジヒドロテストステロンの生成を阻害する働きを利用し、脱毛因子の発生を抑制することでAGAの進行を抑えたり予防する効果が期待できます。
・飲み方:プロペシア錠の添付文書には、「*男性成人には、通常フィナステリドとして0.2mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて適宜増量できるが、1日1mgを上限とする。」という記載があります。そのため1日1回0.2mg錠を1錠飲むというのが基本的なAGA治療のための飲み方と言えるでしょう。飲む時間には決まりがありませんが、効果を最大限に生かすためには薬の血中濃度を一定にすることが大切ですので、毎日決まった同じ時間に飲むことをおすすめします。
*プロペシア錠添付文書参照(https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00051088.pdf)②ザガーロ(デュタステリド)
・特徴:ザガーロの有効成分は「デュタステリド」で、「5αリダクターゼⅠ型Ⅱ型」を阻害する作用があります。5αリダクターゼⅡ型は主に前額部や頭頂部の毛乳頭に存在していますが、5αリダクターゼⅠ型は全身と側頭部や後頭部の皮脂腺に多く分布していると言われています。プロペシアは5αリダクターゼⅡ型のみを阻害するのに対し、ザガーロはⅠ型Ⅱ型の両方を阻害するためより効果範囲が広いと言えるでしょう。ザガーロも前立腺肥大症の治療薬「アボルブ」の開発途中に生まれたAGA治療薬で、「デュタステリドカプセル〇〇(製薬会社名)」という製品がザガーロのジェネリック医薬品として販売されています。
・効果:ザガーロにはプロペシアと同様に5αリダクターゼを阻害する作用があるため、脱毛因子の発生を抑制する効果が期待できます。脱毛因子の指令が「FGF-5」という細胞増殖因子に伝達され、成長した毛が抜け毛に移行する時のスイッチの切り替えが行われることが抜け毛の直接の原因になっているため、脱毛因子発生のきっかけとなるジヒドロテストステロンの生成を抑えることでAGAの予防や進行を防ぐ効果が期待できます。さらにザガーロは「5αリダクターゼⅠ型」を阻害するため、プロペシアでは効果が感じられなかったけれどザガーロに変更したらAGAの症状が改善してきたというケースも多く、近年のAGA治療で第一選択とされることが増えているようです。
・飲み方:ザガーロの添付文書には「*男性成人には、通常デュタステリドとして0.1mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて0.5mgを1日1回経口投与する。」という記載があります。そのため、1日1回0.1mgカプセルを毎日決まった時間に飲むというのがザガーロの基本的な飲み方と言えるでしょう。AGAの飲み薬の副作用とは
医薬品の多くには、効果効能の作用とともに副作用が生じる可能性があるとご存知の方も多いでしょう。副作用とは、薬の本来目的とする主作用以外に全く別の作用が働くことを言います。AGAの薬には具体的にどんな副作用が発生する可能性があるのかについて詳しく見ていきましょう。
①プロペシア(フィナステリド)
・肝機能障害:プロペシアに限らず、薬は通常肝臓で代謝され全身に血液を介して運ばれます。そのため長期的に薬を服用している人としていない人を比べたときに、薬を服用している人に肝機能障害が出る可能性が高くなると言われています。
・男性機能障害:「性欲減退」、「勃起機能不全」、「射精障害」、「精液量減少」といった副作用の報告がありますが、最も多い「性欲減退」でも5%以下、他の副作用に関しては1%未満のため、発生頻度としてはかなり低い数値と言えるでしょう。
・PSA値の半減:体への症状ではありませんが、プロペシア服用中に前立腺腫瘍マーカーである血清前立腺特異抗原(PSA)値を測定したところ、40〜50%の濃度低下が見られています。そのため前立腺がん診断の際にはプロペシア服用中であることを主治医に必ず伝えるようにしましょう。②ザガーロ(デュタステリド)
・肝機能障害、黄疸:ザガーロもプロペシアと同様に肝臓で代謝されて全身に行き渡るため、薬を飲んでいない人に比べると肝臓へ負担がかかります。そのためもともと肝機能障害がある人や、肝機能検査値に異常が認められた場合には服用を控えた方がいいでしょう。
・男性機能障害:「性欲減退」、「勃起不全」、「射精障害」が1%以上見られており、プロペシアよりやや発生頻度が多いことがわかります。
・発疹、頭痛、抑うつ、乳房障害、腹部不快感:これらの症状は1%未満とかなり少ない頻度で発生が認められています。AGAの薬を飲みすぎるとどうなる?飲む量を増やしても効果に差はありません
AGAの飲み薬を始めると、すぐに薄毛や抜け毛が改善すると期待している方がいるかもしれませんが、AGAの飲み薬による薄毛や抜け毛の症状改善には最低3ヶ月、平均6ヶ月服用を継続する必要があります。効果が現れるまでの期間、本当に症状が改善するのかという不安やなるべく早く薄毛や抜け毛を改善したいという思いから薬を飲む量を増やしたいと考える人がいるかもしれません。しかし、薬の量を増やしても薄毛や抜け毛の症状の改善が早まったり効果が上がることはありません。それよりも先述した副作用が強く出てしまう恐れもあります。AGAの薬を飲み過ぎるとどうなるのか、ここでしっかり見ていきましょう。
AGAの薬は自己判断で増量すると健康被害の可能性あり
AGAの飲み薬はどの種類においても副作用の可能性があることは先述の通りですが、薬の量を増やすことにより、副作用が強く出る可能性が考えられます。肝機能障害を例にとると、薬の量が増えるということはその分肝臓の代謝量が増えるため、肝臓への負担が増え肝機能障害が出る可能性が上がります。また、添付文書に記載されている臨床試験における副作用は成人男性に対しての1日の適正量を投与した条件下での結果ですので、適正量以上を飲んだ場合の副作用に関しては調査されていません。記載以外の思わぬ健康被害を起こさないためには、AGAの飲み薬は自己判断で増やして飲みすぎることがないようにしましょう。
AGAの薬は正しい用量で最低3ヶ月以上の長期継続が必要
AGAの薄毛や抜け毛の改善には「ヘアサイクルの正常化」が必要です。ヘアサイクルとは髪の生え変わりの一連を指し、「成長期」、「退行期」、「休止期」に分かれています。AGAではこの「成長期」が脱毛因子の働きにより短縮されることで成長途中の毛が抜けていきます。そこでAGAの飲み薬の「5αリダクターゼ」を阻害する働きにより、脱毛因子の発生を抑制してヘアサイクルを正常化していくのですが、飲み薬開始後には短縮された成長期における未熟な髪が抜け落ち、健康な髪が生える「初期脱毛」という現象が起こることが多く見られます。そのためヘアサイクルの正常化には個人差がありますが最低3ヶ月から平均6ヶ月という期間が必要になります。AGAの飲み薬には、ヘアサイクルの正常化に必要な時間を短縮する作用はありませんので、1日1回の飲み方を3ヶ月以上続けることが大切です。
AGAの治療効果に影響を及ぼす薬の飲み合わせはある?体質や持病に注意
飲み薬の中には、一緒に飲むことで効果に変化が現れる可能性がある組み合わせが存在します。AGAの飲み薬に関しては「併用禁忌」という一緒に飲んではいけない薬はありませんが、注意した方がいい薬や薬以外の影響については覚えておいた方がいいものがありますので、ここで詳しく解説します。
プロペシア服用中に注意が必要な飲み合わせはない
プロペシアの添付文書によると、他の薬剤と併用した時の相互作用は認められなかったという試験結果が記載されており、飲み合わせに注意が必要な薬はないことがわかります。しかし、小児や妊娠または授乳中の女性への投与が禁止されていることと、高齢者の使用には注意が必要ということは覚えておきましょう。
ザガーロには併用注意の薬の成分がある
併用禁忌薬とは「一緒に飲むことで薬の作用に増減が見られたり、副作用が強く出るなど体に良くない影響を及ぼす」薬ですが、併用注意薬は併用禁忌薬ほどの影響はないが何らかの影響が考えられる薬のことで、ザガーロの併用注意薬には「CYP3A4阻害薬」が該当します。CYP3A4とは肝臓に存在する酵素の一種であり、CYP3A4阻害薬とザガーロを一緒に飲むとザガーロの主成分であるデュタステリドの代謝が悪化して血中濃度が上昇します。すると腎機能の低下などが引き起こされる可能性があるため、CYP3A4阻害薬を使用している場合は主治医に相談することをおすすめします。
AGAの薬を飲む前には服用中の薬の有無や体質や持病を必ず伝えよう
「CYP3A4阻害薬」の中には一部の抗生物質や抗真菌薬など短期間のみ服用するものもあるため、AGAの飲み薬を始めた後に使用する場合も処方時に現在服用中の薬の詳細を伝えましょう。また「CYP3A4阻害薬」に限らず、常用している薬や手持ちでたまに使う薬がある場合はもちろん、アレルギーなどの体質や持病についてしっかり自己申告が大切です。特にザガーロの副作用には発疹などのアレルギー反応が出る可能性がありますので、思わぬ重大な副作用を避けるため忘れずに必ず医師に伝えましょう。
AGAの飲み薬の効果を上げる方法
AGAの飲み薬を増量しても薄毛や抜け毛改善の効果は上がりませんが、違う方法で効果を上げるためにできることはいくつか考えられます。AGAの飲み薬の効果を少しでもあげたいと思っている方はぜひ参考にしてください。
ミノキシジル外用薬との併用がおすすめ
ミノキシジルとは、血行促進作用と髪の元の細胞を活性させる作用がある成分でできており、内服薬と外用薬がありますが日本では外用薬のみ承認されています。AGAの飲み薬がヘアサイクルを正常化させるのに対し、ミノキシジルは髪自体を健康に育てる効果が期待できることから、両者を併用することでより薄毛や抜け毛の改善効果が上がると考えられます。ミノキシジル外用薬は「第一類医薬品」のため、薬剤師在中のドラッグストアで購入することもできますが、AGAの飲み薬と併用する場合は効果を判定するためにもAGA専門クリニックで処方してもらうことをおすすめします。
生活習慣の改善や禁煙を始めよう
ヘアサイクルの乱れはAGAによるもの以外に生活習慣やタバコなどによっても起こることがわかっています。そのため飲み薬でのAGA治療に加え、運動不足や睡眠不足を解消したり、血行不良や体の酸化を引き起こす喫煙習慣を見直すなど、自分でできるケアを始めてみてはいかがでしょうか。睡眠中に分泌される「成長ホルモン」には髪の成長を促す作用がありますが、睡眠不足や質の良くない浅い睡眠では分泌量が少なくなってしまいますので、日中適度に運動して熟睡できる環境を整えることをおすすめします。
AGAの薬はAGA専門クリニックでの処方が重要
AGAの飲み薬は、症状に個人差があることや進行スピードや効果によって処方内容が変わることからAGA専門クリニックなどの医療機関で医師の診断のもと処方してもらうことが必要です。しかし、近年インターネットを利用した個人輸入によるAGAの飲み薬の購入が増えています。これはAGAの飲み薬が保険適応外で長期継続が必要なため、自己負担額が大きくなることが原因だと言われていますが、個人輸入の薬には危険が潜んでいるため、購入を考えている方是非ご覧ください。
個人輸入のAGAの薬は危険
AGAの飲み薬の海外板ジェネリックは数も多く、価格も正規品よりかなり安いものが出回っています。しかし、海外板ジェネリックには日本の承認はもちろん各国の承認すらされていないものが多く、安全性や効果に信頼が置けるかわからないと言えます。中には製品自体が偽物であったり、有効成分が入っていないものが販売されているケースや、個人輸入代行業者が悪質で代金を支払っても商品が手元に届かないなどといったケースも報告されています。偽物の薬は健康被害を招くおそれがありますし、重篤な副作用が出た場合も国が行っている救済措置が受けられません。また、自己判断でAGAに薬を飲んでいても効果の判定や治療の見通しをつけられないため、薄毛や抜け毛が思うように改善しないことも考えられます。ぱっと見安価で簡単に入手できるため、つい個人輸入を利用したくなるかもしれませんが、危険が伴うことを忘れないようにしましょう。
まとめ|AGAの飲み薬は信頼できる医師の指示に従って服用しよう
AGAによる薄毛や抜け毛は、外見の変化をもたらし精神的にマイナスになることが多いことでしょう。そのため少しでも効果の高い治療を求めたくなるかもしれませんが、AGAの飲み薬を飲みすぎるのは効果がなく、反対に副作用や思わぬ健康被害を引き起こす原因になる可能性があります。AGAの飲み薬の効果を最大限に生かすためには、自分のAGAをしっかり診察した上で治療してくれる信頼できる医師の指示に従うことが大切です。診察の際は服用中の薬の有無や体質についてもきちんと説明して、最適なAGAの飲み薬の種類や量で処方してもらいましょう。診察料無料でオンライン診療を実施している当クリニックでは、より身近で続けやすいAGA治療を提案していますので、是非お気軽にご相談ください。
監修した医師の紹介
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
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