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【フィンペシアの効果と副作用】個人輸入は危険? 安全にAGA治療をするためには?
薄毛・抜け毛に悩む方にとってもしかすると「フィンペシア」は聞いたことのある薬のひとつかもしれません。今はインターネットから様々な情報が得られるため、そのフィンペシアがAGA治療薬のひとつであるということも知っている方が多いかもしれません。しかし実際のところどんな効果があって、どんな副作用があるかまでを理解するには、さまざまな情報が交錯しており判断するのは難しいものです。今回はそんなフィンペシアのAGA治療薬としての効果・副作用について解説していきます。
■著者■ AGA薄毛予防治療クリニック医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。
フィンペシアについて
フィンペシアについて①:製薬会社
フィンペシアは、1935年に設立されたインドの大手製薬会社「シプラ社」が製造販売しているAGA治療薬です。シプラ社はインドマハーラーシュトラ州ムンバイに本社を置くグローバルに活躍している会社で、アメリカやヨーロッパなど世界の多くの国でシプラ社の医薬品が使われています。代表的な製薬は、抗がん剤、抗エイズ剤、糖尿病薬などがあり、多くの医薬品を取り扱っています。
フィンペシアについて②:フィンペシアの有効成分
フィンペシアの有効成分はフィナステリドとなっており、世界中で使用されているAGA治療薬のひとつであるプロペシアと同じ主成分で構成されています。また、フィンペシアはフィナステリドのジュネリック医薬品として販売されているため、プロペシアよりも比較的安い金額で入手することができます。フィンペシアはAGAにどんな効果がある?
AGAが進行してしまうサイクルとして、男性ホルモンの一種であるテストストロンが5αリダクターゼと結合します。その後5αリダクターゼがテストロンをジヒドロテストステロンに変換し、このジヒドロテストステロンが毛母細胞の男性ホルモン受容体に取り込まれます。これにより正常な毛周期が乱れ、抜け毛・薄毛が引き起こされてしまいます。フィンペシアの主成分であるフィナステリドには、この5αリダクターゼの働きを抑制するため、抜け毛や薄毛を予防する効果が期待できるとされています。
フィンペシアとプロペシアの違い
フィンペシアとプロペシアの違い①:薬の有効成分は同じで違いはない
フィンペシアとプロペシアの主成分は同じであると説明をしましたが、違う薬品名のためどんな違いがあるのか気になる方も多いかと思います。フィンペシアとプロペシアの分類としては上記にある通り「5αリダクターゼの働きを抑制」する働きがあるため「Ⅱ型5α-還元酵素阻害薬」と分類されています。その点では違いはありません。
フィンペシアとプロペシアの違い②:金額
その他に大きな違いと言えば金額です。国内でも広くAGA治療薬として利用されているプロペシアですが、保険適用外となり自由診療のため全額負担となります。地域やクリニックなどにより金額の前後はありますが、プロペシア1ヵ月あたり大体7,000円~10,000円が相場となっています。一方フィンペシアは、国内のクリニックでの処方を受けると1カ月あたり大体7,000円前後のようです。プロペシアよりも比較的安い金額で入手できることが多いという点で、「フィンペシアは他の治療薬と比べて安い」といわれています。
フィンペシアとプロペシアの違い③:国内未承認薬と国内承認薬
後ほど詳しく説明をしますが、フィンペシアとプロペシアには「国内承認薬かどうか」という点で大きな違いがあります。フィンペシアは実は日本では厚生労働省がAGA治療薬として認可しておらず、基本的には国内で薬局などで入手できない薬となっています。フィンペシアはどのくらいで効果が感じられる?
一般的にはフィンペシアでの効果は平均6カ月ほどで得られるといわれています。しかし個人差が大きく、3ヵ月で効果を実感する方もいれば、効果を得られなかったと感じる人も一定数いるようです。また効果がないからと言ってフィンペシアを増量させても効果がないとされており、6ヵ月連続服用しても効果がない場合、服用を中止をするように言われる場合もあります。※個人差が大きい部分であるため、服用に関しては医師の判断を仰ぐようにして下さい。改めてフィンペシアは国内未承認薬です。
フィンペシアが効かない人はなぜ効かない?
AGAの発症・進行に大きく影響しているのが、還元酵素というものです。これは部位によって特徴があり側頭部・後頭部はⅠ型の還元酵素の影響、前頭部(M字)・頭頂部はⅡ型の還元酵素の影響を受けています。フィンペシアの主成分であるフィナステリドは、Ⅱ型の還元酵素にしか効果がありません。そのためⅠ型の還元酵素の影響を受けているAGA患者の方がフィンペシアを服用しても効果を感じることができないのです。
フィンペシアの副作用
以前のフィンペシアには「キリンイエロー」と呼ばれる発がん性が疑われている物質が含まれていたという報告があります。現在のフィンペシアには含まれていませんが、どんな物質なのか不安な方もいらっしゃると思いますので、解説していこうと思います。
2007年に報告された研究により、キリンイエロー(人工着色料)の摂取により子供にADHDのような行動を引き起こす可能性がある。と発表されたことにより各国が人工着色料の摂取制限を決めたりなど、大きな影響を与えることとなりました。そのためキリンイエローを使用しているフィンペシアも「安全性は定かなのか?」と疑問を持たれるきっかけになりました。しかしその後、科学的に着色料が行動効果との関連性が立証できない。と発表されました。このように対立意見の報告があがったのですが、その両方を裏付ける証拠もなく、現在でも人工着色料などの規制は国によって判断が分かれています。そのため、正確には「キリンイエローには発がん性物質が含まれているのか分かっていない」というのが結論となります。しかし心配する声も多くあり、フィンペシアもキリンイエローフリーといってキリンイエローが含まれない新しいタイプの薬を発売するようになりました。フィンペシアは国内未承認薬! 通販は危険?
①フィンペシアは手に入れるのが難しい? 国内未承認薬の実態。
フィンペシアとプロペシアの違いについてお話をした際に、「フィンペシアは国内未承認薬のため、国内で手に入れることができない」とお伝えしましたが厳密にいうと「個人入手」なら可能です。厚生労働省はフィンペシアをAGA治療薬として認可していませんが、「個人のために海外の業者から購入する」事は認めており、違法ではありません。そのため通信販売(通販)などを利用して、フィンペシアを個人輸入する方もいます。この場合、クリニックで処方されるより比較的安く手に入るため、一部のAGAに悩む方に通信販売が利用されているようです。また、クリニックで処方されているともお話をしましたが、実は取り扱いがあるクリニックは少なく、もしあなたがフィンペシアを利用したいと思っていても通える範囲内にあるクリニックで処方されているかなど確認する必要があります。フィンペシアを手に入れるまでこういったハードルがあるため、通信販売を利用する人が一定数います。
②フィンペシアの通販は危険? 知っておきたい注意事項。
安く手に入るなら通販で購入したいと考える方もいらっしゃるかと思います。しかし通販には思わぬ危険がひそんでいます。通販は安く簡単に手に入るメリットもありますが、利用する前にデメリットも含めて確認するようにしましょう。
(1)通販にはニセモノがひそんでいる。
残念ながら、世界の流通品のおよそ1割はニセモノが出回っている可能性があるといわれています。万が一ニセモノに当たってしまった際、思っているような効果が得られず、最悪の場合健康被害が発生してしまう可能性があります。流通しているニセモノは日々進化しており、プロでも見抜くのが難しいものもあります。
(2)違法販売されている可能性がある。
先ほど日本の厚生労働省では「個人入手」は認めているとお話をしましたが、これは自分のために入手し自分が利用する場合に許されているものです。個人輸入業者サイト以外で売られているものは「転売」であり、売る方も買う方も犯罪行為になります。そのため通販を利用したいと考えている方は、金額だけではなく実績のある信用できる輸入業者サイトを利用するようにしましょう。
(3)副作用が出た際にすぐに対応できない。
フィンペシアには稀ではあっても多くの副作用の可能性があります。また個人輸入の場合「全て自己責任」という扱いになってしまうため、深刻な副作用が出てしまっても自分の責任であるという認識が大前提です。実際のところ使ってみないと分からないという部分ではありますが、万が一副作用が出てしまってもそれまでの治療歴などが明確でなかったりなどして、病院もすぐに対応できない可能性もあります。そういった健康面での不安があるため、個人輸入はおすすめできない部分があります。安全なAGA治療を受けるために
フィンペシアについて、製薬会社から副作用、ネット通販での注意点なども踏まえ解説してきました。いかがだったでしょうか。ネットでフィンペシアを検索すると安さを売りにした通販サイトが多く目に入ってきます。またサイトによっては副作用について明記していないところもあり、効果の部分だけを鵜呑みにしてしまいそうになります。どんなに安全といわれている薬でも必ず副作用があり、またその効果は個人差が大きい部分でもあります。今回この記事を通して、フィンペシアを利用するメリットだけではなくデメリットについてもしっかり確認して頂けたらと思います。AGAを今すぐ治療したい、効果を実感したいと感じている方にとってネット通販はとても便利なように感じますが、それに伴う健康被害のリスクを十分に理解し、できればまずは医療機関である専門医院やクリニックを受診するようにしましょう。医療機関で治療を進めると、薬による副作用にいち早く気付くことができ、その都度適切な処置を受けることができます。多少お金がかかっても、やはり安全に治療を受けるためにはこういった医療機関を利用することが大切です。
医師紹介
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師 柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。
next.【医師監修】AGA治療薬の個人輸入・通販に注意
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