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  • 男性と女性の脱毛症の違いとは?特徴や治療法について徹底解説

    男性と女性の脱毛症の違いとは?特徴や治療法について徹底解説!

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    薄毛や抜け毛に悩む男性の中には「なんで男性ばかりが薄毛や抜け毛になるのだろう?」、と思っている人がいるかもしれません。
    しかし、女性も男性同様に薄毛や抜け毛を引き起こす脱毛症を発症する可能性があり、中には「分娩後脱毛症」など女性特有の脱毛症も存在するため、薄毛や抜け毛は男性だけのお悩みではありません。
    そこで今回は、男性と女性それぞれに見られる脱毛症の特徴やメカニズムの違いを解説するとともに、治療方法の違いやその理由についてくわしく解説します。
    男性と女性の脱毛症の違いを知り、自分の薄毛や抜け毛について知識を深めた上で予防や対策を始めましょう。
    【記事のポイント】
    ・男性に見られる脱毛症AGAとは
    ・女性に見られる脱毛症FPHLとは
    ・男性と女性に共通して見られる脱毛症とは
    ・男性と女性それぞれの脱毛症に対する治療法とは
    ・男性と女性の脱毛症によくある質問

    ■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

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    男性に見られる脱毛症AGAとは

    AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略称で、「男性型脱毛症」と呼ばれています。
    その名の通り男性特有の脱毛症であり、成人以降の男性における薄毛の大半がAGAによるもので、進行性の脱毛症のため発症すると自然に治ることはないと言われています。
    ここではAGAについて以下の項目でくわしく解説します。
    ・AGA(男性型脱毛症)の特徴
    ・AGAの原因とメカニズム

    AGA(男性型脱毛症)の特徴

    AGAの主な症状は「薄毛」と「抜け毛」ですが、症状の出方には以下のような特徴があります。
    ・M字型:前頭部を正面から見たときにアルファベットのMの字に薄毛が発症するパターンで、剃り込み部分が奥深く切れ込んでいくものの前頭部の中央部分の髪は残ります。
    そのため脱毛の初期には髪全体のボリュームにあまり変化が見られず、前髪を伸ばしたヘアスタイルでは薄毛に気付きにくいタイプです。
    ・O字型:頭頂部を上から見たときにアルファベットのOに見える薄毛のパターンで、頭頂部を中心に境界がはっきりしない円形の薄毛が見られます。
    頭頂部縫うすげが見られるため、髪全体がボリュームダウンしているように見え、日本人に多いタイプと言われています。
    ・U字型:M字型とO字型が進行して融合したパターンで、側頭部と後頭部の髪が残ったアルファベットのUの形に見えます。
    脱毛斑が広いため重症度が高い状態です。

    AGAの原因とメカニズム

    ・AGAの原因:AGAは「男性ホルモン」と「遺伝」の2つが主な原因と言われています。
    原因となる男性ホルモンは「ジヒドロテストステロン(DHT)」で、「テストステロン」という男性ホルモンが「5αリダクターゼ」という酵素と結びついて変換されます。
    ・AGAのメカニズム:AGAの抜け毛や薄毛は本来髪が成長するはずの期間がジヒドロテストステロンのはたらきにより産生される「脱毛因子」によって短縮されることで起こります。
    髪の成長や生え変わりは「ヘアサイクル」と呼ばれ、「成長期」「退行期」「休止期」に分けられ成人男性では1周期を3〜5年として繰り返しています。
    髪はヘアサイクルの「成長期」に髪の元となる「毛母細胞」が細胞分裂を繰り返して太く長い毛に成長します。
    AGAは、脱毛因子のはたらきで成長期が1年〜数ヶ月という短い期間に短縮され強制的に終了することで、髪が成長途中で抜けることや生えにくくなることで抜け毛が増え薄毛になることがわかっています。

    女性に見られる脱毛症FPHLとは

    FPHL(Female Pattern Hair Loss)は「女性型脱毛症」で、女性に見られる薄毛や抜け毛を症状とする脱毛症の総称です。
    男性の脱毛症AGAに対し、頭にFemaleをつけた「FAGA」という病名が一般的ですが女性の脱毛症の原因は男性ホルモンや遺伝だけでは説明できないため、FPHLという病名の使用が増えています。
    今回の記事ではAGAとの違いを分かりやすく比較するために、FAGAという病名を使用しますので、以下の女性の脱毛症についてそれぞれ解説します。
    ・FAGAの特徴
    ・FAGAの原因とメカニズム
    ・分娩後脱毛症の特徴
    ・分娩後脱毛症の原因とメカニズム

    FAGAの特徴

    FAGAの主な症状は、分け目が広がって地肌が見える範囲が増えたり、頭頂部の毛が細くなって抜け毛が増えることが挙げられます。
    進行はゆるやかで髪全体のボリュームが減っていき、AGAのように特定の部位に症状が出ることは少ないという特徴があります。
    このように症状が特定の箇所のみではなく広範囲に広がっている状態を「びまん性」というため、FAGAを「びまん性脱毛症」と表現する場合があります。

    FAGAの原因とメカニズム

    FAGAは「女性男性型脱毛症」の意味で、女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが崩れることが原因で発症するため、女性特有のホルモンバランスの変化が現れる更年期以降に多く見られると考えられていました。
    しかし近年の研究では男性ホルモンだけが発症の原因ではないと考えられ、まだすべての原因やメカニズムは解明されていませんが、発症要因としては「加齢」「遺伝」「ホルモンバランスの乱れ」「ダイエット」「ストレス」などさまざまなものが挙げられます。
    FAGAの進行パターンには「ルードヴィヒ分類」が使われることが多く、Ⅰ型〜Ⅲ型の3つのパターンに分けられ頭頂部や分け目の薄毛がびまん性に進行する過程を示しています。
    ルードヴィヒ分類による進行パターンでは、最終段階に移行しても薄毛症状以外の部位では毛量が減少しない傾向が見られるため、AGAとの違いがあることがわかります。

    分娩後脱毛症の特徴

    女性特有の脱毛症としてもうひとつ代表的なのが「分娩後脱毛症」です。
    妊娠や出産において体内の女性ホルモン量が大きく変化することにより、一時的に大量の抜け毛が発症する脱毛症です。
    産後2〜3ヶ月から大量の抜け毛が現れ、抜け毛の量には個人差がありますがかなり大量の抜け毛が見られることも多く不安を伴うケースが多いようです。
    しかし、多くの場合は半年から1年後や授乳が終わって女性ホルモンのバランスが落ち着くタイミングで自然に回復すると言われています。

    分娩後脱毛症の原因とメカニズム

    妊娠中多く分泌される女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」には、髪を成長させ抜けにくくするはたらきがあるため妊娠中は抜け毛が減少します。
    その後出産によりエストロゲンの分泌量が妊娠前の量に戻るため、エストロゲンによって維持されていた髪が一気に抜けるという現象が起こります。
    太く長い健康な髪が一気に抜けるため、大量の抜け毛に不安になることが多い脱毛症ですが、ヘアサイクルの正常化とともに自然に治るため治療の必要はありません。
    分娩後脱毛症と同じように低用量ピルの長期服用をやめた後、女性ホルモンのバランスが変化することによって抜け毛が起こる可能性がありますが、こちらもほとんどの場合時間の経過とともに自然に治ると言われています。

    男性と女性に共通して見られる脱毛症とは

    脱毛症の中には男女や年齢問わず薄毛や抜け毛を発症するものがあり、それぞれ原因や治療が異なります。
    そのため薄毛や抜け毛に気づいたときに、自分の状態がどの脱毛症に当たるのかを知り専門の診療科の受診や治療にあたる必要があります。
    ここでは以下の脱毛症についてくわしく見ていきましょう。
    ・円形脱毛症
    ・脂漏性脱毛症
    ・牽引性脱毛症
    ・抜毛症
    ・薬剤性脱毛症

    円形脱毛症

    円形や楕円形の脱毛斑が特徴の脱毛症で、初期段階では数ミリのごく小さな脱毛班から始まり、最終的に頭髪すべてが抜け落ちる状態まで進行する可能性があります。
    ストレスが原因ははっきり解明されていませんが、橋本病などの甲状腺疾患や尋常性白斑など「自己免疫疾患」の罹患者に円形脱毛症を発症する場合が多いことから、なんらかの関係があると考えられているほか、「アトピー性皮膚炎」や「遺伝」や「ストレス」も深い関係があると言われています。
    多くは1〜2年で自然に治ると言われていますが予防は難しく、発症すると治癒後も再発する可能性が高いという特徴があります。
    治療にはカルプロニウム外用薬が使われることが多く、重症例では副腎皮質ステロイドホルモン剤の注射や内服が選択されることもあります。

    脂漏性脱毛症

    頭皮の皮脂が過剰に分泌され、皮脂をエサにする「マラセチア菌」という頭皮の常在菌が異常繁殖して炎症を引き起こす「脂漏性皮膚炎」が原因の脱毛症です。
    頭皮の炎症が慢性化し髪へ十分栄養が供給されなくなることから、髪の成長が阻害されて薄毛や抜け毛が引き起こされます。
    過剰な皮脂が混ざった黄色っぽいベタベタした固まりのフケが特徴で、頭皮の赤みや痒みを伴うこともあります。
    脂漏性皮膚炎の治療として副腎皮質ステロイド外用薬が使用されることが多く、皮膚炎の改善とともに脱毛症も軽快していきます。

    牽引性脱毛症

    髪をきつく縛る時間が長いなど、髪を引っ張る外力が長期的に持続して毛根がダメージを受け、髪の固定力が低下し抜けやすくなることが原因の脱毛症です。
    ポニーテールなどのヘアスタイルを長年続けている長い髪の女性に多く見られますが、長年分け目が同じやオールバックで髪を固めている男性にも見られるため男女どちらにも発症します。
    薬などの治療は必要なく、ヘアスタイルを変えたり髪や頭皮の負担を減らすことで改善される可能性があります。

    抜毛症

    トリコチロマニアとも言いますが、自分で髪や体毛を抜いてしまう脱毛症です。
    年齢や性別関係なく発症しますが、精神的なストレスが大きな原因と言われており、学童期や思春期に見られることが多い脱毛症です。
    自分で髪を抜くことをやめれば治りますが、抜くことそのものをやめさせるよりも「なぜ抜いてしまうのか」を受け止め、必要であれば適切な心のケアを受けることが重要です。

    薬剤性脱毛症

    薬剤性脱毛症は「抗がん剤」によるものと「抗がん剤以外の薬剤」によるものに分けられます。
    抗がん剤は細胞のはたらきを抑制するため、毛母細胞の分裂が減少することで髪が成長できす抜け毛や薄毛が起こる「成長期脱毛」で、抗がん剤以外の薬剤では長年の服用により休止期が延長し髪が生えにくくなる「休止期脱毛」だと言われています。
    どちらも原因となる薬の服用を中止すれば徐々に回復すると言われています。

    男性と女性それぞれの脱毛症に対する治療法とは

    男性と女性の脱毛症は原因やメカニズムに違いがあるため、治療法も同じではないことがわかっています。
    そのため男性の脱毛症治療薬を女性に使用することや、その逆もおすすめできません。
    ここではそれぞれの脱毛症の治療方法について効果や違いをくわしく解説します。
    ・AGAの主な治療方法
    ・FAGAの主な治療方法

    AGAの主な治療方法

    AGAの主な治療は内服薬と外用薬による投薬治療です。
    治療薬には「5αリダクターゼ阻害薬」の内服薬と「ミノキシジル」の外用薬があり、どちらも厚生労働省に承認されています。
    「5αリダクターゼ阻害薬」には、テストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を阻害し、脱毛因子の産生を防いで抜け毛や薄毛を予防する目的があります。
    5αリダクターゼⅡ型のみを阻害する「プロペシア(フィナステリド)」とⅠ型Ⅱ型両方を阻害する「ザガーロ(デュタステリド)」があり、症状の重症度などにより医師の判断で選択されます。
    「ミノキシジル」には血管拡張作用と毛母細胞や毛乳頭細胞を活性化させるはたらきがあり、薄毛や抜け毛症状がある部位に直接塗布して発毛を促します。
    5αリダクターゼ阻害薬による薄毛予防効果とミノキシジルによる発毛促進効果を併用することで、よりAGA治療効果が上がるとおすすめされています。

    FAGAの主な治療方法

    FAGAの治療は「ミノキシジル」の外用薬の使用やサプリメントの内服に加え、「メソセラピー」や「HARG」といった注入治療が選択されることがあります。
    FAGAの場合は5αリダクターゼ阻害薬の有効性が認められていないため、AGA内服薬は使用できません。
    ほかにも日本国内で承認された内服薬は存在しないため、サプリメントの摂取による栄養補給が勧められます。
    FAGA向けサプリメントの成分は、髪の主成分であるケラチンというタンパク質の生成を促す「L-リジン」や、アミノ酸をケラチンに変換するサポートの働きをする「亜鉛」「パントテン酸」「ケラチン加水分解質」「ビタミンB群」といった成分が挙げられます。
    「メソセラピー」や「HARG」はFAGAのみではなくAGAの治療としても選択されますが、メソセラピーの場合は施設によって女性向けに「プラセンタ」を配合するなど治療内容に違いがある場合も見られます。
    また、FAGAとAGA療法の治療として「赤色LED照射」がありますが、医療用のLEDライトを照射して毛母細胞や毛乳頭細胞を活性させる目的で使用され、痛みなどのダウンタイムがないことから気軽にできます。
    注入治療とLED治療は定期的な通院が必要なため、通いやすい施設を探す必要があります。

    男性と女性の脱毛症によくある質問

    男性と女性の脱毛症について、世間一般的によく聞かれる質問をまとめましたので、気になる内容をぜひチェックしてください。
    ・AGA治療薬は女性が使っても効果がない?
    ・女性の髪が男性のように広範囲に抜け落ちないのはなぜ?
    ・子どもに遺伝しやすいのは男性と女性どちらの脱毛症?

    Q:AGA治療薬は女性が使っても効果がない?
    A:AGA治療薬である「プロペシア(フィナステリド)」と「ザガーロ(デュタステリド)」は女性への適応がなく、脱毛症診療ガイドラインにも「女性型脱毛症には内服を行うべきではない」という記載*があります。
    理由は女性に対するプロペシア(フィナステリド)の内服試験結果から硬毛化やプラセボ(薬効がなく、効果の比較対象のために服用する偽薬)との有意差が認められなかったことと、AGAと比較しても発毛効果に対して高い水準の根拠が認められないこととされています。
    また、AGA内服薬は女性にとっては男性ホルモンの作用が大きく、ホルモンバランスの乱れを起こす可能性があります。
    ホルモンバランスの乱れは自律神経に影響し、動悸や頭痛などの身的症状やイライラなど精神面の不調をまねくおそれがありますので、女性にとって悪影響となる可能性がありますので服用しないようにしましょう。
    さらに、「プロペシア(フィナステリド)」と「ザガーロ(デュタステリド)」の成分は男胎児の生殖器の発育に影響する可能性があるため、妊娠中や妊娠の可能性がある女性は飲むことはもちろん触れても成分を吸収するため取り扱いに注意しましょう。
    *参考文献:「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」(https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf

    Q:女性の髪が男性のように広範囲に抜け落ちないのはなぜ?
    A:AGAでは脱毛因子により成長途中の髪が強制的に成長をストップされることで抜けていくため、脱毛因子が生成され続けると抜け毛がどんどん進行していき広範囲に広がって最終的に全て抜け落ちます。
    女性の脱毛症の場合は女性ホルモンが一定量分泌されるため、極端に男性ホルモンが優位になることはないと言われています。
    そのため成長途中の髪が抜けるのではなく、髪が細くなって全体的なボリュームが減る進行パターンをたどるため広範囲の脱毛が見られにくいと言えます。

    Q:子どもに遺伝しやすいのは男性と女性どちらの脱毛症?
    A:男性の脱毛症と女性の脱毛症はどちらも遺伝的な要素が大きいと言われています。
    AGAにおいては5αリダクターゼの活性度とジヒドロテストステロンを取り込む「アンドロゲンレセプター」の感受性はどちらも遺伝することがわかっており、父方母方どちらにもその可能性はあると言われています。
    女性の脱毛症の場合、ホルモンが関係するFAGAにおいては母から娘へ遺伝する可能性が高いと言われています。
    つまり、男性女性どちらでも脱毛症を発症した場合は子どもに遺伝する可能性があると言えるでしょう。

    まとめ|男性と女性の脱毛症は専門クリニックに相談しよう

    薄毛や抜け毛症状がある脱毛症は、男性女性どちらにも発症する可能性があります。
    どちらも早期発見と早期治療が重要なため、なるべく早い段階でそれぞれの専門クリニックに相談することが大切です。
    男性の場合はAGA専門クリニック、女性の場合は美容皮膚科やAGA専門クリニックの女性外来などがおすすめです。
    それぞれの脱毛症は原因や治療法が違うため、自分の症状に合わせた最適な治療を受けることが大切ですので、診察に抵抗があったり通院が難しい場合には都合のいい場所や時間に利用できる「オンライン診療」を利用して気軽に相談してはいかがでしょうか。
    自分に合った方法で、安心安全な治療を継続していきましょう。

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