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デュタステリドをやめるとどうなる?後悔しないAGAの知恵袋
みなさんは、デュタステリドというAGA治療薬をご存じでしょうか? 既にAGA治療中で服用しているという方も多いかもしれません。デュタステリドはAGA治療薬としても有名で、日本国内でもジュネリック医薬品などが販売されています。AGAに対する治療薬としてはその効力も認められていますが、中には「効果を感じることが出来なかった」「他の薬も試してみたい」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。しかしデュタステリドを含むAGA治療薬を、独断で服用の中断をしてしまうのはAGA治療を無駄にしてしまう可能性も有ります。今回はAGA治療薬として有名なデュタステリドの解説をしながら、もし服用をやめたらどうなるのか、について解説をしていきます。
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
デュタステリドってどんな薬?
デュタステリドは、イギリスのグラクソ・スミスクライン社が開発したAGA治療薬です。2001年に開発されたのち、日本では「ザガーロ」の名前で、2016年から販売されており、AGA治療薬としても比較的新しい部類の内服薬です。デュタステリドは最初からAGA治療薬として誕生したのではなく、元々は前立腺肥大症の薬「アボルブ」として開発されたものが元になっています。アルボブの副作用のひとつとして発毛症状が発見され、そこからAGA治療薬として効果があるのではないか、と研究が行われました。
AGAはなぜ発生する?
デュタステリドがAGAに効く理由を知るためには、まずはAGAがなぜ発生してしまうのかを知る必要があります。AGAは遺伝的要因が強く、薄毛の8割以上の原因は遺伝によるものであるとされています。AGAはA(Androgen:男性ホルモン)+G(genetic:遺伝)+A(Alopecia:脱毛症)の略です。男性ホルモンにはテストテロンと呼ばれるものがあり、このテストテロンは男性の機能の維持や筋肉の量を増やしたり肥大させる作用などがあります。通常であれば男性らしい体付きを維持するために必要になるホルモンですが、その働きからAGAの原因になるホルモンのひとつでもあります。このテストテロンは、5αリダクターゼ(5α還元酵素)と呼ばれるものと結びつき「ジヒドロテストステロン(DHT)」と呼ばれる男性ホルモンに変換されます。このジヒドロテストロンがホルモン受容体に取り込まれ毛母細胞の働きを低下させ毛髪の成長サイクルを狂わせてしまい、AGAの特徴である抜け毛や薄毛を発生させてしまいます。
デュタステリドは、なぜAGAに効果がある?
デュタステリドは、5αリダクターゼを阻害する働きがあります。5αリダクターゼはⅠ型とⅡ型が存在しており、デュタステリドの場合Ⅰ型Ⅱ型の両方に作用します。5αリダクターゼを阻害する薬としてプロペシアもありますが、プロペシアは5αリダクターゼⅡ型を阻害する薬のため、比べるとデュタステリドの方が作用範囲が広いと言えます。プロペシアで効果が感じにくかった、という方でもデュタステリドに変えることで効果を感じることが出来たという例もあります。服用量は基本的には成人男性で1日1回1錠となっており、効果を実感するまでには最低でも3ヵ月~半年かかると言われています。
デュタステリドの副作用は?
デュタステリドで重篤な副作用を起こすのは希ではありますが、主に以下のような副作用が報告されています。
・勃起不全
・性欲減退
・精液量減少
・射精障害
・発疹
・肝機能障害 などデュタステリドの副作用は自分では気づきにくいようなものもあるため、服用中に体調の異変を感じたらすぐに担当医に相談するようにしましょう。上記に書かなかったものの他には、乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)などといった症状も報告されています。このように副作用は非常に幅広く存在しており、副作用の発生がまれであるとしても、服用は注意して行う必要があります。
デュタステリドをやめるとどうなる?
デュタステリドとAGAの関係性について解説を行ってきましたが、デュタステリドをやめたらAGAの症状はどうなってしまうのでしょうか? 様々な理由で薬の服用をやめたい、と考えている方もいらっしゃるかと思いますが、どんな薬も独断でやめてしまう、または服用することはオススメできません。特に「効果がないから服用をやめたい」「もう十分効果を感じたから薬は必要ない」と考えている方は、要注意です。今までのAGA治療を無駄にしてしまう可能性もあり、後悔することになるかもしれません。ここからはデュタステリドをやめるとどうなるのか、詳しく解説をしていきます。
リバウンドを起こし、抜け毛が増える
デュタステリドの服用をやめると、デュタステリドで抑制していたAGAが再び進行してしまい、抜け毛が増え始めます。他の記事でも触れていますが、リバウンド現象が起きるということです。「効果がない」と感じていた方でも、デュタステリドの作用によって、服用中はAGAの進行を遅延させることができていた可能性もあります。そのため薬の服用をやめたら、服用する前よりAGAが酷くなったと感じてしまうこともあります。また「デュタステリドを飲み、十分な効果を得られた」と感じた方でもリバウンドにより、元の状態に戻っていってしまいます。AGAは完治することがないため、薬を中断すると現状をキープすることがどうしても難しいものです。せっかく治療で満足できていたのに服用をやめてしまうことにより、治療が無駄になってしまう・・・なんてこともあります。
ヘアサイクルが乱れ、頭皮環境が悪くなる
毛母細胞はヘアサイクルを司る大切な組織ですが、AGAによって通常の働きを阻害されることにより、ヘアサイクルが乱れてしまいます。ヘアサイクルが乱れるということは、上記のような抜け毛が増えることにもなりますし、全体的な頭皮環境が悪くなりやすいです。そのためフケが出やすくなったり、痒みが出やすくなったりと、AGAでよくある症状が見られるようになっていきます。またヘアサイクルは生涯に回数が決まっており、髪の毛は永遠に生えてくるというわけではありません。そのため、ヘアサイクルが乱れ縮まるということは、生涯の髪の毛の寿命を縮めていることにもつながります。薬の服用を中止することで、自ら髪の毛の寿命を縮めてしまう可能性があるということも頭に入れておきましょう。
デュタステリドの服用中止は、必ず医師に相談を!
デュタステリドの服用を中止するリスクについても、知っていただくことができたかと思います。その上でも「やっぱり服用を中止したい」と考える方もいらっしゃるかと思います。現在デュタステリドを服用中の方で服用を中断したい方は、必ず担当医師に相談するようにしましょう。AGA治療を卒業するのか、薬を変えたいのか、一時的に中断をするのか・・・状況によって様々かと思いますが、対応が変わってきます。自己判断で中断や薬の変更をしてしまったばかりに「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、自己判断での中断は避けるようにしましょう。
医師紹介
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
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