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AGAについて

  • 男性と女性の脱毛症に違いはある?男性女性に共通する脱毛症と特有の脱毛症をそれぞれ徹底解説!

    「男性と女性では抜け毛や薄毛の症状に違いがあるって本当?」
    「脱毛症は男性と女性で同じ治療ができるの?」
    抜け毛や薄毛症状が気になる脱毛症にはさまざまな種類があり、それぞれに原因やメカニズムがあり治療方法も異なります。
    さらに、脱毛症の中には男性特有や女性特有のものがあり、同じ治療では効果が期待できない場合があるため自己判断で抜け毛治療するとかえって抜け毛や薄毛を悪化させてしまう可能性があるため注意が必要です。
    今回は、男性と女性に共通する脱毛症とそれぞれに特有の脱毛症について、原因やメカニズムと治療法法などについてくわしく解説します。
    脱毛症はそれぞれの原因と症状に合わせた適切な治療が必要なため、抜け毛や薄毛が気になる方はぜひ参考にして、自分に合った治療ができる病院やクリニックに相談しましょう。

    ■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

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    男性と女性に共通する脱毛症とは

    脱毛症とは抜け毛や薄毛を発症する病気の総称ですが、皮膚炎や頭皮環境などが原因となる脱毛症や原因が解明されていない「円形脱毛症」などさまざまな脱毛症があります。
    ここでは、男性女性どちらにも発症する可能性がある4つの脱毛症についてくわしく解説します。
    どの脱毛症も、抜け毛や薄毛使用上を改善するためには適切な治療を受けることが大切ですので、気になった方は早めに皮膚科などの脱毛症治療を行なっている医療機関を受診しましょう。

    円形脱毛症

    境界がはっきりした円形や楕円形の脱毛斑が特徴の脱毛症で、数ミリ程度の小さな脱毛班や世間一般によく知られる「10円ハゲ」と言われる貨幣大の脱毛斑などが1箇所もしくは複数箇所発生しますが、進行すると「全頭型」という頭髪すべてが抜け落ちる状態になる重篤な脱毛症です。
    原因は解明されていませんが、自分の体を守るはずの免疫がなぜか自分の細胞を外敵とみなし攻撃してしまう「自己免疫疾患」のひとつという考えが有力で、多くは1〜2年で自然に治ると言われています。
    治療には脱毛斑の部分に直接塗布する塩化カルプロニウムや副腎皮質ステロイドの外用薬が使われることが一般的ですが、頭髪以外に眉毛やまつ毛も抜けていく全頭型のような重症例では、入院加療での副腎皮質ステロイドホルモン剤の点滴や内服治療が行われるケースがあります。

    脂漏性脱毛症

    脂漏性脱毛症とは、頭皮の皮脂が過剰に分泌されることが原因で皮脂をエサにする「マラセチア菌」という常在菌が異常繁殖して起こる、頭皮環境を著しく悪化させる「脂漏性皮膚炎」の慢性化が原因の脱毛症です。
    脂漏性皮膚炎が慢性化すると頭皮の炎症を抑えるために、栄養や酸素が優先的に使われ髪が栄養不足の状態となり、髪の成長の阻害や髪を頭皮に維持する能力が低下することで抜け毛や薄毛が引き起こされます。
    耳の後ろや生え際に発症しやすく、過剰な皮脂の分泌が特徴のため黄色っぽいベタベタした皮脂と混ざり合った多量の固まりのフケが特徴で、頭皮の赤みやかゆみを伴うこともあります。
    治療にはまず脂漏性皮膚炎の改善が必要で、炎症に対し副腎皮質ホルモン外用ローションを塗布するとともに、マラセチア菌の殺菌効果があるシャンプーを使用することもおすすめです。
    脂漏性皮膚炎の改善とともに脱毛症も軽快していくケースが多いですが、脂漏性皮膚炎は再発しやすいため治療が終了しても殺菌シャンプーで1日1回頭皮を清潔にし、汗をかいたらこまめに拭くなど皮脂の分泌を過剰に増やさないようにしましょう。

    粃糠性脱毛症

    粃糠性脱毛症は、頭皮に粃糠(米ぬか)のような細かくサラサラしたフケが大量に発生し、毛穴を塞ぐことで皮膚炎を起こすことが原因の脱毛症です。
    頭皮に赤みやかゆみが現れることが多く、過乾燥やヘアケア製品による刺激などがきっかけとなって皮膚炎が発症し、悪化とともに抜け毛や薄毛の症状が現れます。
    抜け毛や薄毛の改善には頭皮の炎症を抑えることが大切ですので、皮膚科などの医療機関で治療を受けるとともに、頭皮をローションなどで保湿する習慣をつけ、ヘアケア製品を低刺激にするなど見直しましょう。

    牽引性脱毛症

    髪に長時間や長期間にわたり引っ張る力が加わり毛根がダメージを受け続けることが原因で、頭皮内で髪を固定する力が低下して抜け毛や薄毛になるのが牽引性脱毛症です。
    髪をきつく束ねるポニーテールなどのヘアスタイルを長年続けている場合や、いつも同じ分け目やオールバックなどのヘアスタイルで髪を固めている場合に多く、男女どちらにも発症する可能性があります。
    牽引性脱毛症の改善には、ヘアスタイルを変えて頭皮の負担を減らすことが重要で、負担が減るとともに徐々に抜け毛や薄毛が改善されることが期待できます。

    男性に見られる脱毛症AGAとは

    AGAとは、男性型脱毛症という名前の通り男性のみに発症する脱毛症で、成人男性の3人に1人に発症すると言われています。
    ここでは男性のみに発症する理由として、原因やメカニズムと特徴をくわしく見ていきましょう。

    AGAの原因とメカニズム

    AGAの原因
    AGAの原因には、「ジヒドロテストステロン」という男性ホルモンによるものと、遺伝による2つの由来があることがわかっています。
    ジヒドロテストステロンは、テストステロンという男性ホルモンが「5αリダクターゼ」という酵素と結びついて変換される男性ホルモンで、第二次性徴期の声変わりや体毛の増加などに大きく関わっていますが、成人以降はAGAや皮脂分泌を増加させるはたらきがあります。
    また、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5αリダクターゼの活性度と、ジヒドロテストステロンがはたらくための受容体の感受性は遺伝により引き継がれるため、AGAの原因は遺伝であることがわかっています。
    AGAのメカニズム
    AGAの原因のひとつであるジヒドロテストロンは、「アンドロゲンレセプター(ホルモン受容体)」に取り込まれると、「TGF-β」という髪の成長をストップさせて抜けるよう促す「脱毛因子」を産生します。
    TGF-βはもうひとつの脱毛因子である「FGF-5」に抜け毛を起こさせるよう伝達するため、FGF-5がスイッチとなり髪の元である「毛母細胞」に栄養や発毛指令を送っていた毛乳頭細胞の活動がストップします。
    すると、成長途中の髪が抜け落ちて抜け毛が増え薄毛になるというのがAGAのメカニズムです。

    AGAの特徴

    前額の左右の剃り込み部分が深く切れ込み、前から見た時にアルファベットのMのように見えるパターンの薄毛や、頭頂部の中心から薄毛が広がりOのように見えるパターンを示す薄毛がAGAの特徴として見られ、日本人男性は比較的O字型が多く自分で気付きにくいと言われています。
    AGAが進行すると、M字とO字の薄毛が融合して上から見たときにU字に範囲が広がり、最終的に側頭部や後頭部の一部分以外の髪が抜け落ちていきます。

    AGAの治療方法

    AGA治療は内服薬と外用薬による投薬治療が基本となっています。
    日本で承認されている治療薬には、「プロペシア(フィナステリド)」と「ザガーロ(デュタステリド)」という「5αリダクターゼ阻害薬」の内服薬と、「ミノキシジル」の外用薬があります。
    5αリダクターゼⅡ型のみを阻害するプロペシア(フィナステリド)と、Ⅰ型Ⅱ型両方を阻害するザガーロ(デュタステリド)には、どちらもテストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を阻害し、脱毛因子の産生を防いで抜け毛や薄毛を予防する目的があります。
    外用薬のミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として使用されていましたが、血管拡張作用と毛母細胞や毛乳頭細胞を活性化させるはたらきが認められ、第一類医薬品として外用薬が発毛剤として承認されています。
    AGAはその人に合わせた最適な治療を選ぶことが大切ですので、ひとりで悩まずにAGA専門クリニックに相談することをおすすめします。

    女性に見られる脱毛症FAGAとは

    FAGAとは「FemaleAGA」の略で、女性男性型脱毛症という男性ホルモンが原因で発症する女性の抜け毛や薄毛を指します。
    しかし近年の研究で、女性の抜け毛や薄毛の原因は男性ホルモン由来だけではないことがわかってきたため、ここでは女性特有に見られる脱毛症のAGAとの違いについてくわしく解説します。

    FAGAの原因と特徴

    FAGAの原因としては以下が考えられます。
    ・ホルモンバランスの乱れ
    ・加齢
    ・遺伝
    ・急激なダイエット
    ・ストレス
    FAGAは「エストロゲン」という女性ホルモンの減少により男性ホルモンが増加することで発症する更年期以降に多く見られる女性の脱毛症だと考えられていました。
    しかし、ホルモンバランスが崩れること以外の遺伝や急激なダイエットなどの原因で、更年期以前の若年層でも抜け毛や薄毛が発症することがわかっており、AGAのようにジヒドロテストステロンと遺伝が原因とはっきり断言できません。
    FAGAは「ルードヴィヒ分類」により、Ⅰ型〜Ⅲ型の3つのパターン別に頭頂部や分け目の薄毛が進行するとみられています。
    ルードヴィヒ分類による進行パターンでは、最終段階に移行しても頭髪全体が抜け落ちることが少ないため、最終的にほぼ全部の頭髪が抜け落ちるAGAとは違います。

    FAGAのメカニズム

    FAGAはAGAと同じように、ジヒドロテストステロンのはたらきにより脱毛因子が生成されることで、髪の生え変わりの「ヘアサイクル」が乱れ成長途中の髪が抜けたり細く短い髪が増えるというメカニズムで発症します。
    また、エストロゲンには髪を太く長く成長させるはたらきがあるため、更年期以降エストロゲンの分泌が減少することでFAGAを発症しやすくなることは、AGAとの大きな違いだと言えるでしょう。

    FAGAの治療方法

    FAGAの治療は、発毛促進効果のある外用薬と、髪に栄養を与え成長を促すサプリメントが基本となっています。
    AGAと同じようにミノキシジル外用薬が厚生労働省により承認されていますので、6ヶ月以上の長期的な使用を前提として治療をおすすめします。
    ただし、女性の場合は1%の製剤に限られていますので、自己判断で高濃度のミノキシジルを使用することはおすすめできません。
    FAGAには外用薬以外の承認薬はないため、髪の主成分であるケラチンというタンパク質の生成を促す「L-リジン」や、アミノ酸をケラチンに変換するサポートの働きをする「亜鉛」「パントテン酸」「ケラチン加水分解質」「ビタミンB群」といった成分を含んだサプリメントの摂取がおすすめです。
    FAGAの治療にAGA治療薬を使用できるか気になるかもしれませんが、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛診療ガイドライン2017」によると、FAGAにおいては5αリダクターゼ阻害薬の有効性が認められていないため、フィナステリドやデュタステリドの内服を行うべきではないとされています。
    さらに、妊婦への投与はジヒドロテストステロンの低下により男胎児の生殖器の発育に影響するため、妊婦や妊娠の可能性のある女性と授乳中の女性への使用は禁忌とされており、服用のみではなく触れることも禁止されているため注意しましょう。

    まとめ

    男性と女性の脱毛症は、原因や症状に違いが見られ治療法が異なるものと、共通した原因で発症する脱毛症があります。
    そのため抜け毛や薄毛の症状の出方や程度と、頭皮の状態や髪の状態をよく観察して自分に合った治療をできるだけ早く始めることが大切です。
    抜け毛や薄毛が気になったら、自己判断で治療や対策する前にまずはAGA専門クリニックに相談しましょう。
    参考文献 「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」(https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf

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