ベルトリドの偽物の見分け方は？どうやって入手する？

ベルトリドは、2006年に設立されたインドのインタスファーマ社が開発したAGA治療薬の内服薬です。日本ではベルトリドではなく「ザガーロ」という商品名で発売されているため、ベルトリドと聞いてまり馴染みなく感じる方がいらっしゃるかもしれません。ベルトリドはザガーロと同じデュタステリドという有効成分が含まれており、同じ効果を得られるAGA治療薬の中では格段に安い治療薬として注目を集めています。そのため「できるだけ安いもので、効果を実感できる薬で試したい」という方に人気があります。

AGAは男性ホルモンの一種であるテストステロンが5αリダクターゼと結びつくことで、ジヒドロテストステロン（DHT）が生成され、さらにこのジヒドロテストステロンがホルモン受容体に取り込まれることで頭皮にある毛母細胞に働きかけAGAへと導きます。ベルトリドの有効成分であるデュタステリドは、AGAの根本的な原因である5αリダクターゼを阻害する働きがあります。また5αリダクターゼのⅠ型Ⅱ型両方に作用するため、Ⅱ型を阻害するAGA治療薬プロぺシアで効果を感じる事ができなかった、という方でもより広い範囲に作用するベルトリドを試して効果が実感できたという方もいらっしゃいます。

基本的にどのAGA治療薬でも効果が実感できるまでは最低半年間以上と言われています。ベルトリドも同様で効果を感じるまで最低でも半年間～1年間かかると言われており、その後効果を維持するために飲み続けていく、または何らかの治療を継続して行っていく必要はあります。このように見ると個人差はあれど効果を実感するまでには比較的長い期間での治療を考えていく必要があることが分かります。また治療の過程においてベルトリドは通常ミノキシジル外用薬と併用して使用していくのが一般的な治療です。ミノキシジルは発毛促進効果があり、時に「攻めの治療薬」などと言われることもあります。一方でベルトリドは抜け毛の原因になる物質を防ぐという観点から「守りの治療薬」と言われることもあり、この2つのベルトリドとミノキシジルを使っていく事でより効率的に治療を進めることができます。

・性欲減退
・精液量の減少
・勃起不全
・乳房の肥大や痛み　など
ベルトリドの副作用はフィナステリドを有効成分とする他のAGA治療薬と同じく、男性機能に関する副作用が多い傾向にあります。どのAGA治療薬にも副作用は付きものですが、発生頻度は多くはありませんので過度に心配しすぎる必要もありません。しかし副作用の可能性がある症状が現れたら、どんなに小さなことでも主治医に相談するようにしましょう。

AGA治療薬に関して日本国内では厚生労働省が認可していない治療薬は、基本国内で購入することができません。そのためベルトリドを使う場合には個人輸入という形になります。国内未認可薬を個人輸入で使う、と聞くと「犯罪では？」と思われるかもしれませんが、治療薬の個人輸入は厚生労働省も認めている合法的な手段です。ただし第三者に販売や譲渡することは固く禁止されていますので、自分が使うために購入し必ず自分で使う必要があるということは忘れないようにしましょう。

合法的に治療薬の個人輸入ができると言っても、必ずしもそれがおすすめな方法とは限りません。個人輸入するにあたって現地での調達などは個人で行うのは大変難しいものです。そのためほとんどの方はインターネット通信販売を利用してそこから個人輸入という形で薬を購入することになります。現在では多くのインターネット通信販売サイトが存在しており、長く続く大手のサイトもあります。インターネット通信販売の利点は「安く」「通院の手間なく」「手軽に」購入できるという点です。実際に通勤・通学などをしながら通院するというのは大変だと感じる方も多いですし、長いスパンで考える必要のあるAGA治療において治療費も悩みの種です。その部分をカバーしてくれる通信販売は日本国内でも人気が高いですが、注意をしないと偽物を知らず知らずのうちに使っている可能性もあり大変危険です。

残念ながら一部の偽物の薬の流通が確認されており、インターネット通信販売を利用する限りその可能性は0ではありません。偽物の薬の見分け方などを公開しているサイトもありますが、そのほとんどは素人判断には難しく、偽物の薬も巧妙で日々進化をしています。偽物の薬は本物の薬と成分が違っている、または中身が全くの別物という可能性もあり、健康被害を招く恐れもあります。特にAGA治療薬では副作用が一定の割合で発生することが確認されているため、医療機関を通していないと万が一の際に対応が遅れてしまうなんてことも考えられます。インターネット通信販売を利用しての個人輸入は偽物の薬を掴まされてしまう可能性があるというリスクを受け入れて利用するしかありません。どうしても利用したい場合は医療機関を通して相談するなど万が一の際の対策をとっておくと安心です。

AGAは進行性の病気であるため、一度発症してしまうとどんどん症状が悪化していってしまいます。そのため自力で完治させることはまずできません。気になる症状があるという方は、早い段階でAGA専門医院やクリニックを受診することをおすすめします。しかし治療を行いながら生活習慣の改善を行うことは、AGA対策や酷くならないための予防として効果を期待できます。

⇒【医師監修】薄毛・男性型脱毛症(AGA)と睡眠の関係
https://aga-yobou.jp/aga/usuge-suimin
⇒薄毛・AGAの方必見、薄毛予防に効果的な食事とは？
https://aga-yobou.jp/aga/shokuji-eat

AGA治療中にも生活習慣の指導をされることはよくありますが、その中でも睡眠や食生活の指導が多く、AGAの予防や対策にも欠かせません。何から始めればいいか分からないという方や、AGAの改善のためにもっと日常生活でできることを取り入れたい、という方は今からでもできることばかりですので、是非参考にしてみてくださいね。

■この記事の著者■　AGA薄毛予防治療クリニック　医師

柏﨑　喜宣　（かしわざき　よしのり）

名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。