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  • 【医師監修】AGA治療中にEDになった際の注意点・改善方法

    AGA治療中にEDになった際の注意点と食事やサプリによる改善方法

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    「薄毛を改善するためにAGA治療薬を服用していると、性欲がなくなってEDになる」という噂が以前から世間一般に広まっていることをご存知でしょうか。この噂を耳にした男性で、実際にAGA治療中に性欲が減ったと感じた場合「このままAGA治療を続けたらEDが進行するのでは?」と不安になるかもしれません。

    そこで今回は、「AGA治療とEDに因果関係があるのか」また「AGA治療中にEDの症状が出たらどうすべきか」について詳しく解説します。さらにAGA治療中でもできるED対策として、食事やサプリメントなどによるセルフケアについても紹介します。AGA治療を安心して継続できるよう、ぜひ最後までご覧ください。

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    ■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

    AGAとは

    AGA(男性型脱毛症)とは「Androgen(男性ホルモン)+Genetic(遺伝)+Alopecia(脱毛症)」の略で、名前の通り男性ホルモンと遺伝が関係した薄毛や抜け毛が主な症状の脱毛症です。成人男性の3人に1人にAGAを発症する可能性があると言われており、症状の進行に伴い外見の印象を左右する恐れがあります。まずここではAGAとはどんなものかについて理解を深めましょう。

     

    AGAの原因とメカニズム

    ・AGAの原因:AGAは、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という男性ホルモンの一種が、頭頂部や前額部に多く分布している「ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)」に取り込まれて発生する「脱毛因子」によって髪の成長が阻害されることによって起こります。
    また、AGAにおいてははジヒドロテストステロンの量や、ホルモン受容体の感受性が高いほど発症確率が上がるとわかっていますが、これらは遺伝的要因が大きく関わっています。そのためAGA発症者が多い家系では、AGAになる可能性が高く、遺伝がAGAの原因であるといえます。

    ・AGAのメカニズム:髪の毛は生えてから一定期間成長すると自然に抜け落ち、また新しい髪の毛が細胞分裂を繰り返し成長するという「ヘアサイクル(毛周期)」を繰り返しています。成人男性のヘアサイクルは3〜5年といわれており、そのうち髪が成長する「成長期」はヘアサイクルの85〜90%を占めており、この時期に「脱毛因子」の働きで髪の毛が健康に育たないと薄毛や抜け毛といったAGA症状となって現れてくるのです。
    脱毛因子は、「テストステロン」という男性ホルモンが「5αリダクターゼ」という還元酵素と結びつくことにより「ジヒドロテストステロン」に変換されるという過程を経てホルモン受容体に取り込まれると発生します。したがって、5αリダクターゼの活性度とホルモン受容体の感受性が高い男性ほどAGAを発症する可能性が高いと言えるでしょう。

    AGAの症状と進行パターン

    AGAの主な症状は「抜け毛の増加」と「部分的な薄毛」で、髪の毛が健康に成長できず細く短いまま途中で抜けてしまう、という特徴があります。そしてAGAの進行パターンは、見た目の型で3つに分けられています。

    ①M字型:前額部の左右に薄毛の症状が出るため、正面から見たときにアルファベットの「M」のように見える特徴があり、日本人に多い方と言われています。

    ②O字型:頭頂部を中心に円形の薄毛症状が出るため、上から「O」のように見えます。円形の抜け毛というと「円形脱毛症」との識別が必要ですが、円形脱毛症は境界がはっきりした脱毛斑ができるのに対し、AGAでは境界がはっきりしないことが特徴です。

    ③U字型:M字型とO字型を併発して、側頭部と後頭部以外の毛が抜けている状態で上から「U」のように見えます。抜け毛の範囲が広く、AGAの症状が最も進んだ重篤な段階です。

    代表的なAGAの治療薬と副作用

    AGAの治療として日本で承認されている薬には、ジヒドロテストステロン変換を減少させるための「5αリダクターゼ阻害薬」や頭皮の血行促進と髪の元になる「毛母細胞」を活性させる外用薬があります。それぞれの特徴と気になる副作用について解説します。

    プロペシア(フィナステリド)

    プロペシアは日本で初めて承認されたAGA治療薬です。ジヒドロテストステロンの生成を抑えるための「Ⅱ型5αリダクターゼ阻害薬」でできています。フィナステリドは厚生労働省より承認されているプロペシアのジェネリックであり、効果効能に差は見られずプロペシアよりも安価です。
    ・副作用:①性欲減退(1.1%)②勃起不全(0.7%)③肝機能障害(0.2%)
    プロペシアの添付文書によると、副作用として性欲減退や勃起不全などが挙げられていますが、副作用発生頻度はかなり低いため服用にあたってさほど心配する必要はないと言えるでしょう。
    参考:プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg添付文書

    ザガーロ(デュタステリド)

    ザガーロもプロペシアと同じく5αリダクターゼ阻害薬ですが、ザガーロは「Ⅰ型Ⅱ型リダクターゼ阻害薬」のためプロペシアよりも作用範囲が広く、治療の第一選択にされることが増えています。デュタステリドはザガーロのジェネリックで、効果効能に差は見られずザガーロよりも安価です。
    ・副作用:①勃起不全(4.3%)②性欲減退(3.9%)③精液量減少(1.3%)④肝機能障害⑤倦怠感
    臨床試験データから見ると、性に関する副作用がプロペシアよりは若干多いことがわかりますが、全体数から見ると副作用発生頻度は低いことがわかります。
    参考:ザガーロカプセル0.1mg/ザガーロカプセル0.5mg添付文書

    ミノキシジル(外用薬)

    ミノキシジルには血管拡張作用があり、直接頭皮に塗布して経皮吸収させ毛母細胞に栄養を送っている毛細血管の血行改善と毛母細胞の活性化を図ります。ミノキシジルには内服薬がありますが、日本国内では承認されていません。
    副作用:①かぶれなどの皮膚症状(約2.3%)②めまいや頭痛などの神経系症状(約0.6%)
    ミノキシジル外用薬は直接皮膚に塗布するため、皮膚が弱い方やアレルギーのある方は皮膚症状が出る可能性があります。皮膚症状以外の全身性症状は1%以下とごくわずかです。
    参考:厚生労働省「ミノキシジルのリスク区分について

    EDとは

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    「AGA治療するとEDになる」という噂が先行し、ちょっとした変化でも「EDになったのでは?」と不安になる男性がいるかもしれません。そこでEDの症状やメカニズムと治療方法について解説しますので自分の状態がEDなのかチェックしてください。

    EDの症状

    EDとはErectile Dysfunctionの略で、勃起障害という以下の状態を指します。
    ・一切勃起できない
    ・短時間勃起するが性交には不十分である
    ・一貫性がなく有効な勃起に至る
    今までに一度も勃起したり勃起を持続できていない場合を「原発性ED」、以前はできていたが後に勃起できなくなった場合を「続発的ED」と呼び、EDに悩む男性の多くは続発的EDであることがわかっています。

    EDの原因とメカニズム

    EDの原因は①器質性(動脈硬化や神経障害)②心因性(ストレス)③混合型(①と②が重なったもの)④薬剤性(一部の種類の薬剤)の4つに分けられています。
    EDは脳からの性的刺激を伝達する神経系の働きと、陰茎に血液を送る血管系の働きのどちらかもしくは両方の働きが悪くなることで起こります。そのため生活習慣病などによる動脈硬化や脳梗塞や外傷などで神経が障害を受けた場合や、解熱鎮痛剤や筋弛緩薬、不整脈治療薬や利尿剤や降圧剤、消化性潰瘍治療薬などの長期服用による血管障害と神経障害、仕事や生活上の精神的ストレスや性に関するトラウマなどによる神経障害などが具体的な原因として挙げられますが、原因が一つではないことが多いため自分の状態をしっかり把握することが大切です。

    EDの治療方法

    EDの根本治療には、「器質性の原因となる病気の治療」「心因性原因の除去」「原因となる薬剤の中止」が必要ですが、病気の治療や原因薬剤の中止などは医師の診察が必要ですので、体の状態やED症状改善の重要性などにより判断してもらいましょう。ここでは対症療法となる「ED治療薬の内服」について解説します。
    勃起には「cGMP」という物質が筋肉を緩ませて血管を拡張させ、陰茎に多量の血液が流れ込むことで起こります。そして射精後や性的興奮が収まると「PDE5」という物質がcGMPを分解して血流が戻り勃起が終了します。日本でED治療薬として使用されている「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」はいずれもPDE5を阻害する働きがあり、cGMP優位の勃起しやすい状態にします。一時的に症状を改善したいという対症療法には有効ですが、これらの内服薬ではEDの根本治療にはならないため、生活習慣や食生活の改善といった根本的な治療につながるセルフケアが大切です。

    AGA治療中におすすめなED予防と対策

    AGA治療中にEDの症状が出た場合やこれから症状が出るかもしれないと不安がある場合には、まずはすぐに始められるセルフケアを実践することをおすすめします。EDは生活スタイルや食生活とも深い関わりがあるため、日々の生活を見直すことで症状が改善される可能性があります。まずは手軽にできる食事内容や食生活の見直しや、ED症状緩和に効果が期待できるサプリメントについてできるところから取り入れていきましょう。

    積極的に摂りたい栄養素を含む食品

    EDでは、血行不良により骨盤内の血液の流れが阻害され勃起を妨げてしまうため、症状改善や予防には血液をサラサラにして循環を良くする必要があります。そのためには「おさかなすきやね」*という健康ワードの食品を積極的に摂りましょう。
    「お」お茶(緑茶)もしくはオリーブオイル(エキストラバージンオイル):緑茶に含まれるカテキンには、コレステロール値や中性脂肪を下げる働きや、抗酸化作用による血管の老化防止効果があります。オリーブオイルにはドロドロになった血液を溶かしやすくする不飽和脂肪酸が含まれています。
    「さ」魚(サバ、イワシ、アジ、サンマなど):青魚には不飽和脂肪酸であるDHAやEPAが多く含まれており、中性脂肪を減らしてコレステロールの合成を抑制して血液を溶かしやすくする働きがあります。
    「か」海藻(わかめ、昆布、もずく、のりなど)海藻はアルギン酸という水溶性食物繊維を多く含んでいるため、中性脂肪を吸着して体外に排出する働きがあり、代謝を促進するミネラルも豊富です。
    「な」納豆:納豆には独自成分の納豆キナーゼという成分があり、血のかたまりを溶かす作用があります。納豆のもとである大豆には脂質代謝を促進するビタミンB12も多く含まれています。
    「す」食物酢:酢酸やクエン酸には赤血球の膜を柔らかくする働きがあるため、血流がよくなります。
    「き」きのこ類:コレステロールを下げるβカロテンや血糖の上昇を抑える食物繊維が多く含まれています。
    「や」野菜:利尿作用があり血圧を下げる効果があるきゅうりやスイカなどのほか、抗酸化作用のあるビタミンCを多く含む果物類には血流が良くなる効果があります。
    「ね」ねぎ類(玉ねぎ、長ネギ、ニンニクなど):アリシンという特有のにおいの成分には血をかたまりにくくする働きがあります。
    *福井県予防医学協会HP参照(https://www.fukui-yobou.or.jp/autum.pdf

    避けるべき食事と食生活

    ED改善のために避けるべき食事は、血行不良の原因となる「高カロリー」「高脂肪」「高塩分」な食事です。それぞれ具体的にどんなものか見ていきましょう。

    ・高カロリー食:揚げ物や脂身の多い肉、スナック菓子やカップ麺などは高カロリーなものが多く、摂り続けていると動脈硬化のおそれがあるといわれています。動脈硬化になると血管が硬くなり勃起時に必要な血液が不足する可能性があります。成人男性では1日に必要なカロリーはおおよそ2000〜3000kcal程度ですので、大幅にカロリー摂取が多くならないようカロリー計算する習慣をつけましょう。

    ・高脂肪食:ジャンクフード(ピザやハンバーガーなど)、チーズ、生クリーム、マヨネーズ、バターなどの動物性脂肪が多い食事も動脈硬化のおそれがあります。また、高脂肪食はバイアグラやシアリスなどED治療薬の効果を減少させるため、ED治療薬の服用を検討している男性は特に注意しましょう。

    ・高塩分食:カップ麺などのインスタント食品、スーパーやコンビニの食材を食べ続けていると、塩分過多で高血圧になり、動脈硬化を引き起こす可能性があります。外食中心の食生活も塩分が多くなることが多いため、当てはまる男性はなるべく自炊して塩分を減らした食事を多くすることをおすすめします。
    食生活:ED症状の改善や予防のためには、食事の内容とともに食べ方も見直しましょう。毎日決まった時間に食事を摂ることや、食事時間を確保し1回の食事で最低20分はかけるようにして早食いしないこと、深夜の食事や過度な飲酒は控えるといった食生活を意識して、食品に含まれる栄養素を効率よく吸収した血液をしっかり循環させましょう。

    サプリメントで摂取できるED対策におすすめの成分と服用方法

    食生活や食事の見直しは日々の努力が必要なため、1日でガラッと変えられるものではありません。そのため自分で摂取しにくい栄養素をサプリメントで補うことは有効な手段になります。また、サプリメントに含まれる成分の中にはED症状の緩和や予防のサポートになるものも販売されていますので、おすすめの成分を紹介します。ドラッグストアやネットショップで手軽に入手できるものが多いため、検討してはいかがでしょうか。
    ・アルギニン:アルギニンは体内で吸収されると「一酸化窒素」に変化します。この一酸化窒素が血管を拡張し、血行不良によるED症状改善につながるといわれています。アルギニンは体内で生成されにくいため、食事やサプリメントで摂取すると効率よく体内に吸収できます。精力増強効果があるとして有名な「マカ」は主成分がアルギニンを含むアミノ酸で、他にミネラルやビタミンが含まれている求婚野菜から抽出されたものですので、他の栄養素も同時に摂取したい場合は検討してください。
    ・亜鉛:亜鉛には「テストステロン」という男性ホルモンを増加する働きがあります。テストステロンが増えるとやる気や性欲が増加するといわれており、性生活のスイッチを入れるサポートが期待できます。また、亜鉛が不足していると精子の運動率が下がるといわれているため、妊活中の男性は不足することがないよう摂取したいものです。
    ・シトルリン:シトルリンはアミノ酸の一種で、アルギニン同様一酸化窒素を生成する働きがあります。シトルリンはウリ科のスイカやメロンやきゅうりに多く含まれており、比較的摂取しやすい成分ですが苦手な方はサプリメントの利用がおすすめです。

    AGA治療とEDの因果関係

    AGA治療中にED症状が出る可能性は、頻度が少ないとはいえゼロではありません。ですのでもしED症状が出ても焦らずにできる対処お策をとることをおすすめします。ここではED症状が出た時の対策と、対策中気をつけたいことを解説します。

    AGA治療中にED症状が出たら治療をやめるべき?

    AGAの内服治療中にED症状が出た場合は、自己判断で服用を止めることはおすすめできません。まずはAGA治療を受けているクリニックなどの医療機関に相談しましょう。ED症状が出た時期や症状の強さなどから、AGA治療とは因果関係が認められないこともありますし、AGAの治療効果がどのくらい出ていて今後どこまで治療効果を求めるかも治療継続についての判断材料になります。AGAは治療を中断してしまうとまた症状が再発する可能性が高く、症状が進行するほど治療が難しくなります。そのため内服を中止するのではなく減薬して薬の効果を抑えながら継続するなどの方法も考えられます。いずれにせよ、自己判断でAGA治療をやめて今までの治療を無駄にしないよう、早めに専門医に相談しましょう。

    個人輸入によるED治療薬購入は危険

    ED症状を実感するとなるべく早く改善したいと思うでしょう。中にはEDについて相談するのが恥ずかしいからと、個人輸入で購入できるED治療薬を使用したいと思う男性がいるかもしれません。しかし、ED治療薬の個人輸入には偽物や商品が届かないなどのトラブルが多いことが問題になっています。厚生労働省の発表*では、ネット入手のED治療薬のうち約60%が偽物であったという調査結果が見られています。偽物の中には成分が入っていないもののほかに不純物が混入しているものもあり、服用による健康被害が発生する可能性もあります。日本には薬による重度の健康被害にあった場合、医薬品副作用救済制度という治療費や入院費を支給してもらえる制度がありますが、これは病院などで処方された薬を適正に使用していたことが条件のため、個人輸入で購入した薬の場合は適用されません。EDの症状改善が見られない上に思わぬ健康被害を受けることがないよう、個人輸入によるED治療薬購入をせずにまずはAGA治療を受けているクリニックに相談しましょう。
    *厚生労働省HP参照(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002w4wd-att/2r9852000002w570_1.pdf

    まとめ|AGA治療中のED症状は食生活の改善と専門医への相談が大切

    AGAの治療中にED症状が出る可能性はありますが、すぐに治療薬の副作用だと考えて治療を自己判断でやめてはいけません。AGA治療は長期にわたることが多いため、時間の経過とともにEDを発症する原因も増えていくことが考えられます。今起きているEDの症状がAGA治療と因果関係があるのかは、専門医に相談し判断を仰ぐことが大切です。また、ED症状の改善や予防のためには日常の食生活改善も大切です。まずは今回紹介した方法でED対策してはいかがでしょうか。

    監修医師の紹介

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    ■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

    これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。

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