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脱毛因子が抜け毛の原因?AGAと脱毛因子の関係を徹底解説
わたしたち人間の髪はうぶ毛の状態から太く長く成長し、一定期間成長を続けると自然に抜け落ちて時間が経つとまた新しい髪が生えきます。
この自然な生え変わりを繰り返す中で、髪が抜け落ちるタイミングは「脱毛因子」の働きによるものであることをご存知でしょうか。
「抜け毛が増えた」「頭頂部や額が薄くなった気がする」といった気になる抜け毛の増加には、脱毛因子が影響しているかもしれません。
今回は、抜け毛に関する正しい知識として「脱毛因子」についてくわしく解説します。
抜け毛のメカニズムやAGAとの関係性などについての知識を増やすとともに、脱毛因子が影響する抜け毛の予防や対策方法についても紹介しますので、抜け毛が気になる男性はぜひ最後までご覧ください。
【記事のポイント】
・脱毛因子と抜け毛の関係とは
・脱毛因子の影響が大きい髪の生え変わりサイクル(ヘアサイクル)の特徴とは
・脱毛因子とAGAの関係とは
・脱毛因子による抜け毛の対策方法とは■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
脱毛因子と抜け毛の関係とは
脱毛因子とはタンパク質の一種で、「TGF-β」と「FGF-5」という2種類が抜け毛に関係していることがわかっています。
ここでは以下の具体的な脱毛因子と抜け毛の関係と、脱毛因子の働きについて理解を深めましょう。
・脱毛因子による抜け毛のメカニズム
・脱毛因子TGF-βの働き
・脱毛因子FGF-5の働き脱毛因子による抜け毛のメカニズム
自然な髪の生え変わりの一連は「ヘアサイクル(毛周期)」と呼ばれ、「成長期」「退行期」「休止期」に分類されています。
髪は成長期に「毛母細胞」が「毛乳頭細胞」から発毛の指令と栄養を受け取って、細胞分裂を繰り返していくことで太く長く成長します。
一定期間成長を続けて成長期の後半に入ると、「脱毛因子」である「TGF-β」がもうひとつの脱毛因子である「FGF-5」に抜け毛を起こさせるよう伝達し、FGF-5がスイッチとなり成長期から退行期に切り替わることで髪の成長がストップし、毛母細胞に栄養を送っていた毛乳頭と毛細血管が離れることで、髪は頭皮内の固定力を失い抜ける準備に入ります。
そして、休止期を経て新しい髪の成長により次第に押し上げられるようにして抜けていくのが、脱毛因子による抜け毛のメカニズムです。脱毛因子TGF-βの働き
TGFとは「Transforming growth factor」というトランスフォーミング増殖因子の略で、TGF-βは細胞増殖や免疫機能を調整する「細胞スイッチ」と知って重要な役割を持っています。
骨芽細胞やコラーゲンの合成や増殖を促進する働きがある反面、毛乳頭や毛母細胞を含む上皮細胞の活動を抑制する働きがあるため、髪の成長をストップさせる役割を持つ脱毛因子です。
TGF-βは、男性ホルモンの一種である「ジヒドロテストステロン」が「アンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)」に取り込まれることによって生成され増殖します。脱毛因子FGF-5の働き
FGF-5は「Fibroblast growth factor」という線維芽細胞増殖因子の一種です。
線維芽細胞の増殖を促し、血管を新しく作ったり傷口を治す重要な働きがある反面、髪に抜け毛の指令を出すスイッチの役割を持つ脱毛因子で、TGF-βからの伝達を受けることで作用すると言われています。
通常は髪の成長期の後半に発現し、毛乳頭のFGF受容体と結合することで成長期と退行期を切り替えていますが、なんらかの原因でTGF-βが過剰に増えてFGF-5に働きかけると髪が充分成長する前の成長期の途中で切り替えが起こり抜け毛が増える可能性があります。脱毛因子と細胞増殖因子のバランスが抜け毛の量に影響する
FGF-5の抜け毛を誘導する機能に対し、線維芽細胞増殖因子には「FGF-5s」というFGF-5の働きを阻害する働きを持つ因子があり、FGF-5とFGF-5sのバランスにより抜け毛の量が左右されます。
自然な抜け毛のサイクルでは、成長期の初期から後半の間はFGF-5sがFGF-5の働きを抑制して髪が抜けることなく成長しますが、髪の成長が終了に近づく時期になるとFGF-5の量がFGF-5sを上回り、抜け毛を誘導すると言われています*。
*参考文献:線維芽細胞増殖因子の調節により毛成長を促す研究 (https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj1979/35/3/35_3_231/_pdf)脱毛因子の影響が大きい髪の生え変わりサイクル(ヘアサイクル)の特徴とは
自然な髪の生え変わりには適量の脱毛因子の働きが必要ですが、脱毛因子の働きが過剰になるとヘアサイクルの異常や抜け毛が増えるおそれがあります。
ここでは脱毛因子が必要以上に働いた場合に引き起こされる抜け毛について、正常な抜け毛との違いや特徴を見ていきましょう。
・脱毛因子が増えた場合に起こるヘアサイクル(毛周期)の変化
・正常な抜け毛と脱毛因子が影響した抜け毛の違い脱毛因子が増えた場合に起こるヘアサイクル(毛周期)の変化
正常な成人男性のヘアサイクルは、成長期が3〜5年で全体の80〜90%を占めています。
そして、退行期がおよそ2〜3週間で全体の1〜2%と最も短い時期に当たり、休止期が2〜3ヶ月程度で全体の10〜20%という割合で構成されています。
脱毛因子が過剰に増えた場合、成長期が短縮されて休止期が長くなり割合が逆転することもあり、髪が成長できない状態が長くなることが特徴です。
また、ヘアサイクルは生涯でおよそ15回程度と回数に限界があるため、成長期が短くなった分早くヘアサイクルの限界がくると年齢にかかわらず髪が生えなくなる可能性があります。正常な抜け毛と脱毛因子が影響した抜け毛の違い
・うぶ毛や細く短い毛が多い:脱毛因子が過剰に働くと成長期が短くなり、髪が成長する前に抜けてしまうため「抜け毛にうぶ毛や細く短い毛が多い」、「ハリやコシがなく弱々しい」という特徴があります。
正常な成長期を経て抜けた髪の毛には太く長いという特徴がありますので、抜け毛を観察すると違いがはっきりわかるでしょう。
・毛の根本が黒い:正常なヘアサイクルでは成長期の最終段階になると、毛母細胞へメラニン色素を供給しなくなるため髪の根本が白くなるという特徴があります。
そのため髪の根本が黒い場合は脱毛因子の働きにより髪が成長している途中で抜け落ちたと考えられます。脱毛因子とAGAの関係とは
AGA(男性型脱毛症)はヘアサイクルの異常によって抜け毛が増える脱毛症のため、脱毛因子の働きが大きく影響しています。
AGAは日本の成人男性の3人に1人が発症すると言われており、発症率の高さから男性の誰もが正しい知識を持ち、早めに対策していくことが大切です。
抜け毛や薄毛が気になり「もしかしてAGAかも」と思った場合、すぐに対策できるように以下のAGAの基礎知識を知っておきましょう。
・AGAの原因と脱毛因子の関係
・AGAの特徴と脱毛因子の関係
・AGAの治療方法AGAの原因と脱毛因子の関係
AGAの原因のひとつには、「ジヒドロテストステロン(DHT)」が「アンドロゲン(男性ホルモン)レセプター」に取り込まれ、髪の成長を終了させ抜け落ちるよう指令を出す「脱毛因子(TGF-β)」を発生することが挙げられます。
ジヒドロテストステロンは、「テストステロン」という男性ホルモンが「5αリダクターゼ」という還元酵素と結びついて変換される男性ホルモンの一種です。
AGAの発症しやすさは、5αリダクターゼの活性度とアンドロゲンレセプターの感受性が影響し、これらは遺伝情報として引き継がれることがわかっています。
アンドロゲンレセプターの感受性の高さは母方の祖父や曽祖父から遺伝しますので、脱毛因子が増えやすいかのチェックには母親方の男性にAGAを発症した人がいたかを調べることがひとつの方法になるでしょう。
また、5αリダクターゼの活性度の高さは父親母親の両方から遺伝することもわかっていますので、家系にAGAを発症した人がいると自分もAGAを発症する可能性があると考えられます。AGAの特徴と脱毛因子の関係
AGAを発症すると、ジヒドロテストステロンの増加がきっかけとなり脱毛因子TGF-βが発生し、FGF-5に働きかけて毛乳頭細胞に成長期を終了させ退行期に移行するよう指令を出します。
強制的に成長期から退行期を経て休止期へと移行するため、髪が太く長く成長する前に抜け落ちていくことで急激に薄毛や抜け毛の症状が現れるのです。
また、脱毛因子はアンドロゲンレセプターで生成されますが、分布部位が前額部や頭頂部に多いことからイニシャルの「M」「O」のように見える薄毛や抜け毛症状がAGAの特徴と言われています。AGAの治療方法
主なAGA治療方法は以下の4種類で、それぞれ治療目的が違うため併用が可能です。
①内服薬治療
5αリダクターゼを阻害しジヒドロテストステロンの生成を抑える働きの、「フィナステリド」と「デュタステリド」を主成分にした内服薬による治療です。
ジヒドロテストステロンの過剰な生成を抑えることで脱毛因子の増加を防ぎ、ヘアサイクルを正常に戻す目的で使用されます。
②外用薬治療
血行促進と毛母細胞の活性作用がある「ミノキシジル」という成分の外用薬を、薄毛や抜け毛の気になる部分に直接塗布し発毛を促す治療です。
内服薬でヘアサイクルの正常化を図り、外用薬で髪の成長を促進する併用治療によりAGAの治療効果が高くなると言われています。
③注入治療
髪の成長を促す「成長因子」やミネラルやビタミンといった成分を注射などで直接頭皮に注入する治療です。
「メソセラピー」と「HARG」という治療に分かれており、メソセラピーには薬剤の種類に決まりはなく各施設でそれぞれ期待できる効果を組み合わせたオリジナルの配合を注入しますが、HARGは「AAPE」というヒト幹細胞由来の成長因子を使用し、認定をけた医療機関でのみ瀬術が受けられます。
④植毛
アンドロゲンレセプターの分布が少なくAGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の健康な髪を採取し、薄毛や抜け毛部分に移植する外科治療です。
傷ができ、採取部分の髪は再生しないというデメリットがありますが、移植後に定着した髪はAGAの影響を受けずにヘアサイクルを繰り返すと言われており、部分的な根治治療ができます。脱毛因子による抜け毛の対策方法とは
脱毛因子は抜け毛に作用する以外にも、細胞の増殖や免疫の向上など体の組織の生成や修復に重要な働きがあるため、悪いものとして排除することは難しいでしょう。
そこで、脱毛因子の過剰な働きを防ぐためにできる対策を以下にまとめましたので、できることから始めて抜け毛を防ぎましょう。
・AGA治療でジヒドロテストステロンの産生を抑える
・成長ホルモンや細胞成長因子の分泌を促進する
・髪が成長しやすい環境を整えるAGA治療でジヒドロテストステロンの産生を抑える
脱毛因子の過剰な働きを抑えるためには、産生量を増やさないことが最も重要です。
そのため脱毛因子産生のきっかけとなるジヒドロテストステロンの生成を抑えるために、AGA治療薬を使用することをおすすめします。
「フィナステリド」は5αリダクターゼⅡ型を阻害し、「デュタステリド」は5αリダクターゼⅠ型Ⅱ型を阻害するためどちらの内服でも脱毛因子の働きを抑える効果が期待できます。
内服薬によるヘアサイクルの正常化には最低6ヶ月かかると言われていますので、効果実感まで時間がかかることを理解した上で治療を始めましょう。成長ホルモンや細胞成長因子の分泌を促進する
髪の成長には「FGF-7(KGF)」「IGF-1」「HGF」などの成長因子や髪の発育を促進する物質が不可欠です。
注入療法ではこれらの成分が利用され、成長因子を増やし髪が成長する力を上げることで、脱毛因子の働きを抑え抜け毛対策できる可能性を高めています。
注入療法以外では、睡眠中に分泌される「成長ホルモン」を増やすことで「IGF-1」という毛髪の細胞分裂を促進するインスリン様成長因子の産生を促すことが期待できます。
成長ホルモンの分泌は入眠後すぐの深い眠り開始後30分をピークに3時間程度続くと言われているため、睡眠時間を4時間以上確保することが大切です。
また、成長ホルモン分泌に大切な質の良い睡眠のために、ブルーライトや食事や入浴などの覚醒刺激を入眠2時間前には終了し、日中の適度な運動で体に自然な眠りをもたらすようにしましょう。まとめ|脱毛因子による抜け毛はAGA専門クリニックに相談を
髪の生え変わりのヘアサイクルの中で、脱毛因子は髪が抜けるきっかけとなる重要な役割があります。
脱毛因子が過剰に働いてしまうAGAでは、髪の成長期が短くなり薄毛や抜け毛症状が出ますが治療しないと症状が進行することがわかっています。
さらに、ヘアサイクルには回数の限界があるため放っておくと髪が抜け落ちて生えてこない状態になる可能性がありますので、抜け毛が増えたり薄毛に気づいたらなるべく早く治療を始めることが大切です。
AGAは予防や対策できる治療薬がある脱毛症ですので、自分の症状に合わせた最適な治療のためにAGAを専門に治療している当薄毛予防治療クリニックにぜひお気軽にご相談ください。執筆した医師の紹介
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
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