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お酒の飲み過ぎは薄毛になる?アルコールと薄毛や抜け毛の関係とは
毎日飲酒する習慣があったり、飲み会などでお酒の量が多くなりがちな男性の場合、髪のボリュームダウンが気になってきた時にアルコールが原因かと不安になるかもしれません。
「お酒の飲み過ぎはハゲになる」「AGA治療中にお酒を飲んでいると薬が効かなくなる」といった、飲酒と薄毛に因果関係がある噂も世間に広まっているようです。
今回は、飲酒やアルコール成分が薄毛や抜け毛に影響すると言われる理由と、AGAと飲酒の関係について以下のポイントで解説します。
・飲酒が髪にもたらす影響
・アルコールとAGAの関係
・薄毛が気になる時のお酒との付き合い方
・AGA治療中のアルコールについての質問
薄毛や抜け毛が気になるものの、お酒を飲む機会が多いという男性はぜひ最後までご覧ください。■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
過剰な飲酒は薄毛を進行させる?飲酒による髪への影響4つを解説
アルコールの成分が薄毛の原因になることは医学的に証明されていません。
しかし、多量のアルコール摂取による代謝や頭皮環境への影響などから、薄毛や抜け毛が進行する可能性があります。
ここでは過剰な飲酒がもたらす髪への4つの影響についてみていきましょう。1.アルコールの分解のために髪の成長に必要な栄養素が消費される
人間の体内にアルコールが入ると、約90%が肝臓で代謝されます。
通常は分解のために「アルコール脱水素酵素」がはたらき「アセトアルデヒド」に分解され体外に排出されますが、過剰な量のアルコールは酵素だけでは分解できないため体内の「ビタミンB1」が使われます。
また、アセトアルデヒド脱水素酵素の代謝には「ビタミンB3」が関与しているため、過誤の飲酒はこれらの栄養素を多量に消費する原因となります。さらに、「レシチン」という脂質や「タンパク質」や、「オルニチン」や「タウリン」といったアミノ酸が肝臓の働きを助けるために消費されます。
これらの栄養素は、すべて髪の生成や髪の成長を促すために必要なため、頻繁に過剰な飲酒を続けていると慢性的に不足する可能性があ理、薄毛や抜け毛を引き起こす原因になると考えられます。
*参考:厚生労働省e-ヘルスネット「アルコールの吸収と分解」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-002.html)2.お酒に含まれる糖質やおつまみの塩分の摂りすぎによる頭皮環境の悪化
お酒やおつまみに含まれる糖質や脂質などが髪に与える影響をまとめました
・糖質:皮脂分泌が増え毛穴の詰まりや雑菌の繁殖の原因になるなど、頭皮環境の悪化の可能性。
ビールや日本酒、カクテルなどに多く含まれる。
・脂質:糖質とともに皮脂分泌を増やすことと、頭皮の血行不良による代謝の低下の可能性。
揚げ物や肉の脂身などのおつまみに多く含まれる。
・塩分:塩分の過剰摂取は血圧を上げる原因になり、頭皮の血行不良をまねく可能性。
味の濃いおつまみ全般、ラーメンのスープなどに特に多く含まれる。3.アルコールの作用で睡眠の質が低下し成長ホルモンの分泌が減る
アルコールは肝臓で「アセトアルデヒド」に分解されますが、アセトアルデヒドは寝つきを良くし入眠後「レム睡眠」を抑え「ノンレム睡眠」を増加させるはたらきがあります。
しかし、睡眠の後半になると反動が起こりレム睡眠が増え、浅い眠りが続き途中で何度も目が覚める「中途覚醒」が起きやすくなります。
髪の成長を促進する「成長ホルモン」は、入眠後最初に訪れるノンレム睡眠が30分以上確保され、その後レム睡眠と交互にリズムよく繰り返されることで正常に分泌されると言われています。
そのため多量のアルコールを摂取している時の睡眠では、成長ホルモンが正常に分泌されない可能性があり、髪の成長に影響をおよぼすと考えられます。4.AGAの要因とされるジヒドロテストステロン(DHT)が増加する
アルコールの代謝物である「アセトアルデヒド」は毒性が強く、頭痛や動悸といった二日酔い症状の原因とも言われていますが、通常は肝臓内でさらに代謝され「酢酸」に分解されて尿や汗に含まれて体外へ排出されます。
しかしアルコールの摂取量が多いとアセトアルデヒドの酢酸への分解が追いつかなくなり、アセトアルデヒドが体内に放出され、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という男性ホルモンが増えると考えられています。
ジヒドロテストステロンは「AGA(男性型脱毛症)」の原因のひとつであるため、多量のアルコール摂取がAGAの薄毛や抜け毛に影響する可能性があるのです。アルコールはAGA発症の直接的な原因になる?
成人男性の3人に1人が発症するAGAは、薄毛や抜け毛の大半の原因となっていると言われています。
そのためアルコールが影響する薄毛や抜け毛の予防や対策のために、まずはAGAについて原因や治療方法とアルコールに関係があるのかをみていきましょう。AGAの原因は男性ホルモンと遺伝由来
結論から言うと、AGAの発症原因にアルコールの成分は関係ありません。
AGAのメカニズムは、「テストステロン」という男性ホルモンが「5αリダクターゼ」という酵素により「ジヒドロテストステロン」という男性ホルモンに変換され「アンドロゲンレセプター」に取り込まれることで「脱毛因子(TGF-β)」を発生し、脱毛因子により指令を受けた「FGF-5」が髪の成長をストップさせ抜け毛を起こさせるという一連を指します。
そしてAGAの発症しやすさは「5αリダクターゼ」の活性度と「アンドロゲンレセプター」の感受性の強さによることがわかっており、どちらも遺伝で引き継ぐと言われています。
そのため、AGAの発症原因にアルコールは直接関係ないことがわかります。
ただし、頭皮環境の悪化や睡眠の質の低下によるホルモンバランスの悪化などでAGAの進行が早まったり治療の妨げになることが考えられるため、飲酒習慣とAGAに関しては注意か必要です。禁酒するべき?薄毛が気になる男性のお酒との付き合い方
アルコール自体がAGAの原因になることはありませんが、過剰な飲酒量や飲酒習慣により生活習慣や食生活の乱れが薄毛や抜け毛に影響を及ぼすため、薄毛や抜け毛が気になる場合はできれば禁酒することをおすすめします。
しかし、お酒を飲むのがなによりの楽しみだったり仕事の付き合い上どうしても飲酒の機会が多い、という人もいるでしょう。
ここでは薄毛が気になる男性が気をつけるべきお酒との付き合い方について解説します。禁酒による過剰なストレスには要注意!
お酒を飲むことが大好きで、そのために日々仕事を頑張っている。
という男性の場合、薄毛や抜け毛が気になるからと禁酒することで過度のストレスを抱える可能性があります。
ストレスが直接薄毛や抜け毛の原因になるということは現段階で医学的に証明されていませんが、ストレスは自律神経による自己防衛機能を働かせるため、ホルモンバランスを乱す可能性があると言われています。
ストレスから身を守るための神経の働きにより、常に興奮状態になっている体では男性ホルモンが多く分泌されます。
すると、AGAの原因となるジヒドロテストステロンに変換される率が上がることや、興奮状態で体のエネルギーが代謝に多く使われるため頭皮の栄養供給が減ることなどの可能性が考えられるため、ストレスと薄毛や抜け毛は無関係ではないと言えるのです。
禁酒が過度のストレスの原因になるという場合は、いきなり完全に禁酒せずに飲酒量を徐々に減らしたり飲まない日を増やすなど、段階的な禁酒をおすすめします。飲酒量を適度にする
厚生労働省が健康維持のために推奨する1日のアルコール摂取量は、純アルコールとして20gまで*です。
具体的には、ビール(5%)500mlやワイン(12%)200mlや焼酎(25%)100mlに相当しますので、目安として覚えておきましょう。
アルコール分解能力は個人差が大きく、年齢や体重や体質によっても差があります。
髪に影響を及ぼすアルコール摂取量として全員が当てはまるわけではありませんが、健康維持のためにもこれ以上のアルコールを摂取しないように気をつけましょう。
*参考:「アルコール」厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html)お酒を飲む時間に気をつける
「寝酒」と称して入眠の直前にお酒を飲むと、眠りに入るのは早くなりますがアセトアルデヒドの作用により、中途覚醒や浅い眠りが増えて睡眠の質が低下する可能性があります。
睡眠中の質が低下すると、髪の成長にかかわる「成長ホルモン」の分泌が減少する恐れがありますので、飲酒は入眠の2時間前に終了し適量にとどめておくことが大切です。お酒やおつまみの種類に気をつける
皮脂の分泌を増やしたり、頭皮の血行不良を引き起こすなどの頭皮環境の悪化には、口から取り入れる栄養素が大きく関わっています。
糖質や脂質や塩分の過剰摂取は、頭皮環境悪化の原因になると言われていますので、飲酒の際は糖質の含まれない焼酎やウイスキーなどの蒸留酒や糖質オフのお酒を選ぶことと、おつまみの内容に注意することをおすすめします。
薄毛や抜け毛が気になる場合には、質の良いタンパク質のおつまみがおすすめですので納豆や豆腐、赤身の刺身やささみなどを選ぶといいでしょう。
また、シラスと鰹節やアーモンドなどのナッツには髪の生成をサポートする亜鉛が多く含まれているためおすすめです。
どの食材も、おつまみにすると味が濃くなりやすく塩分量が増える可能性がありますので、塩分控えめのものを選ぶようにしましょう。飲酒やアルコールと薄毛についてよくある質問Q&A
AGA治療を検討していたり、すでに治療を始めている場合、アルコールや飲酒習慣がAGA治療に影響があるのか気になるのではないでしょうか。
ここではAGA治療と飲酒について、よくある質問にお答えします。
効果的なAGA治療のための注意点についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。Q:アルコールとAGA治療薬を一緒に摂取してもいいですか?
A:薬をアルコールと同時に摂取するのはやめましょう。
AGA治療薬の代表である「プロペシア(フィナステリド)」や「ザガーロ(デュタステリド)」は、薬の血中濃度を一定にすることで効果が持続するため同じ時間に服用することが推奨されています。
AGA治療薬とアルコールと一緒に服用すると、血管拡張作用による血流増加や代謝の亢進が起こりやすくなりますので、薬の成分の吸収や代謝も亢進して薬の効果に影響が出る可能性が考えられます。
AGA治療薬を効果的に使用するためには、アルコールと一緒に服用するのはやめておきましょう。Q:飲酒が多いとAGA治療薬の副作用が出やすいって本当?
A:飲酒量とAGA治療薬の副作用出現率に関係は認められていません。
AGA治療薬の「プロペシア」や「ザガーロ」の副作用は、発生頻度は少ないものの「ED(勃起不全)」や「性機能の低下」が挙げられますが、飲酒量と副作用の出現率に関係があるというデータは今のところありません。
また、EDの原因としては多量の飲酒習慣が挙げられるため、AGA治療薬内服中にED症状が出た場合、飲酒による影響かAGA治療薬の副作用か判別が難しいと言えるでしょう。
AGA治療薬の副作用なのか気になる場合は、禁酒してどちらが影響しているのか経過を見ることをおすすめします。Q:お酒をやめればAGAでも髪の量が増える?
A:アルコールはAGAの原因ではないため、お酒をやめてもAGAは進行する可能性が高いでしょう。
AGAの原因とアルコールに直接因果関係はありませんので、アルコールを摂取しなくても治療しなければAGAは進行すると考えられます。
しかし、頻繁に過剰な量を飲酒している場合は、お酒をやめれば頭皮環境が改善し髪が育ちやすくなる可能性があります。
AGAは進行性の脱毛症のため、薄毛や抜け毛の原因がAGAではないかと思い当たるのであれば、AGA専門クリニックに相談しなるべく早い段階で治療することをおすすめします。まとめ|薄毛予防にはお酒は控えめの規則正しい生活がおすすめ
アルコールの成分や飲酒習慣は薄毛や抜け毛の直接の原因にはなりませんが、頭皮環境を悪化させたり髪の成長を促すホルモンの分泌を減少させる可能性があるため、薄毛や抜け毛対策のためにはできればお酒を控えた生活が望ましいと言えます。
しかし、過度なストレスを抱えたり生活に楽しみがなくなってしまうのであれば、完全にお酒をやめるのはおすすめできません。
適用を適度にたしなむ程度にお酒を楽しみ、薄毛や抜け毛対策はAGA専門クリニックなどの専門家に相談し、自分に合った方法でできることからはじめてみてはいかがでしょうか。監修した医師の紹介
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
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