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花粉症は薄毛に影響する?春の薄毛対策頭皮ケアを徹底解説
冬の厳しい寒さが落ち着いてくると、毎年ネットニュースや天気情報で話題になる「今春の花粉飛散量予測」にため息が出る人も多いのではないでしょうか。
花粉症はくしゃみや鼻水などの症状により、睡眠不足や気力の減退などを引き起こすやっかいなアレルギー疾患のひとつです。
花粉症のアレルギー症状は日常生活に影響を及ぼすことが問題視されている中、あまり知られていませんが「春は抜け毛が増える」と言われる原因のひとつに花粉症が挙げられることがわかっています。
今回は、花粉症だと抜け毛や薄毛が増える関係性について、理由や対策方法について解説します。
さらに、花粉症治療と併用できるおすすめのAGA治療を紹介しますので、春の抜け毛対策のためにしっかりご覧ください。■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
花粉症と薄毛の関係
日本における花粉症の人口についての正確なデータはありませんが、環境省による発表では2019年の花粉症有病率は42.5%でそのうちスギ花粉症は38.8%という高い数値を示し、10年おきに約10%程度増えていることがわかっています*。
つまり、日本人の40%近くが春の花粉症の可能性があり、大変身近であると言えるでしょう。
花粉症は「季節性アレルギー性鼻炎」とも言われ、症状はくしゃみや鼻水などの鼻炎症状がメインですが症状には個人差があります。
症状の強さによって髪や頭皮への影響の大きさも変わってきますので、詳しくみていきましょう。*環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」参照(https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/2022_full.pdf)
春に多い花粉症の症状と頭皮や髪への影響とは
花粉症の症状の出方や強さ、期間には個人差があり花粉の種類によっても変わりますが、主な症状は以下が挙げられます。
・くしゃみ
・鼻水/鼻づまり
・目のかゆみ
・目の充血や涙
そのほかにも「咳や喉の痛み」、「頭痛」、「倦怠感」、「集中力の低下」、「不眠」なども起こりやすくなると言われています。
そして頭皮や髪への影響として知っておきたいのが、「花粉による肌荒れ」の可能性です。
髪に付着した花粉が頭皮に触れると刺激となってかゆみや痛みが出ることがあり、放置していると頭皮の炎症を引き起こすおそれがあります。
頭皮の炎症が続くと髪の成長を妨げ、髪が抜けやすくなる可能性があるため注意が必要です。花粉症で抜け毛が増える理由とは
花粉症の症状は鼻や目に出ることが多いため、一見抜け毛や薄毛とは関係ないように思えるでしょう。
しかし、抜け毛や薄毛が出やすくなる原因に、花粉そのものや花粉症の症状の影響が考えられますのでここで頭皮や髪の毛に与える4つの影響についてみていきましょう。花粉症による頭皮のむくみ
花粉症のアレルギー症状により頭皮にむくみの症状が出た場合、頭皮に水分が停滞して血管を圧迫し血流が悪い「血行不良」という状態になります。
頭皮の血行不良は髪の元になる「毛母細胞」への酸素や栄養の供給を滞らせるため、髪の成長が遅くなったり抜けやすくなるおそれがあります。
頭皮のむくみは花粉症治療薬である抗ヒスタミン剤や、副腎皮質ステロイドホルモン剤の副作用として出現することもあるため花粉症の症状が出ている時だけでなく、花粉症の治療中にも注意が必要です。花粉症のアレルギー反応や花粉の刺激による頭皮の炎症
花粉症の鼻水などの症状は、体内に入った異物を排除しようとするアレルギー反応によるもので、反応が強い場合は炎症を起こしやすくなります。
これは頭皮でも同じで、花粉が地肌に直接付着すると異物を排除するためのはたらきにより頭皮に炎症が起こり、頭皮環境の悪化や髪が成長しにくくなるなどの影響が出るおそれがあります。
さらに炎症が進んで頭皮の内部に及ぶと、髪の元である「毛母細胞」や毛母細胞に栄養供給や成長の指令を出す「毛乳頭細胞」がダメージを受け、髪の生え変わりの「ヘアサイクル(毛周期)」が乱れて抜け毛や薄毛が引き起こされる可能性があるため早い段階での炎症を抑える必要があります。花粉による頭皮の乾燥とかゆみ
春の花粉のシーズンには、冬の空気の乾燥にさらされた地肌に直接花粉が付着することで、さらに頭皮の水分が奪われて頭皮が過乾燥の状態になりやすくなります。
乾燥した頭皮は皮膚のバリア機能が低下しているため、かゆみやフケなどの頭皮トラブルを起こし「脂漏性皮膚炎」などの皮膚炎を引き起こすことがあります。
さらに、かゆみに対してついつい爪でかいてしまうと、傷がついて化膿するなどの頭皮の激しい損傷の可能性があり、皮膚炎からの「脂漏性脱毛症」や「外傷性脱毛症」などの可能性に注意が必要です。アレルギー症状による不眠やストレス
花粉症の主な症状である「鼻水」「鼻づまり」は、睡眠中の呼吸に影響して頻繁に中途覚醒したり熟睡できないといった不眠による睡眠の質の低下のおそれがあります。
睡眠の質が低下すると、入眠後に深い睡眠に入る時間を遅らせたり睡眠リズムが乱れやすくなり、「成長ホルモン」という入眠後すぐの深い睡眠時に多く分泌されるホルモンの分泌量が減る可能性があります。
成長ホルモンには骨や筋肉とともに髪の成長を促す作用もあるため、分泌量が減少すると髪の発育に影響すると言えるでしょう。
また、鼻づまりや目のかゆみなどの症状が続くと不快感を覚えることが多く、不眠による疲労や倦怠感も加わることでストレスがかかることも抜け毛や薄毛に影響する場合があります。
ストレスがかかった状態が続くと、自律神経が乱れてホルモンバランスに影響して体の代謝が低下することがわかっており、髪に十分な栄養が届けられなくなることや頭皮環境が悪化する可能性が考えられるのです。
症状の出現期間には個人差が大きく、数日から数週間で症状が落ち着く人もいれば、季節ごと別の花粉症があるためほぼ1年中悩まされているという人もいますので、花粉症に期間が長いほど髪への影響が大きくなる可能性があります。春の抜け毛予防には花粉対策が重要!おすすめのセルフケアとは
花粉症が薄毛や抜け毛に関係していることから、春の抜け毛には花粉症への対策が大切です。
花粉症は医療機関で治療が受けられますが、予防や症状をやわらげる日常のセルフケアもおすすめです。
ここでは花粉症対策として、春を前に始めたい対策法や花粉の飛散時期にやるべきセルフケアを紹介します。1.花粉症を治療して症状を抑える
花粉症の治療としてはアレルギー症状を抑える「薬物療法」が一般的で、医療機関での治療はもちろんドラッグストアで薬を購入することもできます。
ほかにはスギ花粉など特定のアレルゲン物質に対し、免疫を上げ抵抗力を高める「アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)」や、鼻の腫れやつまりに対し電気メスやレーザーで鼻の粘膜を焼く「鼻粘膜焼灼術」などもあります。
治療は症状の強さに応じて選ぶ必要がありますので、耳鼻科やアレルギー科など花粉症の診察が受けられる医療機関に相談することをおすすめします。2.帽子の着用や帰宅後のシャワーなどで花粉が頭皮に付着しないようにする
花粉の飛散時期には短時間の外出でも花粉が髪や体に付着しやすいため、地肌に花粉がつかない工夫が大切です。
頭皮を花粉から守るためには帽子の着用が効果的ですが、難しい場合には帰宅後になるべく早く花粉を落とすことを心がけましょう。
シャワーや入浴で全身洗うことが理想ですが、室内に入る前に花粉を払い落として髪をブラッシングするだけでも髪や体の表面に付着した花粉が落とせますので、花粉の飛散時期はぜひ実践してください。3.正しいシャンプー選びと方法を実践する
花粉症の頭皮はバリア機能が低下しており、乾燥や刺激に弱くなっているためなるべく刺激の少ないシャンプーを選びましょう。
さらに、地肌に付着した花粉はしっかり洗い流すことが大切なため、おすすめは「低刺激」の「スカルプケア(頭皮ケア)用」のシャンプーですので、シャンプー選びの際参考にしてください。
また、シャンプーの方法も重要ですので以下のポイントを覚えておきましょう。
・シャンプー前にブラッシングする
・シャンプーをつける前にお湯だけでしっかり洗い流す
・シャンプーは泡立ててから頭皮につけて優しく洗い、髪同士をガシガシこすり合わせないようにする
・洗う時間の倍の時間をかけて念入りに洗い流す4.シャンプー後はドライヤーで乾燥させる
外出前のシャンプーでは特に気をつけたいのが、髪や頭皮が濡れていると花粉が付着しやすくなることです。
さらに、髪の毛が濡れた状態ではキューティクルという髪の一番外側のうろこ状の膜が開いているため、内部に花粉が入り込みダメージを受けやすくなります。
花粉のダメージを防ぐためには、シャンプー後になるべく早くドライヤーでしっかり乾かすことが大切です。
頭皮から乾かし始め、最後に髪全体に冷風を当てて開いたキューティクルを閉じるようにしましょう。5.頭皮を保湿する
頭皮の乾燥予防とバリア機能を高めるためには保湿が大切です。
ドライヤー後の乾いた地肌に頭皮用の保湿剤を塗布する習慣をつけ、エアコンが効いた室内に長時間いる場合などはこまめに保湿できるといいですね。
余分な皮脂をティッシュでおさえて取り除いてから保湿剤を塗布することで頭皮のベタつきを抑え、頭皮環境をいい状態に保つ効果も期待できますので、覚えておきましょう。6.花粉症対策や髪の成長のサポートとなる栄養素を積極的に摂る
花粉症では鼻水や目の充血などの症状により粘膜の状態が悪化しやすくなるため、粘膜強化に必要な「ビタミンA」「鉄」「ビタミンC」を積極的に取るように意識しましょう。
食材としては「レバー」や「にんじん」「ブロッコリー」などの緑黄色野菜がおすすめです。
さらに、免疫力を上げて症状をやわらげるためには、良質な「タンパク質」と腸内環境を整えるための乳酸菌などの善玉菌を同時に摂ることも大切です。
タンパク質は髪の主成分である「ケラチン」の生成に欠かせないため、髪の成長のサポート効果も期待できます。
「納豆」にはタンパク質と善玉菌の両方が含まれているため、毎日の食事に取り入れてみましょう。花粉症治療と併用できるAGA治療とは
男性の薄毛や抜け毛の原因の多くは「AGA(男性型脱毛症)」と言われており、成人男性の3人に1人が発症する脱毛症でAGA専門クリニックなどの医療機関で治療が可能です。
AGA治療を検討している男性には、抜け毛や薄毛の進行を抑えるためにも、花粉症の治療の併用がおすすめです。
そこで、花粉症治療と並行して行えるAGA治療と注意が必要なAGA治療について解説します。AGA治療薬の内服がおすすめ
AGAによる抜け毛や薄毛は、「脱毛因子」という抜け毛の指令が出ることにより成長途中の髪が抜け落ちることが原因です。
脱毛因子は「ジヒドロテストステロン」という男性ホルモンのはたらきで産生されますが、ジヒドロテストステロンは「テストステロン」という別の男性ホルモンが「5αリダクターゼ」という酵素と結びついて変換されます。
そこで、「プロペシア」や「ザガーロ」といった5αリダクターゼを阻害する薬を使用してジヒドロテストステロンの産生を防ぐ内服治療が、副作用が少なく1日1回の服用で高い効果が得られると厚生労働省が承認しています。
5αリダクターゼ阻害薬と花粉症治療薬の併用で相互作用が出ることはないため、安心して併用できるでしょう。外用薬や注入療法はアレルギー症状があれば主治医に相談を
AGA治療薬としてもうひとつ有名なのが「ミノキシジル」外用薬です。
血行促進と毛母細胞の活性作用により、育毛効果が期待できる治療として厚生労働省が承認しています。
こちらは第一類医薬品のため、医師の処方以外に薬剤師による問診と指導があればドラッグストアで購入可能です。
外用薬は頭皮に直接塗布するため、普段使い慣れていても花粉症の症状が強い場合などは刺激になり、副作用が出る可能性がありますので注意が必要です。
また、発毛効果が期待できる薬を直接頭皮に注射する、「メソセラピー」や「HARG」などの注入療法というAGA治療がありますが、こちらも頭皮への注射や塗布が必要なため花粉症の症状がある場合は注意が必要ですので、治療を希望する際は必ず医師に花粉症症状や治療内容を伝えて治療できるか判断してもらいましょう。まとめ|春の抜け毛対策には花粉症対策と頭皮ケアが大切
花粉症やAGAは身近な病気ですが、医療機関での治療が可能な病気です。
どちらも早い段階で治療を始めることで効果が高くなる可能性が高い病気のため、「もしかしたら花粉症?AGA?」と気になった時点で専門家に相談することが重要です。
そして、治療を開始してからは効果をより高めるための日々のセルフケアも大切です。
花粉対策とAGA対策に共通している「髪と頭皮の洗浄と保湿」と「粘膜や髪の強化に効果的な栄養素の摂取」などのセルフケアを今から始め、春の抜け毛に悩まされないようにしましょう。医師の紹介
■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
next.【医師監修】飲酒・アルコールと薄毛との関係
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