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【医師監修】AGA・抜け毛の治療・予防を始めるべきタイミング

2022.02.07

 

薄毛や抜け毛が目立ったら!今すぐ知りたいAGA治療のタイミング

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男性にとって非常にデリケートな悩みである、薄毛抜け毛のトラブル。
しかも加齢によるものとは限らず、20代や30代の若い世代でも薄毛に悩む男性は多いです。
薄毛や抜け毛の原因は外的要因や生活習慣などもありますが、なかでも深刻なのが「AGA(男性型脱毛症)」による薄毛・抜け毛のトラブル。
AGAは進行性の脱毛症なので、早い段階で治療を始めなければ薄毛トラブルはますます深刻になる場合があります。
とはいえ、どのタイミングでAGA治療を始めるべきか?AGA治療を始めるには年齢的にまだ早いのではないか…?と悩む人も多いはず。
そこで今回は、AGA治療を始めるタイミングはもちろん、治療内容や効果が実感できるタイミング、減薬するタイミングなど多角的な視点でAGAの実態をご紹介します。

■著者■ AGA薄毛予防治療クリニック医師

柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。

AGA(男性型脱毛症)とは?

AGA(Androgenetic Alopecia)とは男性型脱毛症、壮年性脱毛症などとも呼ばれる進行性の脱毛症。
成人男性特有の脱毛症で、頭頂部からくる「O字タイプ」や、額の生え際からくる「M字タイプ」、前頭部からくる「U(A)タイプ」と呼ばれるパターンで脱毛が進む疾患です。
20代以降の男性に多く見られる点が特徴で、日本人男性の3人に1人がAGAと言われています。
原因は、遺伝やホルモンバランスの乱れ、生活習慣の乱れと考えられていますが、もっとも大きな原因として考えられるのが男性ホルモンの影響によるもの。
男性ホルモンの一種である「テストステロン」が「5αリダクターゼ」という酵素と結びつき、脱毛を引き起こすホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)に変換します。
このDHTが毛乳頭にある受容体と結合すると、髪の毛の成長が止まってヘアサイクルの周期を短くし、髪の毛が十分に育つ前に抜けてしまう…これがAGAによる脱毛のメカニズムです。
髪の毛には1本1本に寿命があり、ヘアサイクルによる「生える→伸びる→抜ける」を繰り返しています。
健康なヘアサイクルでも1日50〜100本の抜け毛は生じますが、抜け毛本数が明らかに増えたり、短くて柔らかい髪の毛が抜けたりしていると、ヘアサイクルが乱れているサイン。
AGAが進行している可能性があります。

AGAが発症するのは何歳?

成年男性に多いAGAは20代以降によく見られる脱毛症ですが「まだ若いから大丈夫」と安心できるものではありません
そこで知ってほしいのが、年代に対する発症率について。

<年代/発症率>
20代…6%
30代…12%
40代…32%
50代…44%
60代…51%
70代…61%
(Takashima T et al.In: Orfanos CE et al, eds. Hair Research Springer Berlin, Heidelberg New York: 1981: 287-293)

上記で確認できるとおり、20〜30代のAGA発症率は全体の約3割にものぼり、若くしてAGAを発症すること自体珍しくないことがわかります。
年令問わず発症する可能性がある、そして一度発症すると薄毛や脱毛が進行し続ける、これがAGAの実態と言えるでしょう。

AGAが年齢より遺伝が大きく関係する理由

若年層でもAGAになる可能性がある理由、それは「遺伝」が関係しています。
AGAによる脱毛は、先述の通り男性ホルモンの一種であるテストステロンと酵素の一種である5αリダクターゼが結合し、毛乳頭の受容体と結合することで起こりますが、この「5αリダクターゼ」と「毛乳頭の受容体(男性ホルモンレセプター)の感受性」は遺伝によって強く引き継がれてしまう人がいます。
ちなみに「5αリダクターゼ」の活性度は父方の家系、「受容体」の感受性は母方の家系に薄毛の人がいると遺伝する可能性が高いと言われているため、薄毛になる遺伝子を持つかどうかがAGAの発症に大きく関係するのです。

AGAは改善できない?治療で期待できること

いくら治療を勧めても、遺伝が原因ならAGAの完治は不可能なのでは?
AGAを治療するには薬を永遠に飲み続けなくてはならないのでは?
…など、AGAや治療内容に不安を持つ人も多いと思います。

まずAGA治療で期待できるのは、治療の継続により“十分な毛量を復活させられる”こと。
とはいえ、AGAは一度発症するとどこまでも薄毛や脱毛が進行するものであり、薄毛予防や発毛の期待効果を持続させるためには長期的な治療が必要となります。
治療により薄毛や脱毛を予防することはできますが、治療を中断すると再び薄毛になる可能性が高いことを留意しておきましょう。

一方で、治療により一定の効果が見られると医師の判断により薬の種類や量を変更する場合があります。
多くのAGA専門のクリニックでは、患者一人ひとりの症状や目標に合わせた治療プランを提案し、治療を無理なく継続できるようサポートしてくれます。
長期に渡る治療だからこそ、信頼できるクリニックを選びたいですね。

AGA治療を始めるべきタイミング

いよいよ本題に入りますが、AGA治療を始めるべきタイミングはいつがベストなのでしょう。

AGAは成年男性に多い脱毛症ですが、実は早い人だと10代で発症する人もいるほど。
若くしてAGAを発症すると、30〜40代で発症した人に比べ薄毛や脱毛の進行スピードが早い傾向にあります。
反面、AGAは治療が早ければ早いほど効果を実感できるのも早いため、少しでも薄毛が気になったら一度クリニックへ相談することをおすすめします。

ちなみに、AGA治療は原則20歳以上が対象です。
AGA治療では男性ホルモンを抑制する薬を使用しますが、この薬は未成年に処方することができません。
未受診でも通販で個人輸入できるAGA治療薬も存在していますが、無知な状態で治療薬を手に入れるのはリスクも大きいです。
薬以外の方法で薄毛を予防することもできるので、10代の人でAGA対策をしたい人も一度クリニックへ相談してみると良いでしょう。
(未成年の場合、保護者の同伴を必要とするクリニックもあります)

ちなみに薄毛や脱毛は、必ずしもAGAの発症が原因で起こるものとは限りません。
なにか他の理由で発症した脱毛症も考えられるため、クリニックでは検査やカウンセリングにより薄毛の原因をくわしく調べるところから治療を始めていきます。

AGAの治療法①内服薬・外用薬

AGAは、症状や進行によりさまざま治療法で薄毛にアプローチしていきます。
その主な方法が、内服薬や外用薬による治療法です。

●内服薬
AGA治療で処方される内服薬には2種類あり、薄毛を予防するための内服薬、そして新たな発毛を促すための内服薬があります。
どの薬を処方するかは医師が判断しますが、場合によって複数の内服薬を処方する場合も。
、乱れたヘアサイクルを正常化することが目的なので、一度服用しただけで劇的な効果が期待できるわけではなく、効果を感じられるようになるまで長期的な服用が必要となります。

●外用薬
外用薬は、薄毛が気になる部分に直接塗布する医薬品。
内服薬と同様に薄毛の予防や発毛促進にアプローチする成分が含まれるほか、脱毛につながるDHTの生成を妨げる成分が使われています。
「男性型および女性型脱毛症ガイドライン2017年版」では、AGA治療における代表的な治療方法が紹介されており、それぞれ実用性が推奨度別に評価されていますが、外用薬は“A”の「行うよう強く勧める」と評価されているのがポイント。
臨床試験でも発毛の有効性が多々確認されています。

AGAの治療法②注入療法

注入療法は、毛髪の成長因子(グロースファクター)を頭皮に直接注入する治療のこと。
薬剤の注入方法もさまざまで、注射器や針のついたローラーを用いるほか、レーザー照射や電気穿孔などがあります。
以前は注射器を用いて注入するケースが一般的でしたが、現在では痛みに配慮して注射器以外の方法で注入するケースが多いです。
そして、注入方法はクリニックによって「育毛メソセラピー」「HARG療法」などと分類されます。

●育毛メソセラピー
育毛メソセラピーは、成長因子を含むタンパク質から生成した成分、また外用薬などで使用される有効成分(ミノキシジルやフィナステリド)、ミネラルやビタミンといった頭皮に必要な栄養素を頭皮に注入し、薬剤を浸透させることで髪の毛の成長を促す治療法です。
ちなみに、成長因子には毛髪の成長を促す期待効果があるほか、タンパク質は髪の毛の大部分を構成、タンパク質を効率よく体内に取り込めるようサポートするのがミネラル、ビタミンの役割。
一般的に月1〜4回程度の治療を半年〜1年程度継続するケースが多く、症状の改善により内服薬だけの治療に切り替えていきます。

●HARG(ハーグ)療法
HARG療法は、育毛メソセラピーと同様に成長因子を含むタンパク質から生成された成分、またHARG専用の薬剤としてアミノ酸やビタミンなどの栄養素を配合した成分を使用する注入治療です。
なかでもHARG専用の薬剤には、毛包誘発効果が期待できる成長因子や、髪の毛の再生を促す成長因子など、実に150種類以上のタンパク質が含まれているため、AGAにより細くなった髪の毛を太く成長させる効果が期待できます。
一般的に4週間に一度以上の治療を6〜12ヶ月ほどかけておこない、平均すると4〜5回めの治療で効果を実感する人が多いです(個人差あり)。
他の治療法に比べ高額になりがちなので、AGAの治療でいきなりHARG治療を推奨するケースは珍しいですが、内服薬や外用薬などによる効果に満足できない人にとっては有効な選択肢と言えるでしょう。

AGAの治療法③自毛植毛

自毛植毛は自分の髪の毛を薄毛部分に移植する施術のこと。
「男性型および女性型脱毛症診療のガイドライン2017年版」によると自毛植毛の生着率は82.5%とされており、注入治療同様に内服薬や外用薬で効果が期待できなかった場合に推奨されます。
メリットとしては、治療は一度きりで完了すること。
生着した毛髪は半永久的に生え変わり続けるため、長期の治療を必要としない点でも大きなポイントと言えます。
一方で、他の治療法に比べると数百万単位での費用がかかることが多いため、気軽に受けられる治療とは言えません。
また、植毛により全盛期のようなボリュームが戻るわけではなく、増やせる限界数が決まっていることも。
自毛植毛をおこなう場合、どこを中心に毛髪を増やすのかしっかり検討する必要があります。

AGAの治療法④LED照射治療

LED(光)照射治療は、波長の長い光で頭皮の奥深くにアプローチし、発毛増殖因子の分泌を促すことで薄毛・抜け毛に対処する治療法です。
血流の促進やコラーゲンの増加、新陳代謝の改善や炎症を抑える働きがあり、内服薬や外用薬と併せることで相乗効果も期待できるとされています。
また、治療に伴う痛みがないほか、副作用が少ないぶん持病や体質で投薬治療ができない人にも適しているのが特徴。
クリニックでの治療はもちろん、医師の診察を経て専用の機器を購入し、自宅でセルフケアすることも可能です。
とはいえ、こちらも継続的な治療により効果が期待できるため、少なくとも6ヶ月は続ける必要があるでしょう。

AGA治療の効果を実感できるには6ヶ月かかることも

AGA治療をおこなうにあたり、理解しておきたいのが“効果を実感するまで時間がかかる”という点です。
というのも、AGA治療の目的はヘアサイクルの正常化にあります。
通常、髪の毛が成長してから抜け落ちるまで3〜6年ほどかかりますが、AGAが発症すると約半年〜1年近く短縮されます。
AGA治療の効果を実感するには、乱れたヘアサイクルをリセットしなくてはならないため、少なくとも治療には1年かかると見ておきましょう。
そして、目に見えて髪の毛が伸びてきたと実感できるには6ヶ月ほど時間がかかりますが、こちらもあくまで平均であり、一概に6ヶ月で効果が実感できるとは限りません。
また、AGAの発症から治療開始までの期間が長いほど薄毛や脱毛は進行するため、効果が得られるまで時間がかかることもあります。
もちろん、効果が得られない場合は自毛植毛など別の治療法でアプローチすることになりますが、どちらにせよAGAはできるだけ早いタイミングで治療を始めるのが大切。
年齢に関わらず、薄毛や抜け毛が気になったらすぐにでもAGAの治療を検討しましょう。

AGA治療で減薬するタイミングとは?

効果が出るまでに時間がかかるAGA治療ですが、焦らずじっくり治療を続けることで希望通りの効果が期待できます。
そして、一定の治療効果が見られれば医師の判断により治療内容を変更したり、減薬することもあります。
たとえば薄毛予防の薬であるプロペシアやザガーロ、そして発毛を促す薬のミノキシジルを併用している場合、十分な発毛効果が確認されればミノキシジルの服用を中止するケースも。
とはいえ、突然服用をやめると数ヶ月で治療前と同じ状態に戻る場合もあります。
患者自身が自己判断で減薬することはできませんが、治療効果を無駄にしないためにクリニック側も慎重に薬の量を減らしてくれるため、医師の指示に従って治療を続けましょう。

AGAは早めの治療が肝心!抜け毛の量や状態をチェックしてみて

AGAは早い人で10代から発症する進行性の脱毛症であり、遺伝的要素も強いため、若い世代にも起こりうる薄毛・抜け毛トラブルです。
進行状況により治療内容も異なりますが、多くの場合は内服薬や外用薬といった治療からスタートするため、治療前から身構えることもありません。
また、オンライン診療に対応したクリニックもたくさんあるため、プライバシーを確保したい人や通院が困難な人も治療が受けられやすくなっています。
早めの治療が肝心なので、抜け毛の量が一度に増えたり、細く短い抜け毛が見られるようになったら専門のクリニックへ相談しましょう。

医師紹介

■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師

柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。

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