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  • 【医師監修】円形脱毛症?AGAと抜け毛の症状の違い

    これって円形脱毛症?AGAとの違いについて医師が徹底解説

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    急に抜け毛が増えたと感じたら、「なぜ抜け毛が増えたのか」「このまま抜け続けてしまうのでは」と疑問や不安を抱えるのではないでしょうか。抜け毛や薄毛にはさまざまな原因があり、一過性のものもあれば進行性で長期の継続治療が必要な「脱毛症」という病気の場合もあります。今回は、脱毛症として世間一般によく知られている「円形脱毛症」と成人男性に多く見られる「AGA(男性型脱毛症)」について、違いやと治療法について解説します。円形脱毛症とAGAはどちらも抜け毛や薄毛の症状があり、治療法が異なりますが早期発見早期治療で回復が見込めることが多い脱毛症だと言われていますので、自分の抜け毛や薄毛がどちらに当てはまるのかチェックして早めに適切な対策を始めましょう。

    ■著者■ AGA薄毛予防治療クリニック医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

    これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。

    円形脱毛症とは

    円形脱毛症とは、円形や楕円形に髪が抜け落ちる「円形脱毛斑」という症状が一般的に知られており、「10円ハゲ」などと呼ばれることがあります。しかし、円形脱毛症に見られる脱毛斑はごく小さい小豆サイズのものが1箇所にできるものから複数箇所いくつもできるもの、さらには頭部全体に広がるものまでさまざまです。

    円形脱毛症とストレスの関係

    円形脱毛症=ストレス」というイメージを持っている人は多いかもしれませんが、今のところ円形脱毛症の発症に精神的ストレスが関与しているという科学的根拠はありません。トルコの研究によると、大規模な自然災害によるストレス環境が発生した前後で円形脱毛症の発生率を調べた結果、有意差が見られなかったことからストレス環境が円形脱毛症発症の特定の原因ではないことが報告されています*。ただし、強い精神的ストレスを感じた後で脱毛症状を生じた症例もあり、現在もストレスホルモンと毛組織の関連の研究が行われていますので、今後の研究報告によりストレスと円形脱毛症の関与が証明されるかもしれません。

    円形脱毛症の特徴と種類

    円形脱毛症には、円形や楕円形の脱毛斑ができること以外にも「年齢や性別に関係なく発症する」ことや「爪に特有の症状が出る」ことなどいくつか分かりやすい特徴が見られます。円形脱毛症特有の症状もあるため、AGAや他の脱毛症と識別するためにも自分の抜け毛の症状が当てはまるかチェックしてみましょう。

    円形脱毛症の特徴

    ・年齢や性別関係なく発症する
    円形脱毛症は人種関係なく認められ、男女差はなく全年齢に出現することがわかっています。円形脱毛症を発症する4人に1人が15歳以下であるということは、大きな特徴です。また、親が円形脱毛症の場合は一般と比べて10倍発症率が高い*という研究結果があり、円形脱毛症の発症に遺伝が大きく関わっていることもわかっています。

    ・突然髪が抜け始め脱毛斑ができる
    円形脱毛症の発症は、ある日突然一部分の髪の毛がまとまって抜ける場合が多く、通常は毛が抜ける瞬間に痛みを伴わず自覚症状がないことが特徴です。そのため脱毛斑ができてしばらく時間が経ってから気づくことも多く、正確な発症時期が分かりにくいことが多くあります。しかし、中には脱毛の前に頭皮の違和感やざらつきと、軽い痒みや赤みを感じる場合もありますので予兆を見逃さないようにする必要があります。

    ・脱毛斑の周囲の髪が抜けやすい
    脱毛斑は円形脱毛症の特徴的な症状ですが、活動期には脱毛斑の周りの毛を引っ張ると抵抗なく抜けることも特徴のひとつです。脱毛斑部分の皮下組織はリンパ球による炎症のダメージが著しく、髪の毛を固着する力が弱くなっているため脱毛斑の周囲にまで影響が及ぶためだといわれています。

    ・爪に特有の症状が出ることが多い
    円形脱毛症の特徴として診断の基準にもなっているのが「爪甲点状陥凹(そうこうてんじょうかんおう)」という症状です。これは爪の表面に点状の小さな凹みがいくつもみられる症状で、発症時や再発時に横一列に並んで線状に現れることもあります。髪と爪は無関係なようですが、どちらもタンパク質やミネラルで構成されているため、髪の毛の健康状態に異常がある場合は爪にも異常が出る場合があることがわかっており、髪と爪両方チェックすることで円形脱毛症の発見の遅れを防ぐことができる可能性があります。

    円形脱毛症の種類

    円形脱毛症は、抜け毛の形や範囲や進行状態などによって5種類に分類されています。それぞれの種類の症状や特徴について見ていきましょう。

    ①単発型円形脱毛症
    頭部の1か所に円形または楕円形の脱毛斑が見られます。円形脱毛症の中で一番多いタイプで、ある日突然発症します。サイズは豆粒大から500円硬貨程度とさまざまで、症状の現れ方には個人差があります。多発症1年以内に治癒することが多いとされていますが、20%程度の人が多発型円形脱毛症に進行することもわかっています。

    ②多発型円形脱毛症
    頭部の2か所以上に円形または楕円形の脱毛斑が見られます。単発型円形脱毛症が何度も繰り返し起こっている状態で、同じ部位の再発もよく見られます。単発型円形脱毛症の症状が進行した場合に見られるとされており、後頭部や耳の後ろに症状が出やすい傾向があります。

    ③全頭型円形脱毛症
    多発型円形脱毛症の症状がさらに進んだ場合に見られます。脱毛斑が頭部全体に広がって、ほとんど全部の髪が抜け落ちた状態です。単発型→多発型→全頭型へと進行していくため、突然頭部全体の髪が抜け落ちるわけではありませんが、一般的に円形脱毛症は進行スピードがとても早いことが多いと言われています。中には単発型円形脱毛症の発症から1ヶ月程度で全頭型円形脱毛症に進行した症例もあるため、発症時すぐに適切なケアが必要です。

    ④凡発型円形脱毛症
    頭髪全てが抜け落ちた全頭型円形脱毛症の状態から、さらに症状が進行すると凡発型円形脱毛症に移行します。抜け毛の範囲が頭部のみならず全身に及んだ状態で、眉やまつ毛の他にわき毛やすね毛などの体毛すべてが抜け落ちます。

    ⑤蛇行型円形脱毛症
    ①から④までの円形脱毛症とは異なり、蛇が通った後のように蛇行した帯状に抜け毛の症状が起こります。脱毛斑が円形ではありませんが、円形脱毛症の一種で非常に珍しいタイプです。後頭部や側頭部の生え際付近に発症しやすいと言われています。
    円形脱毛症には他にも「多発融合型」といった単発型の脱毛班が拡大しながら融合し、ひとつの巨大な脱毛班を形成するタイプなどもありますが、大体が上記の5種類に分類されます。

    円形脱毛症の原因

    円形脱毛症の原因については、いまだにはっきりと解明されていません。近年有力な説が「自己免疫疾患」が原因になっているというものです。自己免疫疾患では免疫機能の異常が発生することがわかっていますが、免疫機能の異常は疲労や感染症といった要因や体質などの素因によって発生します。自己免疫疾患を含め、他にも考えられる円形脱毛症の原因をまとめましたので当てはまるものがあるか見ていきましょう。

    ・自己免疫疾患
    自己免疫疾患とは「外からの異物を認識し排除するための役割を持つ免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に対し過剰に反応し異物とみなして攻撃を加えてしまう」病気のことです。円形脱毛症の場合、Tリンパ球が毛包や毛包周囲の組織を異物とみなして攻撃することで、毛根がダメージを受け本来抜けるはずのない時期に抜け落ちてしまうのですが、なぜ異物とみなしてしまうのかは解明されていません。また、自己免疫疾患には「橋本病などの甲状腺疾患」「尋常性白斑」「SLE」「関節リウマチ」などがありますが、これらの自己免疫疾患と円形脱毛症が合併するというデータがあります。特に甲状腺疾患は8%、尋常性白斑は4%の円形脱毛症併発がある*と報告されています。このことからも、円形脱毛症と自己免疫疾患には関係があることがわかります。

    ・アトピー性疾患
    アトピー性疾患とは、「アトピー性皮膚炎」「気管支喘息」「アレルギー性鼻炎」のいずれかを指していますが、円形脱毛症の多くがアトピー性疾患を患っていることから関連が指摘されています。特に凡発型や蛇行型といった重症の円形脱毛症ほどアトピー性疾患の罹患率が高いことがわかっています。しかし、円形脱毛症とアトピー性疾患の関連メカニズムはまだ解明されていませんので、アトピー性疾患を患っている場合は円形脱毛症に注意が必要という認識にとどまります。

    ・遺伝や染色体異常
    先述したように、親が円形脱毛症の場合は一般と比べて10倍発症率が高いという研究結果がありますが、他にも中国の調査では家族内で円形脱毛症を発症している割合が8.4%あることがわかっています。また、ダウン症患者に円形脱毛症の発症が多いこともわかっているため、円形脱毛症に遺伝や染色体異常の関連があることがうかがえます。

    ・自律神経やホルモン分泌異常
    円形脱毛症とストレスの因果関係に科学的根拠がないことは先述しましたが、長期間強いストレスを受け続けていると自律神経やホルモン分泌に異常をきたすことがあります。自律神経の乱れやホルモン分泌低下は頭皮の血行不良や代謝異常を引き起こすとともに、髪の毛の成長因子の産生を妨げる可能性があるため結果的に円形脱毛症の原因となる可能性が考えられます。

    円形脱毛症の診断と治療方法

    円形脱毛症ははっきり断言できる原因やメカニズムが解明されていないものの、特徴的な症状が見られるため臨床での診断がつきやすい脱毛症と言えます。円形脱毛症には他のAGAなどの脱毛症とは違った診断方法や治療があり、抜け毛の初期段階で診断を受けると治療がスムーズに進む可能性がありますので、受診に迷っていたら参考にしてください。

    円形脱毛症の診断方法

    円形脱毛症の診断は視診と触診に加え、髪の抜けやすさや毛穴を確認する「抜毛テスト」と、毛根とその周りの組織を採取する「皮膚生検」の結果で判断します。さらに視診時の重要な判断基準として、毛根が先細りしている場合は円形脱毛症の可能性があります。これは健康な毛根は丸みを帯びた形をしているのに対し、毛根にダメージを受けていると髪の毛が先細りするためです。また、自己免疫疾患やアトピー性疾患などの病気を併発しているかを血液検査で調べ、円形脱毛症の原因疾患があるか判断します。原因疾患の治療をすることで円形脱毛症が治ることもあるため、既往があるかわからない方は調べてみることをおすすめします。

    円形脱毛症の治療法

    円形脱毛症は、原因が解明されていないため根治に至る治療法はまだ確立されていません。そのため症状に対する対症療法がメインになっており治療方法は様々ありますので、代表的なものを紹介します。円形脱毛症に対する治療法には保険適応と自費診療があるため、治療費用が気になっているという人は保険治療から始めてみることを検討しても良いでしょう。

    ・ステロイド局所注射
    炎症や免疫機能を抑える効果のあるステロイド薬を、脱毛斑部分に直接注射します。脱毛班が小さく個数が少ない場合に選択されることが多い治療方法ですが、注射時の痛みと繰り返し注射した場合の頭皮の萎縮や血管拡張が見られる場合があるため、経過を見ながら必要に応じ行われ、多くの場合は保険適応になります。

    ・局所免疫療法
    人工的にかぶれを起こす特殊な薬剤(SADBE、DPCPなど)を脱毛班部分に塗り、弱い皮膚炎を起こさせて自己免疫反応を抑え発毛を促す治療法で自費診療になります。有効率が高く副作用が少ないメリットがありますが、体質に合わない場合は全身の中毒疹やアナフィラキシーショックなどの副作用が起こる可能性があります。

    ・投薬(内服・外用)療法
    ステロイド剤や抗アレルギー剤の内服と、ステロイド剤や塩化カルプロニウムなどの外用は、自宅で行えることがメリットで他と併用して行われることが多い治療法です。薬の種類や量は医師の診断のもと人それぞれ症状によって処方されるため、薬局などで自己判断で購入し使用することはおすすめできません。

    ・冷却療法
    液体窒素や雪状炭酸を脱毛斑部分に直接当て、頭皮を刺激し発毛を促す治療法です。簡単で副作用が少ないことから、外来での治療で第一選択されることも多一両です。

    ・紫外線療法
    紫外線発生装置を使い、脱毛班部分にピンポイントに紫外線を照射して免疫細胞を破壊する治療法です。副作用がほとんどなく照射時の痛みがないことがメリットですが、自費診療で紫外線発生装置を設置している施設でしか受けられないというデメリットがあります。

    AGAとは

    AGAは成人男性の3人に1人が発症するといわれる男性型脱毛症で、Androgen(男性ホルモン)Genetic(遺伝性)Alopecia(脱毛症)の略です。症状の進行パターンや進行スピードには個人差がありますが、進行性の脱毛症で治療せずに放置しているとどんどん症状が進み、最終的に頭髪が全て抜け落ちることもあります。

    AGAの年代別発生頻度

    AGAは成人以降に発症する脱毛症で、20代で10%、30代で20%、40代で30%、50代以降で40数%と年齢とともに発症率が高くなるといわれています。20代後半から30代にかけて薄毛や抜け毛の症状が自覚できるようになり、40代になると他者が見てもはっきりわかるように進行していくため、気づいた時点での早期対策が重要になります。AGAが成人以降の男性に発症するのに対し、円形脱毛症は性別年齢問わず発症するという違いがあります。

    AGAのメカニズム

    男性機能の発達や筋肉量の増加や肥大に関わる「テストステロン」という男性ホルモンが、「5αリダクターゼ(5α還元酵素)」と結びつくと「ジヒドロテストステロン」という別の男性ホルモンに変換されます。そしてジヒドロテストステロンが「ホルモン受容体」に取り込まれ結合すると、「脱毛因子(TGF-β)」が生成され髪の毛の成長が抑制されることで抜け毛や薄毛の症状が現れるのがAGAのメカニズムです。

    AGAの特徴と症状

    AGAは進行性で、個人差がありますが治療をしないと自然治癒することはありません。AGAには3つの進行パターンがあり、①こめかみの生え際から薄毛が見られる「M字型」②頭頂部から薄毛が見られる「O字型」③額の生え際全体と頭頂部に薄毛が見られる「U字型」に分かれています。日本人男性にはM字型が多いといわれていますが、どの進行パターンにおいても最終的には頭部全体の髪の毛が抜け落ちていくため、なるべく早い段階での治療や予防が大切です。

    AGAの治療方法

    治療方法は大きく分けて「髪の抜ける原因をブロックする治療」と「生えている・これから生える髪の毛を太く長く成長させる治療」の2種類があります。AGA専門クリニックでは、AGAの原因となる5αリダクターゼをブロックする内服薬を中心に、髪の成長を促進する外用薬を組み合わせるなど、個人個人の症状と進行スピードに合わせて最適な治療を提供しています。

    円形脱毛症とAGAの相談は専門医療機関へ

    円形脱毛症とAGAは脱毛症という病気の分類は同じですが、原因や症状が違うため治療方法もそれぞれ異なります。自己判断で間違った治療をおこなったり、薄毛や抜け毛に悩むことでストレスを抱えて症状が悪化することも考えられますので、症状に合わせて適切な治療が受けられるよう、薄毛や抜け毛の症状が気になったらすぐに専門機関に相談することが大切です。どこに相談したらいいかわからない方には、自分の都合のいい時間に都合のいい場所で受診できる「オンライン診療」がおすすめです。症状に対する不安や悩みなど、いつでも気軽に相談できますので、自分に合った続けられる治療を始めましょう。

    *日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン参照(https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AA_GL2017.pdf

    監修した医師の紹介

    AGA,薄毛,治療,柏崎,医師

    ■著者■ AGA薄毛予防治療クリニック医師

    柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)

    名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。

    これまでの薄毛解消の実績含めてプロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリドなどのAGA治療薬の適切な処方に定評がある。

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