AGA治療にも「乗り換え割」があるって本当？AGAの診察は同じ医師がおすすめ

成人男性の3人に1人に発症の可能性があると言われているAGA（男性型脱毛症）ですが、「AGA専門病院やクリニック」をはじめいろいろな施設で治療が受けられます。
おもなAGAの治療施設はつぎの4つが挙げられますので、それぞれの施設の特徴についておすすめできるポイントを詳しくみていきましょう。

AGA専門クリニックはその名の通りAGAに特化した診察と治療が受けられます。
相談数や症例数が多いため、AGAの予防から重症まで様々なパターンの症状に対応した治療が可能です。
治療方法や治療薬の選び方には医師の経験が反映されることが多いため、AGA治療をこれから始めるという場合は多くの症例を見て進行パターンを予測して、その人に合わせた処方ができるAGA専門医をおすすめします。
さらに重症例に対しては、植毛など専門的な治療に豊富な知識と確かな技術が要求されることも多いため、AGA専門医による治療が望ましいでしょう。
また、オンライン診療や薬の配送を実施しているクリニックもあり、通院や診察に時間をかけたくない人や担当医以外と顔を合わせたくない人など、様々なニーズに対応できることもAGA専門クリニックをおすすめするポイントです。

美容皮膚科や外科では、整容の専門である美容皮膚科医や美容外科医によるAGAの診察や治療が受けられます。
そのため、AGA治療の基本となる投薬治療に併せて髪の成長を助ける成長因子などの注入療法や、ビタミン点滴などによるAGA治療の補助が充実していることが特徴です。
美容皮膚科や外科の診療内容はAGAのみではなく、近年男性に人気のあるヒゲ脱毛やシミ治療などを行なっています。
そのためAGA以外に美容的なお悩みがあったり治療を希望している場合は、同時にケアできるというメリットがあります。

保険診療が中心の一般皮膚科や内科においても、施設によってはAGA治療が受けられる場合があります。
AGAの治療を受けていることを周りに知られたくない、という場合や他の診察のついでにAGAの相談をしたい場合には一般皮膚科や内科がおすすめです。
また、AGAの治療は保険適応外ですが、頭皮トラブルや円形脱毛症などの薄毛や抜け毛の場合には保険診療が可能なケースがあるため、薄毛や抜け毛の原因がわからない場合は皮膚科や内科を受診しても良いでしょう。
さらに、高血圧や肝機能障害など全身性の病気がある方は、かかりつけの内科でAGA治療が可能か相談することをおすすめします。
しかし、一般の皮膚科や内科ではAGAの専門治療を受けることやいろいろな治療薬を比較検討することは難しい可能性があります。
AGAの症状が軽度で現状維持を希望していて、定期的に皮膚科や内科を受診している場合にメリットが多いと言えますね。

発毛サロンでは、抜け毛の予防や頭皮環境を整えるためのマッサージなどのケアが受けられますが、医療機関ではないため治療薬の処方や植毛などの施術は受けられません。
しかし、「毛髪診断士」という髪に関する知識のエキスパートが在籍していることが多く、髪に関するお悩みにしっかり答えてもらえるでしょう。
サロンに定期的に通いながらカウンセリングを受けることにより、生活習慣についてのアドバイスや頭皮セルフケアなど日常生活の中で抜け毛を予防できるというメリットがあります。
AGAは気になるけれど、薬や注射などの治療に抵抗があるという場合は、発毛サロンのケアがいいかもしれませんね。

AGAには「プロペシア」や「ザガーロ」などの厚生労働省が承認した治療薬があるため、医療機関であれば治療薬を処方できます。
しかし、AGAは症状に個人差が大きく進行度にも差があることがわかっているため、治療薬の処方だけでは十分とは言えないことが多いでしょう。
その点AGA専門クリニックでは、在籍医師がAGAのプロフェッショナルであったり、豊富な症例から症状に応じた治療の提案が受けられるなどの多くのメリットがあります。
ここではAGA専門クリニックを受診するメリットについてみていきましょう。

AGA専門クリニックでは美容皮膚科や一般の皮膚科などの他の診療科に比べ、AGAの診察や治療実績が圧倒的に多いことが最大のポイントです。
症例の治療実績が多いほどAGA症状の進行を予測したり薬の治療効果を予測しやすくなるため、個人差の大きいAGAの治療において柔軟に対応できるでしょう。
また、AGAの診断や治療には問診による情報収集がとても大切です。
AGA専門クリニックの医師は、豊富な経験からAGAの症状を診ることでその人の治療に必要な情報を見極め、的確に治療を提案できるというメリットは、AGAの治療に不安を感じている男性にとっては安心して任せられるポイントになるのではないでしょうか。

AGAの症状は個人差があるため、同じ処方薬でも人によって効果が感じられないことはよくあります。
AGA専門クリニックでは様々な症状に合わせたり、予算や通院間隔などの事情を考慮するなど、その人にとってベストな治療法を検討できるでしょう。
治療方法には内服や外用などの治療薬による「投薬治療」のほかに、発毛が期待できる成分を直接頭皮に注入する「注入療法」や、自分の頭髪の中でAGAの影響を受けていない部分を移植する「植毛」などがあります。
どの治療もメリットデメリットがありますので、AGAに精通した医師による診断のもと自分に最適な治療を選べるのがAGA専門クリニックのメリットと言えるでしょう。

薄毛や抜け毛の悩みを周りの人に悩みを打ち明けられなかったり、治療を受けるのに人目が気になるという男性は多いのではないでしょうか。
また、通院や診察にかかる時間が長く、治療が継続できないという経験がある男性もいるかもしれません。
そんな背景の中、AGA専門クリニックの中にはオンライン診療に力を入れていたり、薬の配送も可能なところも増えています。
24時間予約を受け付けていたり、自宅や希望の場所に薬の配送が可能などオンライン診療はメリットがとても多いため忙しい現代男性におすすめできます。
対面なしで正確な診断や自分に合った治療が受けられるのか心配だという場合は、クリニックのHPで担当医師の経歴や治療実績を見て、AGAに精通しているかチェックした上で診察を受けるといいでしょう。

AGAは進行性の脱毛症のため定期的な症状の経過観察が必要で、症状に変化があった場合は都度治療内容を検討することがとても大切です。
そのため診察を受けるクリニックを変えたり毎回違う医師で診療情報が共有できないと、診察に時間がかかったり症状や治療の経過がわかりにくいことから、自分に最適な治療が受けられないおそれがあります。
そのためAGAの診察は同じ医師にかかることをおすすめしますので、理由をくわしくみていきましょう。

AGAは前額部や頭頂部に薄毛や抜け毛の症状が出やすく、「M字型」「O字型」「U字型」と称される見た目の特徴があります。
AGAの診断の指標として使われている「ハミルトン・ノーウッド分類」では、それぞれの型の進行パターンを細かく7つの段階に分類しており進行段階にも個人差が大きいことがわかります。
また、進行スピードにも個人差があり、ゆっくり一段階ごと進んでいく場合もあれば短期間で数段階一気に進むこともあるため経過観察がとても大切なのです。
そのためAGAの診察では写真撮影して経過を記録することや、診察時に頭皮や毛髪の様子をしっかりチェックし、治療効果を判定できるよう同じ医師の診察を受けることをおすすめします。

AGAの症状に個人差が大きいように、治療効果の現れ方にも個人差があります。
そのため治療経過を定期的に判定し、症状の変化に応じて治療薬の減量や変更ができると体への負担も治療費による経済的な負担も軽減できる可能性があり治療が継続しやすくなるでしょう。
また、症状が悪化した場合でも同じ医師の診察を受けていれば、悪化の原因の特定や対策がしやすいことや治療方法の変更を検討することも可能なため、長期的な治療が必要なAGAにおいては同じ医師の継続した診察が必要だと言えるでしょう。

AGAの治療薬には内服薬と外用薬両方に頻度は少ないものの、副作用が出る可能性があります。
内服薬の副作用である性機能の変化や外用薬の副作用の頭皮トラブルなどは、自分で気づくことも多いため副作用と自覚して対策できることもありますが、肝機能障害といった副作用は自覚しにくく定期的な診察や血液検査で医師により発見されることが多いと言われています。
安心安全に治療薬を使用するためには、同じ医師が定期的な血液検査を実施した上で結果から副作用に対処することが大切です。

AGA治療をおこなっているクリニックの中には、他院でAGA治療中の男性を対象に「乗り換え割」という治療費の割引制度を導入しているところがあるようです。
AGAの治療は保険適応外で自費となるため、治療にかかる費用は高いより低い方がいいと思うかもしれません。
そこで他のクリニックで同じ治療が受けられて治療費が割引されるという制度についてメリットやデメリットを詳しくみていきましょう。

「乗り換え割」制度とは、他のクリニックや発毛サロンからAGA治療を切り替えた場合、治療費用が割引されるという割引のことで、いくつかのAGA専門クリニックが導入しています。
乗り換え割にはそれぞれのクリニックで規定や割引率が異なりますが、条件や割引率には以下のような条件が挙げられます。
・他のクリニックや発毛サロンでAGA治療を受けたことがあり、契約書や治療内容がわかる明細書や領収書が手元にある
・乗り換えによる割引の適用は初回のみ
・割引は治療代の10〜20％のことが多い
「乗り換え」という名の通り、他で治療を受けているという条件は必須ですが、クリニックによっては現在治療中の施設の名称を伝えてアンケートに答えるだけで割引が受けられることもあるようです。
しかし、どの乗り換え割も割引自体は「初回のみ」で、内容は1月分の治療薬代金やコース契約の場合のみなどクリニックによって違いが見られます。

・乗り換え割のメリット
乗り換え割の最大のメリットは、自分が希望しているAGA治療が安い価格で受けられることでしょう。
AGA治療にかかる費用は、内服薬のみの場合でも1ヶ月に￥5000〜￥10000程度で、外用薬と併用すると1ヶ月￥10000〜￥30000程度が相場だと言われています。
そのため治療内容によっては経済的に負担が大きく、治療費が安いのはAGA治療を継続する上で大きなポイントとなるでしょう。

・乗り換え割のデメリット
治療を受けるクリニックを変えるということは、今までの診察内容や症状の変化が自分の中でしかわからなくなるため、新たに治療をスタートするのと同じ状況になると言えます。
そのためAGAの発症から現在までの経過を一から伝える必要があり、治療内容が今までと変わる可能性があります。
また、健康状態のチェックのための血液検査やカウンセリングなどを受ける必要がある場合も多いため、診察に時間がかかる可能性もあるでしょう。
クリニックによっては通院治療のみの場合もあるため、今までオンライン診療を受けてきたという人にとっては通院や診察にかかる時間や手間がデメリットになるかもしれません。

治療費用やコースの契約料が割引されると聞くと、治療費用を負担に感じている場合は魅力的に感じるかもしれません。
しかし、乗り換え割は初回のみの適応で、2回目からは通常料金になるというのがポイントです。
さらに、割引の適応が治療費用のみの場合は診察料や血液検査費用などには割引が適用されないため、トータルで考えるとかえって費用が高い場合があります。
乗り換え割を導入しているクリニックの条件について、割引が適用される範囲や2回目以降の治療費と治療に必要な検査などの諸費用を全てしっかりチェックしておきましょう。

AGAは成人男性の3人に1人に発症する可能性がある脱毛症と言われています。
そして、進行性のため発症したら治療しないと症状がどんどん進んでいき、治療を中断すると症状が再発する可能性が高いことから治療期間が長期にわたるという特徴があります。
さらにAGA治療は保険適応外の自費診療であり治療費が高額になることから、診療にかかる時間や費用はなるべく抑えたいところです。
そのためには、AGAの症状の始まりから経過を診察し、治療の効果をしっかり判定してくれる医師の治療を継続して受けることが重要です。
というのも、AGAの治療に効果が感じられた状態が続けば、治療薬の減量や治療方法の簡略化が期待できるからです。
そうなれば診療の手間も治療費用も抑えられるため、乗り換え割などの割引を利用するよりも結果的に安い可能性が高いでしょう。
また、AGA治療は副作用が少ないと言われていますが、より安心安全な治療を受けるためには小さな変化を見逃さないよう定期的に同じ医師の診察を受けることをおすすめします。

■この記事の著者■　AGA薄毛予防治療クリニック　医師

柏﨑　喜宣　（かしわざき　よしのり）

名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。