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禁欲は薄毛対策に効果アリ?性欲が強いとハゲるって本当?ウワサの真偽を徹底解説
「禁欲生活を続けるとハゲが治るらしい」というウワサが世間に広まっていることをご存知でしょうか?
このウワサの背景には、「射精する機会が多いと男性ホルモンが多く分泌されるからハゲる」、といった男性ホルモンと薄毛になんらかの因果関係を示した都市伝説があるようです。
それでは「禁欲により薄毛が改善する」というウワサの根拠は本当にあるのでしょうか。
今回は、「禁欲で薄毛(ハゲ)が治る」というウワサについて、広まった理由や真偽を解説するとともに、成人男性における薄毛の原因として多いAGAについて、禁欲との関係があるのか詳しく見ていきましょう。■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
禁欲にまつわる薄毛と関連のあるウワサの真相とは
世間一般に浸透している薄毛に関するウワサの中には、「禁欲」や「性欲」や「自慰行為」と結びついたものが多くみられます。
そのため「薄毛にならないために禁欲が必要なのか」が気になっている男性は多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは「射精しすぎるとハゲる」、「禁欲するとハゲが治る」というウワサに関する質問に回答します。
薄毛対策のために禁欲するべきか悩んでいる、という方はぜひ参考にしてください。Q:禁欲すると栄養分が髪の毛に行き届くようになって薄毛(ハゲ)が治るって本当?
A:禁欲自体が髪の栄養を増やすことはありませんが、髪にいい栄養を摂ることで薄毛が改善する可能性はあります。
禁欲して射精しない状態が続くと、睾丸で作られた精子の栄養分が体に再吸収されるから髪に栄養が増える。
という説があるようですが、再吸収されたタンパク質などの栄養素は生命活動や日常生活で消費されるため、髪の栄養として特別に多く働くことは考えにくいと言えます。
そのため「禁欲によって髪の栄養素が増えて薄毛が治る」という期待はしない方がいいでしょう。
しかし、薄毛の原因には髪の栄養不足が関係している場合もあるため、良質なタンパク質や髪の生成を助ける亜鉛やビタミンB群は積極的に摂取することをおすすめします。Q:禁欲すると男性ホルモンの分泌が減るからAGAにならないらしい
A:禁欲していてもAGAを発症する可能性があります。
禁欲して分泌が抑えられる可能性のある男性ホルモンは「テストステロン」ですが、禁欲で全く分泌されくなるわけではありません。
そもそもAGAの原因は「脱毛因子」という髪の成長をストップして、抜けるよう促す物質が過剰に産生されることにあります。
脱毛因子の産生はテストステロンの分泌量に左右されているわけではないため、禁欲してテストステロンの分泌を多少抑えたとしても脱毛因子の産生を抑えることはできません。
脱毛因子の産生を抑えるためには、テストステロンを「ジヒドロテストステロン」に変換させる働きを持つ「5αリダクターゼ」という酵素を阻害することが重要です。
そのためには「フィナステリド」や「デュタステリド」といった、5αリダクターゼを阻害する働きを持つ成分でできた薬の服用が効果的でしょう。Q:射精しすぎると精液を作るために髪の栄養が不足するからハゲるって本当?
A:1日数回の射精を毎日する程度では、髪の栄養不足による薄毛の可能性は低いでしょう
射精によって放出された精液の成分は「精漿(せいしょう)」「タンパク質」「亜鉛」などであり、髪の成分や髪の成長に必要な成分と同じです。
そのため大量に精液が失われると髪への栄養が不足する、という理由から薄毛になると考えられているようですが、WHOの報告で1回の射精による精液量は正常値が1.4mlで、平均3ml程度だとわかっています。*
そのため1日に数十回以上射精しない限り、精子の生成に使われるために髪に必要な栄養分が不足するということは考えにくいでしょう。
*WHO「ヒト精液検査と手技」2010年版参照(https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/44261/9789241547789_jpn.pdf?sequence=4)Q:性欲が強いと男性ホルモンが多く分泌されてAGAになるらしい
A:性欲の強さとAGAの発症しやすさの関連は考えにくいでしょう。
男性ホルモンの一種「テストステロン」には筋肉を大きくしたり、性機能を高めアグレッシブに行動していく作用があります。
そのため「絶倫の男性は男性ホルモンが多く、男性ホルモンが原因のハゲになりやすい」と思われているようです。
しかし、男性ホルモンの多さは見た目で測れないため、実際に薄毛の男性の全員が男性ホルモンを多く分泌しているとは言えません。
仮にテストステロンの分泌が多い男性がAGAを発症していたとしても、それはテストステロン量が直接の原因ではなく「テストステロンが変換されてできた別の男性ホルモンが受容体に取り込まれやすい」ためなのです。
つまり、性欲を旺盛にするテストステロンがどれだけ多く分泌されても、別のホルモンに変換された上で受容体に取り込まれなければAGAによる薄毛は発症しないということになります。Q:禁欲してるとストレスでハゲる?
A:医学的な根拠はありませんが、ストレスによる血行不良は薄毛を引き起こす可能性が考えられます。
薄毛対策のために禁欲してみたものの、そのせいでストレスが溜まった状態が続いてしまうと頭皮環境の悪化を招くおそれがあります。
過剰なストレスがかかると、ヒトの体内では自己防衛のために交感神経が優位になり自律神経のバランスが乱れると言われています。
自律神経の乱れは全身の緊張や頭皮の血行不良を招き、不眠や睡眠の質の低下を引き起こし髪の成長を促す「成長ホルモン」の分泌が低下するため薄毛になる可能性があります。
禁欲自体に薄毛対策効果は期待できないため、過剰なストレスを抱えないためにも無理な禁欲の必要はないと言えるでしょう。AGA(男性型脱毛症)と男性ホルモンの関係とは
「男性ホルモンが多いと薄毛になる」という説は一般的に広く知られており、男性ホルモン全てが悪者のように扱われがちですが、実際にはAGAの原因は男性ホルモンが全てではありません。
ここではAGAと男性ホルモンの関係について詳しく解説しますので、正しい知識を身につけておきましょう。AGAの原因に関係する男性ホルモンはジヒドロテストステロン
AGAの発症に深く関わっているのは「ジヒドロテストステロン」という男性ホルモンで、男性はもちろん女性の体内にも少量存在する誰でも持っている男性ホルモンの一種です。
ジヒドロテストステロンは、男性にとって次のような重要な働きを持っています。
・胎児期における陰茎や陰嚢などの男性外生殖器の形成や発達
・思春期における声変わりや体格の変化など第二次性徴の発現
・成人以降における前立腺肥大やAGAの発症
成人以降は男性にとってあまりうれしくない働きが目立つため、「悪玉男性ホルモン」と呼ばれることもあるのでご存知の男性もいるかもしれませんね。
ジヒドロテストステロンはそのまま体内に存在しているわけではなく、テストステロンという男性ホルモンが5αリダクターゼという還元酵素と結びつくことによって産生されます。
5αリダクターゼの活性度が高いほどジヒドロテストステロンが多く産生されますが、活性度の高さには個人差があり遺伝により継承することもわかっています。ジヒドロテストステロンが多くAGAの発症リスクが上がる男性の特徴とは
AGAの発症リスクに関係するジヒドロテストステロンが多いということは、5αリダクターゼの活性度が高いとも言えるでしょう。
5αリダクターゼの活性度が高い男性の特徴は次が挙げられます。
・AGAを発症している男性が多い家系
・喫煙している
・飲酒量が多い
・ストレス過多
5αリダクターゼ活性の高さは長身からの遺伝情報を引き継ぐと言われています。
また、隔世遺伝と言って家系のどこかにAGAを発症した男性がいる場合は、世代を超えて遺伝する可能性があるでしょう。
遺伝のほかにも、多量の喫煙や飲酒は5αリダクターゼの活性を抑える「亜鉛」という栄養素を消費しやすいことや、ストレスの蓄積によるホルモンバランスの乱れは5αリダクターゼ活性を高めるおそれがあります。AGAの症状とメカニズムとは
AGA(男性型脱毛症)は成人以降の男性3人に1人に発症すると言われています。
かなり身近な脱毛症と言えるため、男性はどんな症状でなぜ発症するのか知っておいた方がよいでしょう。
ここではAGAの基礎知識をわかりやすく解説しますので、自分に気になる薄毛や抜け毛症状が出た場合、AGAとして考えるべきか判断する参考にしてください。AGAに特徴的な症状とは
AGAには見た目に特徴的な3つの薄毛や抜け毛症状の進行パターンがあります。
①こめかみの生え際から薄毛が始まり、正面から見てアルファベットのMのように症状が進行する「M字型」
②頭頂部から薄毛が始まり、頭上から見てアルファベットのOのように見える「O字型」
③額の生え際全体と頭頂部に薄毛が広がった①と②が融合した状態で、頭上から見てアルファベットのUのように見える「U字型」
①と②はどちらか一方だけ見られる場合もあれば、併発する場合もあります。
日本人男性は①のM字型の発症が多いといわれていますが、どの進行パターンにおいても最終的には頭部全体の髪の毛が抜け落ちていくという「進行性」という特徴があります。
進行速度には個人差がありますが、治療しなければ自然治癒することはないと言われています。AGAを発症するメカニズムとは
1:テストステロンと5αリダクターゼが結びつく
↓
2:ジヒドロテストステロン(DHT)に変換される
↓
3:ジヒドロテストステロンが「アンドロゲンレセプター(ホルモン受容体)」に取り込まれる
↓
4:「脱毛因子(TGF-β)」が生成され、アンドロゲンレセプターの周囲の髪の成長が止まり抜け始める以上のメカニズムから、AGAの発症にはさまざまな要因があり、禁欲によってAGAの発症が防げるものではないことがわかります。
テストステロンは元々男性に多く分泌されているホルモンで、筋肉や骨格の形成や維持などの体格に関わる働きの他に、前向きでアグレッシブな考え方をもたらす精神面でも重要な働きがあります。
テストステロンは性的興奮や射精により分泌量が増えますが、テストステロン量が多くても、5αリダクターゼと結びつかなければAGAの発症に至ることはないと考えられますね。
さらにジヒドロテストステロンがアンドロゲンレセプターに取り込まれる感受性の高さも重要なため、AGAの発症にはさまざまな要因があることがわかります。AGA対策や予防方法とは
AGAの原因やメカニズムから、5αリダクターゼの働きを阻害することでAGAの発症を抑えられることがわかっています。
そこでAGAの治療や自分でできる対策や予防方法について解説しますので、気になる方法についてチェックしてください。AGA専門クリニックによる治療方法
AGA専門クリニックでは、「プロペシア」や「ザガーロ」など「フィナステリド」や「デュタステリド」という5αリダクターゼの働きを阻害する成分の内服薬治療をベースにしたAGA治療が受けられます。
さらに、「ミノキシジル」という血管拡張作用のある外用薬を直接薄毛の症状が出ている頭皮に塗布する治療を併用することで、AGAの発症を抑え、今ある髪とこれから生える髪の成長を助けるといった2段階の治療が可能です。
AGAの症状出方や進行スピードには個人差が大きいため、かかりつけのAGA専門医による治療をおすすめします。AGA対策セルフケア
AGAの治療とともに行いたいのが、日常生活におけるセルフケアです。
・禁煙や飲酒量の制限
・良質なタンパク質の摂取や食事回数と時間を規則的にするなど、食生活の改善
・適度な運動や趣味に没頭する時間を作るなど、ストレスを溜めない
といったセルフケアの中から、自分でできることから始めていきましょう。まとめ|薄毛を治したいなら禁欲するよりもAGA専門クリニックに相談しましょう
成人男性にとって身近なAGAは、外見を大きく左右するため大きな問題になるでしょう。
AGAによる薄毛や抜け毛対策として、効果があるとされるウワサは数多く広まっており、「禁欲すると薄毛(ハゲ)が治る」というのもそのひとつです。
しかし、AGAのメカニズムを見ていくと、禁欲が直接AGAの薄毛を治すという効果は期待できないことがわかります。
薄毛や抜け毛が気になるのであれば、まずはAGA専門クリニックに相談することをおすすめします。
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■この記事の著者■ AGA薄毛予防治療クリニック 医師
柏﨑 喜宣 (かしわざき よしのり)
名古屋大学医学部卒。創業以来日本全国のAGA・薄毛で悩む男女に対して適切な診察とAGA治療薬の効果最大化をしている。
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